この本はお気に入り「さゆ」さんの読書ブログを参考に借りました。
「何か犬の本はないですか?」って言う図書館の利用者さんにお薦めした様子。

動物物も大好きなので「犬のお話?」私も読みた~い。と思って予約をしました。

とっても良かったです。
最初に「犬の十戒」と言うのが書いてあるんだけど、それだけでもなんだかグっときてしまいました。
映画にもなった「犬と私の十の約束」を思い出しました。

一時期、犬が飼いたくてペットショップに通っていた私。
でも、その時に読んだ本の影響で、やっぱり一時期の感情で飼うのはいけないな、って思って諦めたんだけど、今回もそう考えさせられたかな。

犬の種類によって、こんなにも性格って違うんだ~って改めて知ったし。それに、短編集なんだけど、最後のお話は癌になってしまった犬のお話。
その犬は(バーニーズ・マウンテン・ドッグ)もともと短命らしいのですが、もう読んでいて辛かった。

生き物を飼うと言う事は「死」とも向き合わなくちゃいけないんだもんね。
我が家のうさちゃんも10年過ぎて、最近お爺ちゃんになってきちゃって。ちょっと心配です。

どのお話もとっても良かったんだけど、犬とは別の面で気になったお話が・・・

定年後、家族の気持ちが離れていってしまったお父さんの話。
あら、こんな所にも「政と源」の政が居るわ、と思いながら読みました。
政は浮気などはせず、本当に家族の為に働いてきた人。
でも、こちらの方は、単身赴任中に浮気をしてしまい、それが娘にバレてしまう。
それから、娘とは不仲に。完全無視。
そこは本人も自業自得と言っていますが・・・
確かに同情の余地は無い所でありますが。

ただ、なんか定年まで家族の為に働いて、これから第二の人生スタートと思った時に家族が離れていたと言うのは・・・

私は4歳の時に父親が他界しているから、父親と言う存在が分からない。だから離れていく娘達の気持ちが良く分からないのであります。それに、お父さんの愚痴を言う環境の母親は居ない訳で。子供が成人するまで我慢して、熟年離婚と言うのも良く分からない。
我慢出来るのが凄いと思う。(私は嫌いな人とは同じ空気を吸うのも嫌、っていうくらい嫌いになる性格なので・・・あっ、だから余り嫌いと感じる人も居ませんよ。多分ね)

今70代のお父さん達は、子供の運動会とかにも行かなかった世代だと思うんだけど、それが当たり前の頃だったんだと思うんだよね。
そうして頑張って来たのに、気がついたら居場所が無い。
まぁ、一部の人とは思うけれど、2作品も同じ境遇のお話だったので、ちょっと考えてしまいました。

これが正しいと思って疑わず続けて来たのに・・・
どうしてこんな事に・・・って思うのかな?
でも、そう言う事ってどんな事にも言える事だもんね。
多分、あれっ?って気がつくタイミングは必ずあったはずだから。

私も気をつけねば。気がつかないフリはいけませんね。

2冊も続いたからかな?
なんだか、いろんな意味で、せつない気持ちになった本でした。