声明(しょうみょう)というと、仏教に詳しい方ならよくご存じと思う。
簡単に言ってしまえば、
チベット仏教や真言密教に限らず、多数の僧侶が声をそろえてお経を唱える行。
それ自体が修行であり、仏に捧げる意味あいもあるのだが、
広い意味では仏教音楽の範疇に入っている。
元になる音程=基音とオクターブ違いの音も一緒に響いて、
非常に深みのある音が響く倍音現象は、
西洋器楽曲では基本的な音響作用であり、
オーケストラ演奏では意識せずとも普通に体験しているといえよう。
多数の僧侶による読経においても類似の音響現象が発生し、
それは”倍音声明”(ばいおんしょうみょう)と言われている。
各種CDが発売されているので簡単に参照できる時代となったが、
チベット・ラマ僧による声明が、起源と迫力と効果(?)という観点から、
倍音声明の頂点と言えるかも知れない。
その程度の知識しかない身で、
株式会社春秋社刊
葉室頼昭著 CDブック
「大祓(おおはらい) 知恵のことば」を買って見た。
大祓祝詞は神道の祝詞であり、
現存するあまたの祝詞の中では最高の祝詞という評価がある。
この祝詞を多人数で唱えたこのCDを聞いてみたら、
これが見事な倍音声明になっていた。
祝詞の母音がほぼ3Hzの周期で、
さざ波のように強弱を繰り返すリズムが非常に心地良い。
この声明のリズムに合わせて、
自分でフトノリト(#)を繰り返し唱えると、
心なしかより祓いの効果があるように思えた。
今頃になっての新鮮な発見であった。
(#=アマテラスオホミカミ アマテラスオホミカミ)
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