4月、
私がお散歩していたら
一匹の猫に出会いました。
その子は
私の目を見て
向かってきたんです。
すぐ後ろに男の人がいたので
その人の猫かと思ったのですが
私とすれ違う前に
猫ちゃんは茂みの中に消えて行きました。
第一印象があまりにインパクトがあったので
私はまたお散歩する時
その猫ちゃんのことを思いました。
すると
また同じ場所でその子と出会いました。
人が入れない茂みの中から
ひょっこり
体は痩せていて
また私のことを真っ直ぐに見て
口をペロンとしました。
お腹が空いているんだ。
たった一人でこんなところで。
私は翌日から餌をもって散歩に出かけました。
何日かして
また会えて私は餌を上げ始めました。
大きな缶を一つペロリと平らげ
更にパウチの少量も平らげました。
またあった時、
兄弟猫と思われる猫と一緒でした。
一緒にご飯を上げました。
そして、またあった時、
同じ色の小さめの子と一緒でした。
あなた、お母さんなの?
私はますます気になって
散歩なんてほったらかしに
餌を上げに通うようになりました。
会えたり、会えなかったり。
今私は、
君のことを心から思っているよ。
名前は「君代ちゃん」にしました。
君代ちゃんを助けたい。
強く思うようになりました。
捕獲機をアマゾンで注文しました。
捕獲機が届いた日、
君代ちゃんは家族と一緒に餌を食べに来ました。
君代ちゃんにそっくりな
初めて会う子がその日は登場して
捕獲機に
もう誰でもいいから入ってくださーいって
仕掛けましたが誰も入らず
君代ちゃんは、私を案内するように
トコトコ、公園の奥に入っていきました。
私はその後ろについて行きました。
すると
君代ちゃんとそっくりな子が2匹
君代ちゃんの兄弟猫もいて
みんな、集まって
ご飯を食べていたんです。
君代ちゃんは、餌やりさんを
私に紹介したかったようです。
餌やりさんは、
もう7年も一人でこの子たちを代々お世話していた
そうです。
えさやりさんは、
去勢できず増えていく不安で
毎日心を痛めていました。
私は、えさやりを半分受け持つことを
申し出ました。
そして頑張って保護したりTNRして
これ以上増えないようにしていこうと
提案しました。
餌やり見習い生活が始まりました。
餌やりさんの指導で同じようにあの子たちに
餌をあげる練習です。
餌やりさんの近くに猫キャリーを置いて
捕獲練習もついでにしていたら
なんと、君代ちゃんがそのキャリーに
入って餌を食べ始めました。
餌やりさんは
キャリーの近くにいて
「どうしよう」と言いました。
「閉めちゃってください!」
パタン!
なんと、あっさり君代ちゃんは捕まってしまいました。
君代ちゃんはキャリーの中で大暴れです。
「もうあとはいいから連れて帰ってあげて」
餌やりさんに言われるまま
私は君代ちゃんを連れ帰りました。
君代ちゃんのお部屋ケージを整えて
家族が待っていてくれました。
大暴れ、餌まみれの君代ちゃんを
お部屋ケージに入れて暗幕をかぶせて
何もせずに一夜を越しました。
翌日、君代ちゃんを
病院に連れていくことにしました。
ケージで大暴れする君代ちゃんを
洗濯ネットに入れるのは至難の業でした。
ワイヤーで輪っかを作って
洗濯ネットを虫網みたいに付けて
暴れる君代ちゃんにバッと網をかぶせて
3人がかりでチャックを閉めて
キャリーに突っ込みました。
君代ちゃんは暴れて爪から血が出ていました。
君代ちゃんも恐ろしいけど
私達も恐ろしい(笑)
病院では先生と看護師さんで上手に
診ていただきました。
2キロ、痩せているけど、健康体の君代ちゃんでした。
爪も切ってもらって、
ノミダニ駆除の餌に入れるタイプをもらって
翌日はまたネットに入れるチャレンジをして
お風呂にいれました。
2人がかりでネットごとお風呂で洗います。
途中、暴れてチャックが壊れて
お風呂の中で君代ちゃんが逃げ出しました。
新しいネットを今度は手でかぶせます。
端に追いやられた君代ちゃん、
ネットを広げてもつ私、
お互い、静止したまま
数秒。
私は精神で怖さに負けるものか!と思い直し
バッとかぶせて姉ちゃんに口を掴んでもらって
この連係プレーは
素晴らしかったです。
いつも猫を保護する時は
少なからずこの捕獲バトルがあるものですが
君代ちゃんは、民家など一度も見たことのない
大自然の森の子ですから
「家」という未知の空間はそりゃ、恐ろしく
保護する側も、初めてで恐ろしく
これは、人や家になれること、
それにも時間を要することを覚悟させられました。
最初、
君代ちゃんはオオカミのように
うろうろ、一日中動き回って
隙があれば、窓に付けたの脱走防止策を
体でこじ開けて出て行こうとしました。
ストレスの臭いをお尻からだして
お風呂に入ったのに
部屋は獣の臭いで充満していました。
私は同じ部屋で君代ちゃんと毎日寝ました。


