<さらばアトランティス・・・愛をこめて> 第15話
原作 ドラゴン
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これまでの主要登場人物:
主人公トル:レムリア人エリート科学者の血を引き、アトランティスの科学アカデミーで学んだ新進気鋭の科学者。
(現代ではこの物語の原作者であるドラゴンさん)
リル:トルの弟。同じく優秀な科学技術者。
ターシャ:二人の姉。優れた霊能力を持ち、アトランティス王宮で巫女となる。
フーカ:レムリアの叡智を受け継ぐアトランティスの老神官・祭司長
(現代ではこのブログの管理人FUKATI !?)
・コーン提督:アトランティス帝国、王室の一員で次期皇帝の座を狙う野心家。
・宮廷長官ヨーシ
・その部下ヒーロ
・宇宙観測所所長スーズ
・同観測員デーブ
・官房室長・広報室長ロミ
・その部下ミチ・・秘密情報員、巫女を装う。
・秘密警察長官ターナ
・取調室長マーク
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
怪しげな作業員と作業車が神殿を後にして立ち去った。
拉致の一部始終を一人の新人巫女が 見ていた。
それは、宮殿内から使わされた秘密情報員のミチだった。
彼女は特殊教育を習得しているため、完璧に気付かれずに見ていたつもりだったが 、
ただ一人だけ、それを知ってか神殿内を探し、さ迷う女性巫女がいたのに気がついた。
ミチは誰だろうと思い、神殿内の石柱の後ろに 隠れたが、
その巫女から透かされているように声を掛けられた。
「そこにいる 新人巫女さん。こちらに来て下さい 。何も怖くありません、お願いだから 顔をだして!」
優しい 言葉に ミチは、何とも 癒されるような 不思議な空気の流れに 逆らえない 自分が信じられなかった。
「私は、ターシャ。あなたの名前は?」
「ミチと言います。」
「あまり見掛けませんが 何時から来たのですか!」
「二日前です!」とミチは答えた。
「それでは、私の弟の トルの 名前も顔も 分かりませんね。
私は今、弟のトルと言う学者を探していたのですが、何か不審な出来事を見ませんでしたか?
私には何か叫び声が聞こえた気がし、 いそいで かけつけたのでしたが! 」
暫く ミチは、呆然としていた。
あまりにも 輝く オーラ に、この世の 人でなく 天女の様に 感じたからであった。
思わず ミチは、 「すいません 実は、見てしまったのです、それと 私は、」と言いかけ、
「いいのです。それ以上 話さなくても! もし その気になりましたら、私も巫女として この神殿に居ますので、いつでも 私の部屋にお越し下さいませ!」
ターシャはそう言うと立ち去って行った。
ミチは、不思議な感じに 酔いしれていた。
しかしこうしてはいられない、早くロミ様に報告しなければとミチは 神殿を後にした。
一方、拐われたトルは、秘密警察署の地下の一室で 過酷な拷問を受けて、気絶しては水を掛けられたり し、身体中アザと血だらけになっていた。
それでも 何も答えないトルに対し、一旦 取り調べを終了して地下牢にとじ込めた。
取調室長のマークが 宮殿長官ヨーシに、トルが口を割らない様子を通信したが、
ヨーシ長官は何やら魂胆が有るらしく、そのまま殺さず当分の間、牢に留置しておくことになった。
「ヨーシ様 なぜ あやつ めを 生かすのですか!」
「ヒーロよ、今に 分かる。黙って 指示にしたがうのだ!わかったか! 生かさず 殺さずだ!」
「 はぁ はぁー! 」
また巫女として神殿に忍びこんだ ミチも、上司のロミに 一部始終を報告していた。
「分かったわ、マーク(取調室長)の部署にも こちらの 息のかかった 者たちがいるから 早速 指示をだすわ! ミチ 、神殿に帰ったら トルの姉のターシャに会いに行き何かを聞き出して!」
「分かりましたロミ様!」
神殿では、フーカとターシャが トルの件を知るにいたり、
ターシャは、天の采配によるもので これも 定めと諦念し、
フーカもまた、これも全て受け入れると 神々に跪いて祈っていた。
やがてフーカは、学者たちを集め 遊星爆弾の迎撃体制に入った。
ミチは、ターシャに直接会いにいった。
そこで ターシャよりミチの聞きたい事の全てを聞かされ、驚きと動揺のために今にも 心臓が破裂しそうになった。
何故ならば、遊星爆弾の誘導や迎撃、弟の拉致を操った裏組織、そして一番は、ミチや上司に当たるロミたちの 行動など、みなターシャに霊視されてしまっており、ターシャは全てを承知の上でミチ自身と会い、全てを正直に話してくれた事に驚き、ミチは言葉を失った。
ミチは、尋ねた。
「何故 私にそこまで 話されたのですか! あなた様の本質の魂は、とても 綺麗で 透き通っています、この地球の進化に 必要なお人です。」
「これも天からの命なのですよ!」とのターシャの答えにあまりにも ショックを受けて、急いで神殿を後にして ロミのもとへ向かった。
そして ロミに 隠さず 報告したが、それを 聞いた ロミもまた 驚いた。
何故か不思議と望郷の念が湧き出ていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
第15話終了
クリック頂いて有り難う御座います。