50歳という節目を迎え、資産運用も「ただ増やす」だけでなく「どう賢く使うか」を考える時期に来ている。そんな折に出会ったのが、この『クリプトポーン』だ。正直に言えば、最初は「暗号資産を担保に金を借りる」など、どこか得体の知れない危うさを感じていた。しかし、実際に中身を知ってみると、これが意外にも我々世代の合理性に合致していることに驚かされた。
まず、一番の利点は「売らなくていい」という点だ。数年前、若い部下に勧められるがままに買ったビットコイン。これが今、運良く含み益が出ている。だが、ここで売ってしまえば多額の税金が発生する。かといって、急に手元資金が必要になった際、この「塩漬け」の資産を眺めているだけというのも歯がゆい。そこでこのサービスだ。自分の資産を担保に預け、必要な現金を調達する。かつて時計やカメラを質に入れたあの感覚に近いが、手続きはスマホ一台で完結する。
特に、相場が急落しても機械的に強制決済(いわゆるロスカット)されない仕組みは、心臓に悪い投資を嫌う我々世代には有り難い。もちろん、利息や返済の計画は慎重に立てねばならんが、それは商売をやってきた人間なら当然の作法だろう。
この年になると、新しい仕組みに首を突っ込むのは億劫なものだ。しかし、税金を抑えつつ資産の流動性を確保するというこの手法は、まさに「大人の知恵」と言えるのではないか。老後を目前にした今、むやみに資産を切り崩すのではなく、こうした現代的なツールを使いこなす。それもまた、これからの時代を生き抜く一つの嗜み(たしなみ)なのかもしれん。