いやしんぼ@福岡2日目夜前編 | RAKUEN QUES†

いやしんぼ@福岡2日目夜前編

RAKUEN QUES†-鮨おさむ

2日目の夜に伺ったのは、こちらの鮨おさむ。天神からバスで約30分の住宅街にある店だ。ちなみにこの店、立地条件は悪いけど、食べログの福岡レストランランキングでなんと堂々3位に輝いている。福岡の寿司屋の中で3位じゃなくて、福岡の全てのレストランの中で3位なのだ。こりゃ大したもんだわい。



などと書いたものの、食べログの評価なんてどうでもいいんす。実のところ、事前に色々調べた結果、個人的には福岡の寿司屋では安〇計という店が一番気合いが入ってるように感じたんだよね。ならばそちらへ行けばいいではないかと思われるだろうが、どうも安春〇の大将は自慢・能書きタラタラ系らしいのよね。前回金沢で寿司を喰った際、寿司を楽しむには大将の人柄や店の雰囲気も非常に重要であると痛感させられた。なので、今回は〇春計はパス。料理の味もさることながら、接客も素晴らしいと評判の鮨おさむに白羽の矢を立てた次第である。



鮨おさむの大将は評判通り、腰が低く愛想の良い好人物。「おいしいですねー」と伝えると、本当に嬉しそうに微笑まれるのがとても印象的であった。ただ、仕事となると一転、妥協を許さぬような気迫が感じられ、店内は心地良い緊張感に包まれている。いかにもウマイものが出てきそうな雰囲気だ。



ちなみに、女将さんのサービスも非常に丁寧で素晴らしかった。大将ともども、とにかく「美味しいモノを食べさせたい」、「喜んでもらいたい」という気持ちがひしひしと感じられた。これだけでもうブラボー!ってなもんである。


RAKUEN QUES†-しじみ汁

1品目はしじみ汁。「肝臓に良いので、お酒を飲む前にぜひどうぞ」とのこと。味付けは薄めで、ダシはしっかり出ているものの、苦味が結構強い。薬みたいなもんだと思っていただいた。

RAKUEN QUES†-赤うにと湯葉

唐津産の赤うにと湯葉。赤うにのシーズンはまもなく終了で、来月からは北海道のうにに切り替わるらしい。うには塩で、湯葉は煮切り醤油でいただく。



シーズン終了間際だからか、思いの外さっぱりした印象。おろしたてのワサビ(これがまた立派なやつなんですな)と塩でいただくと、甘旨であります。



湯葉もいたずらに濃厚な味ではなく、割とさっぱりとしたもの。うにに合わせたのかな?ともあれ、こちらも美味しくいただきましたわ。

RAKUEN QUES†-ふぐポン酢和え

3品目はふぐのポン酢和え。刺身や湯引き、皮などふぐの色んな部位にカワハギの肝をまぶし、ポン酢で和えたもの。薬味は芽ねぎにミョウガ、アサツキ、モミジオロシ。贅沢だなー。



「行儀悪く、よくかき混ぜてから召し上がってください」とのことだったが、貧乏性なのでそんな豪快にワシワシ喰えるはずもない。ちびちび味わいながらいただいた。



皮や湯引きもウマかったけど、とにかく刺身のウマさにビックリした。ふぐってこんなにウマかったっけ!?



一般的なふぐ刺しよりも厚めに切られてたんだけど、熟成させたおかげか程よい弾力。その味は淡泊ながら旨味が濃厚で、鯛やヒラメなど他の白身とは一線を画す気品溢れる味わい。もう白身の王様はふぐでいいんじゃない?って思える程の悶絶級のウマさ。地球に生まれてよかったぜ!!

RAKUEN QUES†-ミンククジラの畝須

次に運ばれてきたのはミンククジラの畝須。畝須とはクジラの顎から腹あたりの部分で、脂がたっぷり乗ってるのが特徴。



「クジラのクセが苦手な人でも食べられます」との言葉通り、クセはなくウマそうな肉の良い香りしかしない。脂も全然くどくなく甘くてウマイ。ボキャ貧で悪いが、赤身の部分も甘くてウマイ。スゲーウマイ。面白くてウマイものを喰わせてもらえて、まっこと幸せでごわす!

RAKUEN QUES†-ツブ貝の煮物

北海道産ツブ貝の煮物。ツブ貝とかバイ貝の煮物は大好物。これも当然のようにウマイ。「ダシも美味しいのでぜひ」と小さじを渡されるのだけど、確かにすごくいいダシが出ておりますわ。ただかなり甘めの味付けね。そこに唐辛子の辛味がピリッと主張。

RAKUEN QUES†-鰯の梅煮

鰯の梅煮。5時間ぐらい炊いているらしいんだけど、全く皮が剥がれていないのがスゴイ。梅の風味がしっかり鰯に染み込んでいて、メチャクチャウマイっす。骨もホロホロに柔らかくて残さずいただけちゃう。



鰯もウマかったけど、梅の風味を吸い込んだ昆布もウマすぎて泣ける。南高梅も鰯の旨味を吸収した上に、塩や酸味の角が取れていて、これまたウマイんだよなー。酒が進んで困っちゃいますわ。

RAKUEN QUES†-アコウと松茸の吸い物

極めつけはこのアコウと松茸の吸い物。間違いなく今まで喰った吸い物の中で一番ウマかった。世界中探しても、日本の最高レベルの吸い物に比肩しうるスープって、ほとんどないんじゃないの?と思ってしまうぐらい、なんというか通常の味覚の範疇を超えた美味でしたわ。



ダシは一切の濁りや障りがなく、全てが絶妙な塩梅。そこに三つ葉と松茸、そして碗底に忍ばせた酢橘の皮片の香りがふわり。まさに清澄にして芳醇。驚天動地のウマさであった。思わず両手で大事にお椀を抱えて、一口一口愛おしむように口に含んでしまいましたわ・・・。




いやはや、まことに素晴らしい体験をさせてもらいましたわ。寿司はまだこれからだってのに・・・。

ほいじゃまた。