幸いシーズンを過ぎても決算発表企業がなくなることはなく(3か月に1度、上場している全ての企業が報告するわけなので、理論上全く決算企業がない週などあるわけがないのも当然かもしれませんが)、著名あるいは注目してみたい決算企業はまだまだ10は下りませんが、そんなに色々見てもよく分からなくなるのがオチなので、また少数厳選にしてみました。

今週も合計6銘柄、決算4に目を見張る値動きの企業2という感じです。


1. MDT (Medtronic)

 

 


【注目理由】
木曜日(市場開始前)に決算報告があるため。

【適当コメント】
医療機器世界最大手の一角メドトロニック。Wikipeia (https://ja.wikipedia.org/wiki/メドトロニック) にあるように、心臓ペースメーカーがコアとなる商品ですが、それ以外にも幅広い医療機器を製造しているようです。また、Wikipediaの最後に『また給与水準は業界内でもトップクラスで待遇が良い事でも知られている』とあるように、何となく優良な企業という印象が強いです。

そんな優秀なMDT、株価も近年右肩上がりをしていますが、上記チャートにあるように昨年11月頃割と大きな下落がありました。

特に大きく下がったのは11月22日、この日は今から2期前の決算があったわけですが、-10.49%の大下がりで、たまたま当時の日々の記事でも、メインではなくちょっと一言程度ですが、オプション板を見て触れていました。

(その日のブログ記事)
2016/11/22 承認で1日で株価2倍以上、スカイラインを突破の勢い!この勢いは続くのか?

記事内で触れていた通り、暴落前の株価であった行使価格80ドルのプットは、この下がりでプット価格が一気に17.5倍に膨れ上がったという感じだったようですね。このプットを前日に買っていれば、一夜にしてテンバガー(のさらに2倍近く)でした。
もちろんだからといって今回もまた下がるということはないでしょう。実際、2月末にあった前期の決算報告では、11月と数字的には全く同じ内容でありながら、一切下がることなく、そのまま現在まで上昇基調です。

最近のニュースを見てみたら、先月、部門売却が近いという報道もあったようで、他社に貴重な自社資産を売却するということは(必ずしもそうとは限らないでしょうが)ひょっとして資金繰りが苦しいのかな?という印象もあるものの、やはり、個人的な直感としては、MDTは非常に堅く、キッチリとした経営をしている優良企業な気がします(当然根拠はなし、でも11月の時もすぐにV字回復しましたしね)。

米メドトロニック、株価上昇-カーディナルへの部門売却近いとの報道
(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-04-06/ONYN416KLVRY01)

【ペーパー取引】
しかしもちろん、今回の決算報告でどうなるかは全く分からない…。IVはそこまで高くないので、果敢にオプション買いに挑戦してみましょうか。

○今週満期・行使価格84ドルコールを、0.86ドルで500枚購入(4万3000ドル)
○今週満期・行使価格82.5ドルプットを、0.92ドルで500枚購入(4万6000ドル)
◎合計-8万9000ドル→下がった方は即売却、上がった方は、大上がりし続けそうなら市場終了まで粘って売却。

…ほぼ同価格で、アウトオブザマネーのコールとプットを同数買い、いわゆるロングストラングル買いで。…う~ん、これは無謀!でも失敗も経験だ。



2. COST (Costco)

 

 


【注目理由】
木曜日(市場終了後)に決算報告があるため。

【適当コメント】
日本にも店舗展開しており、知らぬ人はいない、会員制大型スーパー・コストコ。
大抵コストコの話になると、「コストコって…!そんな風に呼ぶ人誰もいないよ、コスコだっつうの」とか言う人がいるわけですが、残念ながら公式もコストコと表記しているので、我々の勝ちだ。

http://www.costco.co.jp/p/?lang=ja

そもそもMcDonald'sをマクダーナゥとか呼ぶ人が1人も存在せず、日本ではマクドナルドである以上、Costcoもコストコなのだ。

個人的には会員になったこともなければ一度も行ったことすらないんですが、評判を聞くに、別にそこまで死ぬほど安いわけではなく、普通の業務スーパーみたいなもんで、年会費4400円の元を取るのは相当通わないと無理、という感じのようですが、まぁ元を取るとかそういうセコイ話じゃなくて、大型倉庫店のワクワク感を味わうのが醍醐味なのかもしれませんね。

ただし、大型店舗であるが故、基本、アクセスは非常に悪い所にあるようです。最寄スーパーがコストコであって毎日コンビニ感覚でふらっと立ち寄れるならば年会費を払う価値はある気もしますが、恐らく日本全国どこでもそんな稀有なパターンは中々ないのが残念なポイントですね。

【ペーパー取引】
決算がどうなるかは、言うまでもなく、全く予想不能。しかし、同じ小売業であるウォルマートも、ターゲットも、先週発表された決算内容はかなりの好決算だったので、コスコさんもそれに続くんだ!
IVも低いし、MDT同様、オプション買いにチャレンジしたろ。コールメインの両建て買いだ!!

