毎日開け閉めする扉。
それは夫の作品でもある。【洋裁と文鎮】でも書いたが、夫は美術家なので家の中にも美術品が散りばめられている。
夫と出会うまではサビに良い印象は無かった。触るとサビの粉が付くし、荒廃的な感じがして好きではなかったのだ。
しかし夫はサビが好きで、わざわざ鉄を野ざらしにして錆びさせて作品の素材を作っているのだ。太陽や雨風、時間が夫の作品を唯一無二のものにしてくれている。
大切に育てた素材たちは夫の手によって、様々な作品に変化していく。
そんな工程を身近で見ていて、サビも悪くないなぁ、いい味出してるなぁなんて思うようになった都合のいい嫁。
ひとつの建物が夫の作品のような美術館、きっと楽しいだろうなぁ。そんなわくわくするような美術館を作ろうと野望を燃やしている。