昨夜は人獣共通感染症専門家の講演を聞いてきた。

現在、西アフリカで流行しているエボラウイルス感染者数は7千人を越えているが、
今夏の増加ペースから予測されていた感染者数には達しておらず、
増加してはいるものの勢いは落ちて来ている。


 過去のエボラ感染症発生エリアである中央アフリカ一帯における実地調査では、
コウモリや霊長類からエボラウイルスに対する抗体は検出されるものの、
一種類の抗体ではなく、複数種のエボラウイルス抗体が発見されるという。

 その上、コウモリからウイルスそのものが発見されておらず、
コウモリが自然宿主であると断定できないのが現状とのこと。


 研究から判明したことは、
多種類のエボラウイルスが、
南欧からアフリカ大陸、インド洋をはさんで東南アジア、中国南部まで広く分布しており、

様々な程度の病原性を持つために、
今は西アフリカ中心に発生しているものの、
将来、
別のエボラウイルスによる感染症が上述の地域で発生・流行する可能性もあるという。

 しかしなんと言っても、
病原体を持つことが一番疑われているフルーツ・バットから
エボラウイルスが検出されないという事実が謎として残る。


 やはり一部で噂されているように、
生物兵器として開発されたのだろうか?
昨夜の講演では、そこまでの話はなかった。


日本にはこのレベルのウイルスを研究するBSL-4施設は無いため、
エボラや強毒性鳥インフルエンザの研究に遅れを取っており、
治療薬の開発ではハンディがある。
 
 日本で開発された「アビガン錠」も米国と中国に応用されてしまいそうだ。

ちなみに、
エボラ治療薬としては複数の抗体を混合した「抗体療法」が期待できるとのこと。
今のところ動物実験では成果がでているようだ。


日本での予防は、
検疫を強化徹底することが依然として肝要。



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