今週(6月第2週)の注目株、プット売りを中心に安全に攻めたつもりでしたが、AMBAの大暴落などがあり、全然安全でも何でもなくあっさりと損失になってしまいました。
損失率こそ大きくはありませんが、安定して確実に利益を得ることなど不可能だということですね。

順に注目していた6銘柄を振り返っておきます。



1. KEYS (Keysight Technologies)

火曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


決算の数字は良かったようで、火曜日の時間後取引ではそれなりのアップ、仮想取引でプットを売却していた立場としては、これは勝ったなと思いました。

 



明けて水曜日、株価は40ドル余裕超えで、これはMessage Boardの反応を見てみるとKEYSの上場来最高値更新だったようですね。画像を撮ったのが開始直後過ぎて、まだプットには値段が付いていませんが、このままいけば売却した行使価格40ドルプットは紙くず化しそうです。

 

 


…と思いきや!!この日の市場が終わって見てみたら、大きな下落!!




何じゃそりゃ、数字も実際の反応も良かったのに!調べても、特にこれといって何も情報が見つかりません。多くの投資家が、下半期に向けてポートフォリオの調整を行っているのではないだろうか、とかいうクソみたいなニュース記事ぐらいでした。
金曜日に副社長が自分の保有株を売却したというニュースはありましたが、それは金曜日の話なので水曜日のこの値動きには関係無いでしょう。
割と謎な感じです。結構ボラの大きい株として知られているようですが、決算の数字も良かったのに、こんなに下がったのではたまりませんね。

結局金曜日のハイテク株の暴落もあり(それほどの影響はなかったようですが)、その後も下がり続け、冴えないまま今週を終えてしまいました。

 

 


仮想投資は当初の目論見とは一転、残念な感じになりそうです。


【仮想投資状況おさらい】
○今月満期・行使価格40ドルプットを、1.35ドルで30枚売却(証拠金として12万ドル拘束、プット売却代金として4050ドルゲット)
◎投入合計:-11万5950ドル→満期まで放置

【結果】
○今月満期・行使価格40ドルプット→株価は行使価格を割ってしまっている。まだ満期まで時間はあるので、権利が行使されることはないが、プットは時間的価値を上乗せして買い戻さねばならない。評価額(=BidとAskの平均値)である2.55ドルで買い戻せたとしましょう。証拠金12万ドルが戻るが、プット買い戻しに2.55 x 300=7650ドル消費。
◎合計損益:11万2350-11万5950ドル=-3600ドル

…満期まではあと1週間あるものの、最早のんびり持ち続けて良さそうな感じでもないですし、これは完全な敗北です。
しかし、決算直後の時間後取引も、市場開始直後さえも割りと大きく上がったとしても、決して油断はできないこともあるという意味で、非常に注目した甲斐があった銘柄でした。




2. PLAY (Dave & Buster's Entertainment)

火曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


こちらも、数字自体は一応大方の予想を上回り良かったようですが、こちらは時間後取引では下がっていました。

 



数字以外の内容や、今後の展望が良くなかったのかもしれませんね。

 

しかし明けて水曜、市場開始直後は、意外に70ドルまで戻していていい感じです。



結局水曜日はむしろ上がり続けたようで、仮想取引で、当初インザマネーであった行使価格70ドルプットを売った立場としては嬉しい限りです。

 

 


その後はどうかな?

 




おぅっと、下がってる!やはり、決算直後の時間後取引でイマイチ→翌日上がる…となっても、最初の反応というのが市場の正直な反応であるといえそうでその動きを無視してはいけなく、その後上がり続けることはないことが多い、という感じかもしれませんね(もちろん、絶対そうと言い切れるわけはないのも当然ですが)。

【仮想投資状況おさらい】
○今月満期・行使価格70ドルプットを、3.25ドルで20枚売却(証拠金として14万ドル拘束、プット売却代金として6500ドルゲット)
◎投入合計:-13万3500ドル→満期まで放置

【結果】
○今月満期・行使価格70ドルプット→インザマネーになってしまっているが、プット価格自体は決算後のボラの消失のおかげで買値より安くなっている。一応、利益を出せた形ですね。1.75ドルで全20枚買い戻し(-3500ドル)、証拠金14万ドルがリリースです。
◎合計損益:13万6500ドル-13万3500ドル=+3000ドル

…幸いKEYSとは違い、こちらの下がりはそこまで大きくなかったので、株価は落ちてしまったものの利益を出せた形です。ちなみに水曜終了時点で買い戻しておけば、1枚0.40ドルで楽に買い戻せていました。
しかし当然、そんなのは後から言えることで、さらに上がり続けた場合1枚0.05ドルとかにもなり得るので、少なくとも自分が実際に持っていたらあそこで買い戻す決断などできなかったことでしょう。
これも面白い値動きでした。いい経験として覚えておきたいです。