○今週満期・行使価格175ドルコールを、1.06ドルで1000枚購入(10万6000ドル)
○今週満期・行使価格168ドルプットを、1.06ドルで500枚購入(5万3000ドル)
◎合計-15万9000ドル→下がった方は即売却、上がった方は、大上がりし続けそうなら市場終了まで粘って売却。

…無謀第2弾。WMTもTGTも、好決算ではあったけれどそこまで株価は大きく上がってませんでしたしね。どんなに好決算でも、IT企業のような上がりは期待できない以上、このオプション買いは爆死必至の無謀チャレンジすぎるかもしれません。



3. ULTA (Ulta Beauty)

 

 


【注目理由】
木曜日(市場終了後)に決算報告があるため。

【適当コメント】
アルタ…どっかで聞いたことあるぞ?と思ったら、それはスタジオアルタでした。
こちらのULTAは笑っていいともとは全く関係がなく、サロンも行う化粧品ショップと、いいとも観覧に参加していそうなアルタ前のOL(もう存在しませんが)に大人気そうなお店です。

2か月前のフォーブスの記事が全てをまとめてくれているので、こちらをご覧になるのが完璧ですね。

米コスメショップ大手「アルタビューティー」 2017年も絶好調の見通し
(https://forbesjapan.com/articles/detail/15572)

絶好調という評判どおり、株価は近年極めて大きく伸び続けています。今回の決算やいかに?!

【ペーパー取引】
さすがに急成長企業だけあって、ボラがでかい!こういう時はやはり、高IVを有効に活用すべく、プット売りを仕掛けましょう。
何となく伸びることを期待して、かなり贅沢に欲張って、インザマネープットを売りましょうか。

○今週満期・行使価格300ドルプットを、11.70ドルで5枚売却(証拠金として15万ドル拘束・プット売却代金5850ドルゲット)
◎合計-14万4150ドル→満期まで放置。

…ちょっと期待され過ぎな感じで不安な気もするけど、きっと暴落はないでしょう。暴落さえしなければ、高IVによる高プット売却代金で、きっとマイナスにはならないはず…。



4. VNET (21Vianet Group)

 

 


【注目理由】
木曜日(市場終了後)に決算報告があるため。

【適当コメント】
こちらはこれまでの3企業から一転、超弱小株です。
なぜ目に付いたかというと、以前週1オプションが扱われている株価の小さい銘柄を探していた時(下記記事参照)に登場しており、小型株で週1オプションがあるならこれは決算ギャンブルにもってこいかもしれない、と思ったためです。

(以前の記事)
2017/03/03『週1配当金』ゲットを目指そう!銘柄選びがとても大事、さぁどの企業を選ぶ?!

名前からは全く何の企業かすら不明だったのですが、公式サイトを見ると、中国に拠点を置くIT企業、サーバー・データセンター・ネットワーク・クラウドなど、21世紀を感じるキーワードが多分に散りばめられています。

http://www.en.21vianet.com/

上記公式サイトのニュース欄には、去年の10月に『IBMとパートナー契約を結ぶ』とあり、これはいいニュースに見えますね。株価は全く反応していなかったようですが。

また、先ほどの以前のブログ記事では『上場して間もない新しい企業』と書いていたんですが…さらに、今回もYahooチャートのMaxを選んだら2016年8月からのチャートが表示されたのでそれで間違いないと思ったんですが、念のため10年チャートをクリックするとあら不思議、2011年からチャートが始まってるじゃないですか!
どうも、意外にそんなにできたてホヤホヤの企業ではなかったようです。まぁ、週1オプションも取り扱われているわけだし、変だなぁとは思ったんですけどね。

いずれにせよ、チャートにある通り結構浮き沈みは激しく、最近はダダ下がり(金曜日は突然10%以上アップしていたようですが)、過去の決算も、好調不調の波が非常に激しいですね。直近2期は素晴らしい方に振れているようですが、今回は果たして…。

【ペーパー取引】
うーん、凄まじいIVだけにオプション売りをしたいけれど、これまでの歴史を鑑みるに決算で大きく動く可能性は高そうだしな…(だからこそ高いIVがついているわけですが)。
株価が低く、オプション価格の絶対値も低いので、ここは、思い切って買いギャンブルに行ってみましょう。

○今週満期・行使価格5.5ドルコールを、0.30ドルで1000枚購入(3万ドル)
○今週満期・行使価格5.5ドルプットを、0.25ドルで1000枚購入(2万5000ドル)
◎合計-5万5000ドル→下がった方は即売却、上がった方は、大上がりし続けそうなら市場終了まで粘って売却。

…これも無謀だ!…が、当たればでかい!上でも下でもどちらでもいいからサプライズ決算を期待しましょう。



5. SINA (Sina)

 

