西暦535年に世界的な気候激変が発生したが、その原因については諸説あり科学的には火山噴火説が一番有力。しかしこの時の気候激変の様相は直径4kmほどの小惑星の衝突でも説明がつくという。
それでは、仮に直径4kmの小惑星が地球に衝突する時どんなことになるのか?優れたシミュレーションが「西暦535年の大噴火」(文藝春秋刊)に載っているので、転載改変引用してみたい。
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>地球の軌道を横切る直径4kmほどの小惑星は、60個ほどある。
>衝突の54時間ほど前から、この接近しつつある小惑星を見ることができるかもしれない。だが、地球から240万kmほど離れているときの小惑星は、その段階ではまだ、夜空にほんのかすかに見える一点の光に過ぎない。
>衝突の一時間前には、誰もが何か変だと感じるだろう。約5万kmの距離ともなると、一点の光どころではなくなっているからだ。
>衝突の30分前には、地球からわずか2万4千kmほどのところに来ている。夜空では、月に次いで二番目に明るい星となり、昼でも見えることだろう。この段階では金星より明るくなっているはずだ。
>衝突の6分前。まだ地球から4千3百kmほど離れてはいるが、金星の30倍は明るくなり、月の直径の十分の一には見えているだろう。
>地球に突っ込もうというこの小惑星は、その後4分以内に明るさが約9倍になることだろう。
>衝突の2分前には、金星の250倍の明るさを持ち、直径は月の四分の一になっていると推定される。
>そして衝突の八秒前。小惑星は地球の大気圏に入り、初めてそれ自体が光を発するようになるはずだ。
>衝突の数秒前には、空でいちばん明るい星になるだろう。地球からの距離は5百kmあるが、太陽と同じくらい明るい火の玉に見えるだろう。
>地球からの距離が50kmになると、太陽の百倍も明るくなるはずだ。
>小惑星は角度30~60度、時速6万km以上で突入。小惑星の表面は、太陽表面より熱くなる。(>6000℃)
光の大半は、小惑星が通過するさいの無数の空気分子から生まれることだろう。
>小惑星の膨大な運動エネルギーのうちいくらかは、摩擦によって空気分子をなんと2万4千~3万℃にまで熱するはずだ!
陸地に衝突すれば、直径40km以上のクレーターを作る。
>もし海に衝突すれば、400立方kmの水が即座に蒸発して60万立方kmの水蒸気になり、それが時速3万km以上で空に向かって駆け 上がり、成層圏を突き抜けるだろう。
>衝突点の周辺では、衝突で生じた衝撃波で高さ24~32kmの大波が立つ。時速約1600kmの速度で外に向かうこの波は、衝突した場所から約8百kmのところでは高さ60mくらいになることだろう。
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(ゲリー・ボーネルによると南太平洋にこのような天体衝突が起こると、日本へは600mの高さの津波が来るという。)
衝突後は、いわゆる「核の冬」のような状態になると予想される。約2年間は太陽の光が遮られて寒冷化し、地球人類は大飢饉に見舞われることになる。
今のところ逼迫はしていないが、将来の小惑星接近では、2年前くらいから緊迫した情報が伝えられることだろう。