天地・人・味・金という逆境四天王を乗り越えた凄い日本ワイン













日本で美味しいワインは無理ゲー

ましてやコスパワインなんて常識外れだ


そんな常識を一個一個倒して完成したワイン

きっと数え切れない困難があったんだろう

まず思うのは4つ


①気候が向いていない

畑でサボテンは育たない

ワインブドウも似たようなものだ。

地中海出身の痩せた土壌と乾燥を好む植物に、日本の自然は無理がある


ただのブドウならば、梅雨夏台風の3連コンボで死ぬ


花が咲く頃には梅雨

実が熟す頃には猛暑で酸は飛び

実がなる頃には台風が全てを吹き飛ばす


ムシムシしてる日本では常にカビにも悩まされる



ここで優秀なのが甲州

人知れず日本に来ていたワインブドウ


一説によれば、奈良時代からいたらしい

鎌倉幕府や墾田永年私財法よりも前に、シルクロードを通って日本に来ていた

そして、日本に適応した


都市に適応したセイヨウタンポポのようなものか

日本でも栽培しやすい帰化植物


②農家さん嫌がる

だって、売れないから

ワインブドウは、ほぼワイナリーにしか売れない


ワインブドウは生では食べにくい

皮が厚く実は小さく酸っぱいから。

ジャムやジュースにするメリットもあんまりない


ワイナリーが成功すればいいが、成功しなかったら?

せっかく育てたワインブドウ達はどうなる


苦労を重ねてワインブドウを作るには、あまりにデンジャーだ


そこにも配慮が効くのが甲州だ

生食でも美味しい


というか、昔から食べてた地元の名産ブドウが、遺伝子解析したら実はワインブドウでしたというオチである



③味

しかし、ここに来て

「美味しくない」という最大の壁が立ち塞がる


なんと、この甲州、個性がない

ワインブドウだが、出来るワインは平凡

美味しくなければ、意味がない

これにて、おしまいである



とはならないのが、日本だ

「絶対無理、不可能」とまで言われたマグロ養殖や無肥料無農薬リンゴだって成し遂げた国民性だ

(近大マグロ、奇跡のリンゴ)


研究と調査を積み重ね、あらゆる可能性を模索した

世界の名産地を周り、

大学と連携して科学的分析も行い、

試行錯誤の末、可能性はヒラかれた


美味しくなれたのだ。

今や可能性はいくつも発明された

ポケモンのイーブイより進化先が豊富になった



④金

ラスボスは価格に宿る


日本のワイナリーは小規模なところが多く、計算は省くか、ワインと価格は高くなる傾向にある

手間のかかるスパークリングなら尚更だ


スパークリングワインは、タンクで一気に仕込むか、瓶内で一本ずつ仕上げるのが基本だ。

前者は大量のブドウと大規模な機械、そして広大な販売網が必要となるし、

後者はマンパワーがあればなんとかなるものの、人件費アップは避けられない




そこではマンズワイン様だ

時価総額1.5兆円超えのキッコーマングループの会社


大手の規模でタンク方式を採用、コストカットを実現

タンク方式ゆえに、甲州独自のアロマを活かせるというメリットもあり



大手の規模と努力で2000円程度の神価格

販売店によっては2000円切ります

その味は値段以上、いわゆるコスパワインです。


日本ワインでスパークリングワインなのに、コスパワインというスゲーやつ


あらゆる困難を乗り越えた、奇跡のようなワインは意外と身近に

飲むだけで誇らしい日本ワイン


日本について、暗い話題が多いですが、このワイン飲んでるとなんとかなる気がします。


暗い話の一個一個は、ひどくもっともな常識なんでしょうが、

このワインのように一個一個常識を倒して、やがては…