 


【注目理由】
先週WBと同日の決算で、WBと全く同じように爆上げをしていたため。

【適当コメント】
WB、BABA、VNETに続き、またまた中国企業・SINA。…え、その名前、大丈夫なのか?と思ったら、しっかりWikipedia先生が触れてくれていた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/新浪

そもそもSINAは支那ではなく新浪であり、これは造語であり差別的ではないとする主張もある、とのことで、問題はなさそう…というか、他国に対して差別的な表現ならともかく、『自国への、他国からの表現が差別的に聞こえる』というのなら特に問題視する必要もないかなという気もします(まぁそれでも気にする人は気にするのかもしれませんが)。

業種としては上記Wikipediaにある通り、ネット・メディア系企業であり、中国最大手メディア運営会社であると同時に同国最大の広告会社とのこと。
今回の決算でどうなるか…と思いきや、既に決算が終わって、大きく伸びたから注目していたんでした。決算は、大きな赤字予想だったのが大きな黒字内容と、凄まじいポジティブサプライズだったようです。やはりチャイナパワー、ここからの伸びも大いに期待ですね。

【ペーパー取引】
むむ…しかし月1オプションしかないのか…。若干やり辛いけれど、まぁWBと同じく、きっと伸びて行ってくれるだろうと期待し、ここからの上昇に賭けましょう。
大きく伸びることに期待して、コール買い&プット売りで行きましょう。どちらも一方向・上向き期待のポジションなので若干危険ですが、まぁ中国パワーで何とかなるはず。

○来月満期・行使価格105ドルコールを、2.65ドルで500枚購入(13万2500ドル)
○来月満期・行使価格100ドルプットを、2.80ドルで10枚売却(証拠金として10万ドル拘束・プット売却代金2800ドルゲット)
◎合計-22万9700ドル→コールが大きく伸びていたら落ちる前に清算したくはあるけれど、満期までたっぷり時間はあるので放置してもいいかな?プットも、安くなったら買い戻してもいい気はするけれど、これも基本来週まで放置で。

…一応、どちらももしあまりに大きく動いていたら、適切な処置をすることもあるかも。まぁ、何が適切かなんて最後まで分かりませんが、もし実際にポジションを抱えていたらこうするかな、というのをなるべく正直に、ですね。

 



6. PETS (PetMed Express)

 

 


【注目理由】
最近の決算で大アップ急上昇、その後も好調を維持し、今後が楽しみな企業であるため。

【適当コメント】
決算は既に2週間前であり今さらなんですが、直近20日値動きの強さで米国市場トップ3位内に位置しており、調べてみたら面白そうな企業だったので、特に「今週」の注目株という感じではありませんが、今回取り上げてみました。

何の企業かというとその名の通り、ペット向けの薬などを販売するオンライン薬局だそうで、これは面白いビジネスですね。

 

この、いかにも完全にアメリカ特有の、ディズニーっぽい(?)公式ロゴ絵もナイスです。



Wikipediaによると、ペットの薬といえど当然獣医からの処方箋が必要であり、当初はビジネスの直接の競合相手となる獣医との間でトラブルが耐えなかったようですが、営業努力の甲斐あってか、現在は米国全50州で事業認可を受けており、NABP(米国薬学評議会)からのVIPPSマーク(=オンライン販売するのに信頼が足るものであることを承認・公認である印; PETSの場合、動物用ということで、Vet-VIPPSマーク)を得ることにも成功し、ここへ来て完全に軌道に乗り始めたのはチャートが示す通りですね。

【ペーパー取引】
すぐに爆上げすることはないでしょうが、順調に伸びていくのではないでしょうか。プット売りで小銭を稼ぎましょう(でも、これも月1オプションのみでやり辛いですが…)。

○来月満期・行使価格35ドルプットを、0.85ドルで30枚売却(証拠金として10万5000ドル拘束・プット売却代金2550ドル)
◎合計-10万2450ドル→来週まで放置。

…満期までは時間があるので、思うようにプット価格は下がってくれないかな?まぁ株価が伸びて、1週間時間が経過すれば多少なりとも下がるはずなので、伸びに期待しましょう。



…ということで、今回は合計77万9300ドルの仮想投資です。前回は、ギャンブルながらも中国巨大株で多少期待はできたけれど、今回はハッキリ言って期待感ナシ!
それなのにオプション買い中心にしてしまったということで、今回こそは爆死待ったなしでしょう。
まぁ一応決算ギャンブルでのコール or プット買い1点張りは避けているので、多少はヘッジが効いているかな?もちろん決算ギャンブルの場合、両建てしたところで共倒れになる危険性も非常に大きくあるんですけどね。

期待感はないものの、どう動いていくか自体は興味深い銘柄であるので、楽しみに値動きを観察しようと思います。