やっとみなさんにこの話ができるようになりました。
先日、増井武士著「職場の心の処方箋」(誠信書房)を
紹介しましたが、この泉谷閑示著「普通がいい」という病
(講談社現代新書)も似たような内容で、私の中でも
お勧め本です。
帯のところをよ~く見てみると
「注意:人生を変えたくない人は読まないで
ください」
とあります。
この本の中に「ニーチェは人間の成熟していく変化を「没落」
と言っています。(中略)このプロセスには三つの段階があって、
最初、人間は駱駝として描かれています。駱駝は、従順さ、
忍耐、努力、勤勉さ等の象徴です」とあります。
駱駝は元来、龍の存在によって駱駝とされ、ただ龍に従順に
従えと命じられます。
問題はここからです。
「この駱駝が、ある時自分が窮屈であることに気付きます。
そして、駱駝は獅子に変身し、この龍を一気に倒してしまう。
そして獅子は自由を獲得します。つまり、自分の場所や
主体性を獲得したのです」
話はさらに続きます。
「このようにして「われ」を獲得した獅子は、そこで終わるのでなく、
つぎに小児に変身します。この小児の言葉は「然り(=しかり)」
です。」 「然り」とは「すべてはあるがままに」という意味です。
「小児は、創造的な遊びに没頭します。これはとても重要な
点です。自由を獲得するために一度獅子になるが、そのあと、
獅子の「われ」は消えて「あるがまま」の小児になり、純粋無垢
で無心に創造的な遊びに没入していく。これが究極の人間の姿
なのだということです」
「クライアントもセラピーが進んで変化していくに従って、たいてい
何らかの創造を行うようになります(中略)日常生活が新鮮な発見
に満ちたものになって、文章や詩にそれを表したくなったり、また
新しい仕事にクリエイトする人も出てくる。それはもう多種多様です。
いずれにしても「創造的遊戯」をするような人生に変わります。
新しい自分になって、第二の人生を生き始めるのです」
泉谷先生によると、クライアントが相談にやってくるときには
「駱駝に疲れてしまって・・・」とか、「獅子にちょっとはなって
みたけれど、やっぱり間違っていたんじゃないか」と思って
いるそうです。
「獅子にはなってみたけれど・・・」という人たちは駱駝に
うんざりして獅子になってみたものの、根源が「怒り」で
あるために周囲から持てあまされていることも少なくない
そうです。
これは、ほかならない今の私です。
ゆえに、自分のことを
「獅子に目覚めた人」
と言っています。
「駱駝のオアシス」は「駱駝」であることに疲れた
人が「オアシス(=場)」で一息つき、自分を取り戻し、
次の人生を模索していく場の提供を目指して名づけました。
そして、今、ある人との出会いもあり、自分の中で「小児」
になり、上に書きました構想をもとに、今までの人生経験に
基づいて困っている人の役に立つこと(=第二の人生を歩き
始めること)を目指しています。
これが「駱駝のオアシス」「獅子に目覚めた人」の由来です。
「世のほとんどの大人たちが立派な駱駝になることを善しとして
いる状況の中で、獅子に目覚めた人間は孤軍奮闘になりがち
です。
こうした人に対して、この駱駝から獅子への変身という大事な
局面を理解し援助する人間が一人でもいることが、大きな心の
支えになるのです」と結んでいます。
私は、上にも書きました通り、常に見守ってくださっている方々
の存在があります。ありがたい限りです。この想いを無駄に
しないように、日々精進していきたいと思っています。
おわかりいただけましたでしょうか。
もし、興味のある方は、上記の本を手にとってみてください。
ただ、くれぐれも言っておきますが、
「人生を変えたくない人は読まないでください」