望まないことが起きた時
同時に
自分が何を望んでいるかがはっきりとわかる
今日は桜子さんに晩御飯を作ってもらった
悪口を言うわけじゃないけど
桜子さんは料理が好きでない
そして食べることがなにより
そんなに好きじゃない
さっさと作ってしまえ、と言わんばかりの
手荒な包丁さばき
トマトが殺されているようで
もうまともに見てはいられないんだ
私が野菜を切る係を交代した
早く火を通すために
小さく切って、
薄く切って、
って言われても
私は言うこと聞けないんだ
この食材は形がコロコロしてた方が
いいし、
見た目もこっちのほうがいい
私は食べることが好きだ
私は食べることを大切にしている
私は野菜が好きだ
野菜はチャーミングで魅力的だ
そんな素敵な野菜さんを
やっつけたくないんだ
無農薬で
近所のおばあちゃんが育てた野菜
お仕事で
私もちょっと水やりしたことある野菜
私は5年前まで大阪で暮らしていた
スーパーの野菜の
元気のなさを感じて何か楽しくなかった
そして
料理も毎日家族分作るのが
億劫でさっさと食べて片づけて
寝たいと思って10年以上主婦やってた
料理もパターンを超えることなく
嫌いでつまらなかった
料理も美味しくなかった
そして
ある日
産直のレタスを家で食べて
涙が出た
美味しい
野菜っておいしい
元気出る
ありがたい
って。
土や太陽や雨や空気が
その生きたレタスに
ふくよかに包まれていた
それから
私は産直野菜にハマった
テレビの「人生の楽園」という番組が好きで
そこで
農業をやったりカフェをやって第二の人生を生きてる人に
憧れた
~産直野菜でカフェしたい~
それからずっとずっと
頭がそのことでいっぱいだった
千葉県に引っ越して
産直野菜だらけの生活になった
湧き水をくんで珈琲を淹れてる
私は
自分の願いを着々と叶えてはいるんだけど
それが当然で当たり前の毎日になって
私は
ちょっと忘れるんだ
自分の望みを
だから
時々
こんなことが起きるんだ
桜子さんの料理は
手荒で雑だけど
美味しくないわけじゃないんだ
だけど
私は愛でることが
したいんだ
その野菜たち
料理する時間や
食べている時間を
ということに気づくまで
自分の願望に気づくまで
桜子さんに
腹が立ったんだ
許せない!って思ったんだ
料理作ってくれているのに
ちゃんと美味しくなってるのに
やめて、
野菜が痛がってる!とか
思ってたりして
(超能力者気取りで)
私が
料理して、って頼んだくせに
もう本当に
こんな時
自分勝手でも
屁理屈でも
泣きたくなって
いや、本当に
桜子さんをはじめ周りの方々
すみません
なんだけど
願望が
生まれた
というか
再確認されて
私は
ますます
大好きなことを愛でて生きることを
再コミットしながら
ネルドリップでコーヒー淹れて
スコーン食べて
ホッとして
また自分を立て直して
今
ここから生きます
嫌なこと
大事なんだよね
嫌だって思うことって
本当の自分に繋がるきっかけをくれる
嫌なことって
本当はとっても
パワフルで
愛があるんだ
生で食べられるかぼちゃコリンキーを人参と新玉ねぎのドレッシングで
(野菜をかけて野菜を食べる)
地元農家さんの青ナス、トマト、新玉ねぎでラタトゥイユ
(これも肉なし野菜だけのうまみがぎっしり)
2020年の4月に始めました↓




