
落札したコンプレッサーが到着したので、中に入っているオイルの量を確認した時、色が茶褐色に変化していることに気づいた。
元々は透明に近い物だったと思われるので、それなりに劣化が進んでいるのであろう。
新しいオイルに交換したいところだが、まだ用意出来ていない。
冷媒がHFC-134aになってから、従来のR12にあった潤滑性能がなくなってしまったようで、相対的にコンプレッサーオイルの役割が高まり、適切でないオイルを使用したり、量が不足したりすると、コンプレッサーの焼きつきにつながるということだ。
さらに、オイルの粘度指数も各種あるとのこと。
その為、メーカーや型番によって指定オイルがあり、それを使用しなかった場合はトラブルが発生する可能性がある。
サンデンのこのタイプの可変容量型コンプレッサーの指定オイルはSP10という銘柄だということはわかったが、ネットで調べても売っているところはなかった。
行きつけの電装品屋さんに確認すると、取り寄せは可能とのこと。
250mlで4,600円と安くはないが、すぐに注文。
他にもうひとつ課題があった。
ワークショップマニュアルを持っていないので、冷媒の規定量がわからないのだ。
エアコンシステムにおいては、冷媒の量はとても重要で、多くても少なくても不具合発生の可能性がある。
したがって、きちんと設計上の量を注入しなくてはならない。
幸い、ネットでルノー社のエアコンシステムマニュアルを見つけ、課題を解決することができた。
本来は、コンプレッサーに新しいオイルを注入してから、作業を進めるべきであるが、今回はトラブルの解決が目的なので、早く結果を確認したい。
コンプレッサーオイルは旧いままで、仮にいったん組み付けをしてみることにした。

午前中はオイルとガス量の調査に時間を取られ、午後から他の用事もあったので、夕方から作業開始。
最初にコンプレッサーベルトを外そうとするが、テンショナーのボルトが大きめのトルクスレンチで手持ちがなく、ホームセンターへ走る。
ついでにオイル計量用のメスシリンダーも購入。
コンプレッサーベルトは外れた。
この時点で日が暮れる。
コンプレッサーへの配管を取り外す。
穴からゴミが入らないように養生。

次はエキスパンションバルブを新品に交換。(画像は交換前)

元のコンプレッサーを取り外し、中に入っていたオイルの量を確認すると。
たった5mlしか入っていない。
焼きつき寸前のかなり危険な状態だったようである。

用意したコンプレッサーを取り付け、配管を元通りに。
マニホールドゲージと真空ポンプを取り付け、真空引き開始。
20分ほどかかるので、その間にコンプレッサーベルトを取り付ける。

真空ポンプが停まったら5分ほど放置し、真空状態に変化がないことを確認。
大丈夫なようだ。

高圧側のバルブを開け、ガスを少しだけ注入。
その後、再度真空引き。
終わったら、再び高圧側からガスを注入。
バケツにぬるま湯を用意して、ガス缶を暖める。
圧の上昇が止まったら、高圧側のバルブを閉めエンジンスタート。
ドキドキしながら、エアコンスイッチをオンにする。

車の前に戻ってマニホールドゲージを確認すると。
「ヤッター、圧が上がっている。」
と暗い中ひとりで喜ぶ。
低圧側のバルブを開け、ガスを注入していく。

車内の吹き出し口からは冷風が。
規定量の700グラムを注入したら、低圧側のバルブを閉め、再度圧力のチェックを行う。
後片付けをして時計を見たら、22時を過ぎていた。
続く
※この場合のトゥインゴとは'01年ルノートゥインゴ(日本仕様)のこと。