3. AMBA (Ambarella)

火曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


えぇーっ?!チャートだけは既に見ていたので、決算がどんな感じだったのかは決算結果を開く前にある程度予想していたんですが、数字では信じられないぐらいの好決算!!
…と思ったけれど、EPSの絶対値が小さすぎたので、割合としては+133%と凄いことになっているけれど、$0.03→$0.07ということで、実際は言う程大した差でもないですね。
(ところで予想EPSが0だったのがプラスになった場合ってどうするんでしょうね。まさか+∞%のサプライズとするわけにもいかない気がしますが……ざっと決算カレンダーを見てみたら、-$0.01の予想が$0.06だった企業があり、これは700%のサプライズとなっていました。

ということで、予想EPS:$0→実際:$0.06なら、600%?…でもそれもおかしい気もするけどなぁ……と思ったら、$0→$0.01の企業がありました。サプライズ%は、N/Aとなっていました。まぁやっぱり表示上はそうするしかないのかもしれませんね)

ともかく、数字自体は素晴らしかったものの、調べたら来期のガイダンスが好決算を覆い隠すぐらいに良くないものだったようで、時間後取引では沈んでいます(しかし、ガイダンスってそんなに即発表されるんですかね?チャート的には、決算発表後即株価は沈んでいますが)。

 



翌水曜日は、当然のごとく下がっています。

 



株価が10%下がらなければ一応大丈夫なポジションを建てたから…何とか大丈夫か?…いや、今の内に買い戻し処理を行った方がいい場面か?…などと思いましたが、売却した行使価格56.5ドルプットは既に売値以上になっているため、実際プット売りポジションを保有していたとしても、今一歩の回復をしてくれることに賭けて、粘っていたかもしれません。

 


しかし、水曜日の取引が終わって…



ぐぁーっ!!10%下がらなければ大丈夫な安全ポジションを建てたのに、まさかの既に余裕で10%以上の暴落!!
うーん、これは酷い、まぁ所詮仮想取引なんで、正直まぁどうしようとどうでもいいんですけど、これは、もし現実の場面でまだプット売りポジションを持っていたとしたら、この時点で速やかに損切り買戻しを決行すべきでしょうね。
具体的な株価は今これを書いている時点では覚えていないものの、何となくAMBAは金曜日最後まで下がり続けていた印象があるので、未来を知っている以上後出し取引は若干フェアじゃないのでこの仮想取引では放置することにしますが、実際の取引なら、ここは絶対に損切りすべきですね。


さて、金曜終了時点のオプション板を見ておきましょう。



ギャー!!さらに死んどるぅーー!!


結局AMBAにとっては悲惨な決算週でした。

 



…あ、でも一応木曜日は少し回復っぽい上がりを見せていたんですね。まぁでも、決算後これだけ落ちたのだから、決算直後の下がりを見た時点で、プット売りポジションは損切りだろうと何だろうと即買い直すべき、というのが結論ですね。
これも、いい仮想取引体験というか、いい教訓になりそうです。

【仮想投資状況おさらい】
○今週満期・行使価格56.5ドルプットを、1.20ドルで20枚売却(証拠金として11万3000ドル拘束、プット売却代金として2400ドルゲット)
◎投入合計:-11万600ドル→満期まで放置

【結果】
○今週満期・行使価格56.5ドルプット→ということで、どう考えても粘るべきではなく、多分実際に保有していても木曜日回復した時点で損切り買戻しはしたかな?と思えるけれど、今回は引っ張った場合にどうなるかの見せしめを込めて、最後まで放置したことに。行使価格56.5ドルで買わされた現物株2000株を、現在の株価51.73ドルで売却したということで、手元には10万3460ドル戻ってくることに。
◎合計損益:10万3460ドル-11万600ドル=-7140ドル

…あれ、ヤバイレベルの死亡かと思ったら、それでもまぁ、やっぱりオプション買い取引で死亡するよりは遥かに全然まともな損失ですね。しかし、早めの損切りが大切なのに間違いはないでしょう。
ともかくこれは予想以上の大暴落で大敗北、NVDAに投資する立場として、AMBAなんぞは暴落期待のプットを買っておくべきだったということですね。後出し意見でしかありませんが。



4. SJM (JM Smucker)

木曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


ジャムおじさん、決算は悪くはなかったみたいですね。

決算発表直後の木曜朝、株価は上がっています。



…が、終わってみればこの日は前日比マイナスにまで転落!

 

 

…まぁこの程度の動きは平常運転の範囲で、これも単に決算後の売りがかさんだだけの結果なのかもしれませんね。

 


ハイテク銘柄ではないものの、ハイテク暴落につられてしまったのか、金曜日も下がっていたようです。

 



ちょうどNasdaq指数みたいに、昨日の最後ちょろっとだけ上がっているのが「お前もハイテク株のフリかよ!」みたいで笑えますが、食品企業は割と不況にも強いでしょうし、この先ハイテク株がどうなるかは分かりませんが、大食品企業であるSJMは、それなりに安定した動きをしていってくれるのではないかと思います(根拠なし)。

【仮想投資状況おさらい】
○今月満期・行使価格125ドルプットを、0.95ドルで10枚売却(証拠金として12万5000ドル拘束、プット売却代金として950ドルゲット)
◎投入合計:-12万4050ドル→満期まで放置

