
土曜日の試運転の結果はまずまずで、特に問題はなかった。
翌日の日曜日、念のため点火時期の確認を行うことにした。
思い起こしてみれば、点火時期の確認は、三年前にエンジンをオーバーホールした時以来一度もしていない。
もしかしたら、狂っているかもしれない。
308の場合、点火時期の確認はフライホイールのマークで行う。
ところが、このマークが目立たないので、あらかじめ白ペンキでマーキングしておく必要がある。
前回の確認時につけたとは思うが、それからかなりの年月が経過しているので、消えてしまっているかもしれないし。

圧縮による抵抗を軽減する為に、後ろバンク側のプラグを全て取り外す。

ピストンの位置をを確認する為に、1番シリンダの中に長いドライバーを差し込む。
ドエルアングル調整の時と同様に、ボックスをクランクプーリーのボルトにかけて右回転させ、フライホイールのマークを探す。

ところが、クランクプーリーはエンジンの右側、フライホイールは左側に位置している為、一人で作業するのは困難である。
そこで、良い方法を思いついた。
「デジカメでフライホイールを撮影し、その画像をモニターに写し、それを見ながらやれば良いのでは」と。
早速試してみることに。

デジカメの固定には、カメラ用の三脚を使用。

以前やっていたカラオケ事業で不要になってもらってきたモニターがあった。

ちゃんと画像が映った。
ドエルアングル調整の時と同様に、ボックスをクランクプーリーのボルトにかけて、右に回転させる。

しばらくすると白い線が現れた。
確認してみると、5,000rpmでの点火時期を意味する「A5|33°」の刻印が。
続く
※この場合の308とは'81年308GTB(日本仕様)のこと