<さらばアトランティス・・・愛をこめて> 第70話
原作:ドラゴン 編集:FUKATI
これまでの主要登場人物
・ターシャ:今は亡き天才科学者トル博士の姉で、帝国首都神殿の巫女
・フーカ:レムリアの叡智を受け継ぐアトランティスの老神官・祭司長
(現代ではこのブログの管理人FUKATI !?)
・ハロンの科学者サマ博士、キュ博士:フーカの弟子。生き残りミッションを担当。
・宇宙観測所所長デープ
・官房室長・広報室長ロミ
・その部下ミチ・・秘密情報員で巫女
・ヨーシ総統:前提督を暗殺し帝国乗っ取りに成功した。
・宮殿長ヒーロ、その部下ローキ
・秘密警察長官ターナ
・取調室長マーク
・警護官長マーサ
・黒魔術集団頭領スーガ
・黒魔術師ワーラ
別れを惜しんでの シップは、神殿へと 舵を切った。
「フーカ様 、あの頃が懐かしく思い出されます。
フーカ様と巫女たち で 祈りを 終えたあと、神殿内での 宴にはいつも 暖かいぬくもりと 光に包まれた 安堵感で満ち溢れていました。
皆の顔に笑みが こぼれ 、いくら アトランティスの政治的 混乱があっても 、神殿内は別格の世界でした。
しかし フーカ様が 去り、 政治的動乱が 神殿内にも 暗い影を落とし、
人間本来の祈りが 失われて 全てに 我欲と恐怖に おののくように なって しまい、
神殿も 悪魔の餌食へと変貌しました! 」
「ターシャよ、 それも 全て 我々の学びにて。
創造主様 が 善いも悪いも 両方を 体験する事により 、己の魂の進化を即し 気付かせる為ぞ! 」
二人の会話が 続いた。
やがて シップが神殿に 着陸して 二人は、降り立った。
シップの操縦士が 別れを告げ て立ち去った。
二人は、住み慣れた神殿に 入り 驚愕した。
何とも惨たらしい 遺体の数であった。
皆 無残にも 戦いの後を見る光景だった。
二人は、死体を尻目に 奥へ奥へ と進んだ。
「フーカ様、 この人は、確か 警護官長の マーサ様です。
こんな 無残な 死に方をなさったとは、一体何が 神殿であったのでしょう!」
それは、背中に剣が刺さったままだった。
顔は焼けタダレ 、火炎放射銃からでも やられた様子だった。
二人は、更に神殿 奥へ 足を踏み入れるのが やっと だった 。
神殿内の身内の死体に呆然とする 二人の目には生存者は見つからず、
見るに忍びがたい替わり果てた 神殿 に唖然とした。
思わず ターシャが 叫び、 フーカにもたれ掛かった。
それは、フーカの後を継いだ 新祭司長ターガの首が 、剣で 無惨にも 切り落とされ 姿だった。
思わず 、さすがのフーカも 目を覆った時、神殿内から 不気味な 声が響いた。
「誰なの あなた様は、何者!」ターシャの声に。
「これは、これは、 いつかの 美しい 巫女殿は、私を スッカリ 忘れて仕舞いましたかなぁ!」
その時 生温い つむじ風が 吹き荒れ、 生首が 宙に舞い やがて 黒魔術使いの ワーラの顔に成った。
ターシャが 叫んだ 。
「どうして神殿内が、 何が あったの 。あなたの仕業なのね!」
「はぁはぁはぁ。
そうだ ワメケ、 吠えろ、 憎しめ、 もっと もっと 怒るのだ!」
ワーラにとって 恐怖や憎しみのエネルギーこそ 最大の餌であり、それに酔いしれ もっと もっとと 煽り立てた。
「巫女よ、 冥土の土産に 神殿内で何があったか 教えてやる 。
そして もっと もっと 怒るのだ!」
<さらばアトランティス・・・愛をこめて> 第71話
ターシャの質問に ワーラが答えた。
「悔しいか。憎いか。ほら ほら もっと もっと 怒れ。
そして 憎め 憎め。どうした どうした!
そなたの 涙を見ていると 嬉しくなるぞ。
どうした もっと 泣け 泣け 、声を出して泣け 。
ほら ほら 声も出ない程悔しいか! 」
「ワーラ様 、貴方様を愛しゅうございます!」
「何だと(怒り)このワーラ様を オチョクル気か 。愛しゅうとは、どう言う事だ! 」
「はい 愛しゅうございます。哀れな貴方様に 、光より 慈愛の心より 哀れみの涙です!」
「言わせておけばイイ気に成りおって。 八つ裂きに してやる! 」
ワーラは黒い霧を吐き 、辺り 一面を 暗闇に すると 、
赤い 稲妻 を放ち ターシャ目掛けて 襲い掛かろうとした。
その時、 ヒューと 一直線に 風が吹き荒れ 、青い炎が 矢の如しに ワーラの 顔 目掛けて飛び 、
頭を貫通した。
「おのれ 誰だ、 俺様の邪魔をする奴は。許せない! 」
「その時だった。
そこに 現れたのは、ヨーシ総統閣下 自ら 黒魔術を使い ワーラに報復したのだった。
「ワーラよ このヨーシを 甘く見るなよ 。
黒魔術くらい、私の方が お前さんより上だという事を思い知ったか 。
あんたには、アトランティスの内紛を煽られ、 散々な目に遭わされた 。
その借りを返してやる 。
まして この 神殿にまで 黒魔術で 反乱軍を操り 、もう 私とて 我慢が 出来ない。
永遠に 地獄へ 封印してやる。思い知るが良い 、とどめを 差してやる!」
「そこに今度は、スーガが現れ、ヨーシの前に 立ちふさがった。
「ちょうど良い所だったが ヨーシよ 。
ここからは、儂が相手だ! 」
そこに フーガが神殿 奥から現れ、
「スーガよ 待たせたな 。もう 逃げ 隠れは、無しだ 。
今度こそ エネルギーを 燃えかせそうぞ!」
「おー 待っていたぞ フーガよ。
今度こそ 答えを 思い知らせてやるわ 。
ワーラは、ヨーシに くれてやるわ。
フーガ 行くぞ 覚悟せー! 」
「望む所だ!」
その瞬間 空は暗雲漂い、 赤と 青の 稲妻が走り、雷鳴が鳴り響いた。
竜巻が 舞い上がり、 そこに 二人が 呑み込まれてしまった。
いっぽう ヨーシは、ワーラの顔 目掛けて神殿にあった 神の剣を投げつけた。
悲鳴と 共にワーラが 剣の刺さった まま 首ごと 宙 高く舞い上がった。
そこへ 稲妻が当たり、ワーラは転落して地面に剣ごと 刺さった。
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第71話終了
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