昨日から大きく報道されている全国地震予想地図を掲載する。
小さくて見にくいが、お住まいの地区は如何だろう?
じっくりと眺めて、安全を確保したい。
http://www.jishin.go.jp/main/p_hyoka04.htm
確率論的地震動予測地図(基準日:2012年1月1日)2012年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布
<さらばアトランティス・・・・・愛をこめて (3)>
原作 ドラゴン 編集 FUKATI
トルとリルの兄弟は、下級アカデミーと言ってもアトランティス首都の大学であり、 やがては帝国を担う学者たちを輩出する一流とも言える機関で学び始めた。
そこでめきめきと頭角を現して行く二人に、周囲の者達は一目も二目も置くようになり、祭司長のフーカも彼らを注目していた。
当時のアトランティスにおいて一番欠落していたのは、 科学倫理観だった。
優れた物があれば良い、有名になって皇帝閣下の勲章をもらう名誉が全てで、他はどうでも良い。
アトランティスだけが栄えれば 他の国はどうなろうと関係なく、強い者が正義だ!という風潮が蔓延していた。
このような風潮に、祭司長は
「このままならアトランティスは必ず滅びる。宇宙科学を戦争兵器開発に流用しているこの帝国に未来は、無い 。」と考えていた。
祭司長は、若かりし日のレムリアで、偉大な科学哲学者であったマコーの教えに共感したはるか昔の時代を懐かしんだ。
マコーとは、二人兄弟の曾祖父にあたる人物で、まだレムリアがアトランティスと交戦する前に、卓越した宇宙科学の倫理観に基づき、学者として精神性の重要性を説いた学者であった。
そのような事情もあり、この兄弟たちには特に目を掛けていた。
やがて兄弟たちは下部アカデミーから上部アカデミーへの編入試験に合格し、祭司陣から直接講義を受けるようになった。
トルは自然科学の分野では抜群のセンスを発揮し、特に気象学と波動力学にはずば抜けた才能を発揮した。
道徳および倫理観においても申し分ない人物となった。
弟のリルも物作りと工学と生物学に秀で、同じく倫理観も素晴らしかった。
ある日、兄トルは植民地エリアで降水量が少ないために旱魃となり、食糧難になっている地域に雨を降らせるための気象操作理論を考案した。
その理論を基にして弟のリルにテクノロジー化させ、論文と実験とによって実証したため、アカデミーの担当教師と祭司たちを驚かせた。
その当時としては大変大掛かりな装置が必要であり、数千キロ離れた中継局から大容量電力を使って低周波動を発生させる方法であった。
ひとつ間違えば地震を発生させ、人間と動植物の細胞まで破壊する武器ともなる。
戦争以外は使用禁止とする必要のある、使い方によっては核兵器以上の武器ともなるような発明を、若い学者の卵たちが平和利用のため成し遂げたのだった。
パルス波動を、ブラーナ(宇宙の素粒子)を集めて発生させるこの装置を、省電力化により何処へでも運べる 車両に搭載し、コンピューターへも人間の右脳より指示を出し、それをシューマン振動(地球より自然と湧き出る波動)と共振させ、さらにその振幅に高周波を搬送させて原子転換してから大気に当てると、十数キロに渡り雨を適度に降らせることのできる画期的な発明であったため、皆唖然となった。
この発明は、右脳をコンピューターにインターフェースした事により、波動(霊格)が高くなければ 、つまり愛がなければ実現できない特性があった。
それゆえ、悪意ある人間では操作不能になるという画期的な発明が絶賛されたのだった。
しかし喜んだのも束の間だった。
科学アカデミー発表会の前日に、何者かによって装置機材と論文資料のすべてが持ち去られたからだ。
発表当日アカデミーからは、如何なる理由があるにしろ発表出来ないなら無効であると宣言され、この研究は幻に終わった
兄弟は、心なき人々から嘘つきと呼ばれる始末となった。
やがて騒ぎも落ち着き忘れかけた頃に、帝国一番のアカデミーの研究グループから 画期的な気象操作機械化に成功したと、大々的な正式発表があった。
それは兄弟の発明の盗用であり、しかもオリジナルと異なってコンパクト化されず右脳を利用するのでもなかった。
その上、準備に数日かかり、スーパーコンピューターと強力な電力も必要としていた。
しかし、目標とする地域に正確に照準を合わせることは可能となっていた。
それから数年後、トルもリルも祭司長の要請でアカデミーに残って、研究員となって祭司たちの補助を務めていた。
第3話終了 次回に続く
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