
しばらく前から308のブレーキをかけるとハンドルが右に取られ、ブレーキが片効きしているような気がする件の続きである。
前回までに、左右のローターとパッドをチェックし、キャリパーを分解してピストンの向きを正しい位置に合わせ、完全に片効きがなくなるかと期待したが、結果は作業前よりも若干良くなった程度であった。
そこで今回は、左前輪のローターを研削してみることにした。
前回までに、左右のローターとパッドをチェックし、キャリパーを分解してピストンの向きを正しい位置に合わせ、完全に片効きがなくなるかと期待したが、結果は作業前よりも若干良くなった程度であった。
そこで今回は、左前輪のローターを研削してみることにした。
左前輪のタイヤ・ホイールを取り外す。
さらにキャリパーをとりはずし、ローターを引っ張り出す。
ローターを確認すると、長期間車庫で眠っていたので、パッドの当たった後が錆となっていくつも付いている。

念のため、マイクロメーターで厚みを測定すると20.76mmだった。
ワークショップマニュアルによると、フロントの磨耗限度は20.00mmとなっているので、研削してこの値を下回らなければ使用可能。
ローターをBXに積み、以前308のヘッドオーバーホールをやってもらった内燃機屋さんに向かう。

まずは、旋盤で荒削りをして表面の錆びを落とす。

次に、超硬合金チップのついたローター専用研削機で仕上げる。

一枚処理するのにほぼ一時間を要し、新品同様に仕上がった。

再びマイクロメーターで厚みを測定すると20.27mmで、磨耗限度には達しておらず使用可能。
但し、おそらく次回は新品への交換が必要になると思われる。

急いで自宅に帰り、ローターとキャリパーを取り付け、ブレーキラインのエア抜きをする。
今日は助手がいたので、楽勝だった。
タイヤ・ホイールを取り付け、早速試運転に向かう。
しばらく、ゆっくりと走行しバッドとローターを慣らし、あたりがつくのを待つ。
頻繁にブレーキを踏みながら5kmほど走行したら、あたりがついてきた。
「いいぞいいぞ。」と思っていたところ、気がついたら今度は反対の左側にハンドルを取られるようになってしまっていた。
「こりゃあだめだ。反対側も研削しなければ。」
次回に続く。
※この場合の308とは'81年308GTB(日本仕様)のこと