序、
状況:大腸がん第4期。いわゆる「ステージ4」。
転移先:原発巣そばリンパ、肝臓2か所、肺。
2016年06月、大腸原発巣及びリンパの開腹手術。大腸管30センチ摘出。
07月の療養期間を経、08月より化学療法=抗がん剤治療開始。
一、
5クール目の抗癌剤点滴開始後、療養期間中の10日目。
初日の通院にて半日日帰り入院で吊るし点滴、終了後、風船点滴を装着し、帰宅する。
3日目夕方に風船点滴終了、通院にて針を抜く。
開始から一週間後の8日目に、検査と診察を行う。
プロトコル:mFOLFOX6+アバスチン。2週間で1クールを繰り返す。
復調状態は継続しており、癌を除けば心身共に、至って健康な状態。
空も心も晴れやかな一日。
秋の柔らかい日差しが心地好い。
二、
寝たきりではあるが、今年2016/08に100歳を迎えた祖母が北国の実家に居る。
年に3~4回程度しか実家に帰らなかった闘病生活前:今年2016/05迄は、会う度に顔色も悪くなく、手を握って挨拶をすればちゃんと声を出して応えて呉れて、笑顔でおどけて見せたりと、老いと云うか、時間の経過をあまり感じさせられる事無く、こちらも安心して顔を出していた。
祖父の方は昨年2015年の師走に102歳で天命を全うした。
夫婦でこんな調子なら、100歳の祖母よりも癌に蝕まれた自分の方が先に逝くだろう…そんな事すら思っていた。
ところがである。
今朝入った連絡によると、容態が思わしくないとの旨。
「誤嚥性肺炎」=ごえんせいはいえん
調べてみれば、
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日本人の死亡原因の第4位は肺炎です。肺炎で死亡する人の94%は75歳以上であり、90歳以上では死亡原因の2位に順位があがります。
…
誤嚥性肺炎は、細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎です。高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われています。再発を繰り返す特徴があり、それにより耐性菌が発生し、抗菌薬治療に抵抗性をもつことがあります。そのため優れた抗菌薬治療が開発されている現在でも治療困難なことが多く、高齢者の死亡原因となっています。
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「日本呼吸器学会」>「誤嚥性肺炎 」の頁より引用
http://www.jrs.or.jp/modules/citizen/index.php?content_id=11
嗚呼、此れは危ないなぁ…。
一方実家からは、「かかり付けの医師を呼び点滴処方、先ほど終了」との連絡があった。
自分の方は、闘病生活に入り、少しでも多く実家に顔を出しておこうと、退院後の7月から毎月、北国に帰っていた昨今であるが、実は祖母に会う度に、確実に衰えて行く様が感じられていた。
年に3~4回帰っていた頃なら未だ分かる。しかし毎月、顔を見て、
「人間とはこんなにも着々と衰えるものなのか」
と、何だか深刻な驚きを覚えていた程だったのである。
先月はついに、片目が開かなくなって来ていた。
そんな心配をしていた矢先の出来事と為った。
今月は、母も叔母もそして私も誕生日を迎える事に為り、下旬には、書家であった祖父の広いアトリエでプライベートコンサート:書道展示や詩の朗読、私のピアノ等など…を開くのだが、そこまで持ち堪えるのか?、そんな雲行きになってきたのだった。
岩手の夕暮れ、2016/09。