
ボートの点検に出向いたら、左舷側エンジンのスロットルレバーがびくともしなかった件の続きである。
記録を調べたら、昨年の8月に陸揚げしてから一度も動かしていないことがわかった。
もしかしたら、スロットルケーブルが塩害で錆付いてしまったのかもしれない。
ボートの場合、スロットルケーブルはキャビンの底の方を這わせてあるので、交換が厄介である。
シトロエンBXのハイドロ障害の方も、応急処置を施しなんとか走れる状態になったので、時間をとって調べてみることに。
ボートの保管場所に向かう。

ここは、二年前に出来た施設で、フィッシングボートがほとんどである。

最近はクルーザータイプのボートも増えてきた。

中には、このような変り種の船も。

海上でこの船に遭遇したら、すぐに降参した方が身のためかもしれない。

では、作業開始。
最初に、噴射ポンプのスロットル部分を確認してみたが、そちらの方は固着していなかった。
この船の場合は、スロットルレバーで同時にクラッチの操作も行うようになっている。
だとすると、クラッチ部の不具合もあり得るので、今度はそちらの方を点検することに。
ドライブ部のカバーをはずして中の状態を調べてみる。

良く見てみると、ケーブルの端部に白い物が付着。
やはり、塩害が原因か。
念のため操作マニュアルを読んでみると、「シーズンの終わりと初めには、ケーブルにオイルを注す。」となっているではないか。
私はボートの経験が浅いのでこのことは知らず、昨シーズンの終わりには何もしていなかった。
それなら、だめもとでオイルを注してみようということで、スプレー式のオイルを注す。
ある程度奥まで浸透したのを見計らって、左舷側のスロットルレバーを前後に動かしてみる。
すると、少し動いた。

さらにオイルを注して、根気良くスロットルレバーを前後に動かしていると、ようやく動くようになった。
ここまでくれば、しめたものである。
試しに陸上でエンジンをかけて操作してみたら、正常に動作した。
良かった。
これで、なんとか出航できる。
さっそく試運転しようと、係りの人にお願いしてボートを港内に降ろしてもらう。
あまりに暑いので港内だけのテストにとどめたが、操作は問題なく一安心。
桟橋に係留し出航準備を行う。

夕方になると若干暑さも収まってきたので、出航することに。
丸一年ぶりなので、若干緊張気味である。
しばらくは、暖機運転を兼ね1,500rpm程度でゆっくりと航行する。
夕陽がきらきらと海面に反射し、とてもきれい。
冷却水温が60度に達したあたりで、スロットルレバーを操作しエンジンの回転を徐々に上げていく。
2,000rpm、2,500rpmと。
この時異変に気づいた。
スロットルレバーをかなり開けているのに、エンジンの回転が頭打ちになり、2,500rpm以上に上がらない。
さらに、スロットルレバーを開け全開にしてみたが、状態は変わらず。
本来なら、3,500rpm程度まで上がらなくてはならない。
エンジンの回転が上がらないのでボートを滑走状態に出来ず、GPS魚探の「センソク(船速)」表示上でも最大9ノット程度までしか伸びない。
いつもの半分以下である。
これは困った、丸一年も放置したバチがあたってしまった。
続く
※最後の写真でGPS魚探の「センソク(船速)」表示が「6.6 kt(ノット)」となっているのは、トラブル発生前に撮影したため