【結果】
○今月満期・行使価格125ドルプット→おっ、株価は下がったけれど、それでもアウトオブザマネーになっている、我ながらナイス選択だ。しかし月1オプションのため満期は来週であり、買い戻す必要あり。0.45ドルで全10枚買い戻したとしましょう。証拠金12万5000ドルが解放、買い戻しに450ドル消費。
◎合計損益:12万4550ドル-12万4050ドル=+500ドル

…ま、プット売りならこんなものですね。一応このプットは紙くず化するのが濃厚ですし、利は薄いものの目論見通り安全に利益を上げられたという形ですね。ここまで2勝2敗といった所でしょうか。




5. MTN (Vail Resorts)

木曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


うーん、これはダメ決算みたいですね!やっぱりスキーリゾートなど、もはや流行らないのだ。…でもまぁ、予想を若干割っただけで、EPSの絶対値としてはかなり素晴らしい数字とも言えるかもしれません。

しかし予想を上回れなかったのは事実、市場が始まったら株価は落ち込んでいます。



…が、木曜日はそのまま横ばいで終えたようですね。特に大きな暴落でもないでしょう。

 



…しかし、こちらもハイテク株につられたのか何なのか、金曜日はまるで雪山のように下降線を描き…

 



プットもかなり値上がりしてしまいました。割と安全なプットを売った気がするけど、先週の時点から見て株価は結構下がってしまっているし、これは若干厳しいかな?

【仮想投資状況おさらい】
○今月満期・行使価格210ドルプットを、2.30ドルで5枚売却(証拠金として10万5000ドル拘束、プット売却代金として1150ドルゲット)
◎投入合計:-10万3850ドル→満期まで放置

【結果】
○今月満期・行使価格210ドルプット→若干厳しいなんてもんじゃなかった、めっちゃ値上がりしてしまっている!!微妙に満期まで時間があって、恐らく金曜日の大きなボラでプット価格が大きく上がっているのもマズイ点。しかし仕方ないので、評価額の8ドル…では間違いなく買えないと思われるため、直近取引価格の8.5ドルで買い戻したとしましょう(証拠金10万5000ドルが戻るが、買戻しに4250ドル消費)
◎合計損益:10万750ドル-10万3850ドル=-3100ドル

…そんなにAMBAほどの暴落だった印象はなかったのに、このプットの値上がりは結構こたえるなぁ。株価が大きいので、オプション価格変化の絶対値も大きくなりがちなのかもしれません。結局、決算前のプット売りも、決して安全などではないというのが結論ですね。



6. TTEC (TeleTech Holdings)

直近20日の値動きの強さが、米国市場ナンバー1(オプション取扱銘柄のみ対象)であり、この先どう動いていくか気になったため、注目していました。


下がりにかけてプット一点買いをしていたわけですが、どうかな?一応、日々下がってはいた感じですが、この程度の微落では、時間的価値の損失に打ち破ってプット価格が上がるのは厳しいかもしれません。



一応、日々の市場終了時のオプション板だけおさらいしておきます。

月曜日市場終了時のオプション板


念のため購入した行使価格40ドルプットの取引履歴を開いてみました。5月31日に取引がされて以来数日間、1枚も取引がされていないようですね。


火曜日市場終了時のオプション板


水曜日市場終了時のオプション板


木曜日市場終了時のオプション板


金曜日市場終了時のオプション板


…ということで、結局、金曜時点での履歴を見てみたら、このプット、1週間で1枚も取引されることはなかったようです。最後金曜日、無駄にAskだけ高くなっていますが、これはダメ元の無意味な注文なので、関係無しですね。
株価は下がったけれど、ちょうど時間的の損失分ぐらいしか下がらなかったということで、これは引き分け扱いで終えましょう。

【仮想投資状況おさらい】
○今月満期・行使価格40ドルプットを、0.10ドルで500枚購入(5000ドル)
◎投入合計:-5000ドル→相変わらず決算というイベントがないと売り時の指定が難しいけれど、まぁ、2倍ぐらいになっていたら、欲張らずに売却しておきましょう。

【結果】
○今月満期・行使価格40ドルプット→まぁ、先週買った価格で清算したということで。
◎合計損益:5000ドル-5000ドル=±0ドル


…まさに無意味な注目先でした。直近20日の動きが強かったからといって、いつまでもその動き・取引の賑わいが続くわけでもないから当然ですね。



【注目6銘柄・仮想投資の合計】
○投入資金=59万2950ドル
○回収資金=58万2610ドル
◎合計損益額・率=-1万340ドル-1.74%

…ということで、今回は2勝3敗1引き分け、数でも額でも若干負けがかさみ、まさにタイトル冒頭から言っている通り、絶対安全な投資など存在しないことが分かってとてもよかったと思います、という感想しか出てこない感じです。
また、大暴落のAMBA以外にも、上がったと思ったら突然急落したKEYSなど、見ておいて損のなかった値動きも印象的でした。

当たり前すぎて無意味な結論ですが、やはり、どんな時でも油断・慢心せず、常にリスクを意識して市場に臨むのが大切だということですね。