スライム「本命株の電話会議が終わり、NVDAも決算報告後驚くほど順調に上がり続けていたという大事な時だというのに、今日僕はまた市場開始後1時間ほど、修行の旅に出ており市場に張りつけなかったのです」

オプーナ「それは残念ですね。そんな態度では、短期取引で利益を得ることは難しいかもしれません」

ス「まぁ市場に日がな張り付いていた所で、利益を得ることは難しい気もするけどね。
…ともかく、株取引なんぞより修行の方が大事ですからね、1時間ほど席を外しましたが、戻ってきましたよ。NYMXとNVDAはどうなっておいでで?!」

オ「まずはNYMX…



   せっかくの電話会議だったのに新規ニュースがなかったことが失望につながったのか、結構下がっていますね。画像を撮る直前は、3ドル台になっていました」

ス「あらら。もう来週満期まで大きく上がる可能性は、もちろんあるかもしれないけど、常識的に考えてない方が大きいから、今すぐ損切りすべきだね。
…結局、昨日200枚約定させるつもりだった所が32枚しか約定しなかったのは、不幸中の幸いだったということか。何とか約定して欲しかったのに、約定ならず残念…と思っていたのがこういう結果になろうとは、つくづく僕はハズすね」

オ「そういうものでしょう。さて、その昨日購入した来週満期・行使価格5ドルコールにはBidに一切入札がない…すなわち、半ば見放されてしまった、ほぼ紙くず化したのと同義の状況になってしまっていますが、速やかに売却されるんですね」

ス「もちろん。少し待てばまた上がるかもしれないけど、ハッキリ言って今はNVDAの方が期待値が高い」

オ「買値は0.10ドルだったわけですが、まず間違いなくこれでは売れませんので、一段階下げて0.05ドルでの売り注文、これはもうNYMXオプションの最小入札単位ですね」

ス「したがって、最小入札価格での指値売りをするなら、成行売りをした方が約定確率は高い気がするとこないだ気付いたので、成行売り (Market order) です」



オ「お待ち下さい、最小入札単位が0.01ドルから存在するNVDAと違い、NYMXは0.05ドルが最小入札単位とはいえ、最小『約定』単位は通貨の最小単位である1セント=0.01ドルですから、0.05ドルでの指値売りと、成行売りとでは大きく意味が違いますよ。
   成行売りでは、0.01ドルや0.02ドルで売らされてしまう可能性もあります」

ス「げぇっ、気付かんかった!そういえばそうだね、でももう注文出しちゃった!」

オ「そして、一瞬で約定しました。売りポジションを示す赤三角形が消失しましたね。

 



…約定価格は……幸い、全32枚が0.05ドルで売れたようですね。デタラメに低い価格じゃなくて、良かったですね。仮に0.01ドルで売らされていたら、手元に戻ってくるのはわずか5分の1、それだけで80%の暴落を食らったのと同じ意味ですからね」

ス「Bidは0.00だったわけだし、ちょっと危なかったね。まぁ0.05ドルで約定してくれて良かったよ」

オ「買値の半額ですが、とはいえ既に電話会議が終わり満期まで1週間しかないというギリギリの状況ですから、値が付いて売れただけ良かったと言えるレベルですし、十分ですね」

ス「ほな、もいっちょ注文ポチー」

 



オ「えぇーーっっ??!」

ス「最初に言った通り、NYMXはもう少なくとも来週までは大きな上がりはないと思うんです。
…で、今行使価格5ドルコールが売れましたね?ということは、僕は現物株を持っているのでそれを担保に元手資金なしでカバードコール売りができますから、これは小銭稼ぎの絶好のチャンスでしょう!
   1枚0.05ドルでも、100枚売れば0.05 x 100 x 100=500ドルです。来週金曜日時点でNYMXが株価5ドルを上回らなければ、この売却資金は丸々丸儲けですから、この機会を逃す手はない」

オ「なるほど。しかし、さらなるニュースが来ないとも限りませんよ。もし5ドルを少しでも上回ってしまえば、せっかく購入後1年以上経過して長期ポジション扱いとなり、キャピタルゲインにかかる税金が大きく安くなる予定の現物株を、何とも微妙な価格で手離さなくてはいけません」

ス「これももう以前何度か言いましたがね、僕は来年満期の行使価格4ドルコールを55枚持っていますから、仮に株価が上がってしまっても、その55枚は満期の長さの面からも行使価格の低さの面からも、今売ろうとしているコールより遥かに値段が高くなるのは確実なのです。
   よって、100枚程度のカバードコール売りであれば、仮に権利が行使されそうになっても、現物株に手をつける必要はなく、そのコール買いポジションを売却して得られる資金で、売りポジションの買戻しは十分可能なのです。
   いわば爆上げリスクに対するヘッジがかかっているわけですよ」

オ「現に評価額(=BidとAskの平均値)では、来週満期・行使価格5ドルコールは0.10ドル、来年1月満期・行使価格4ドルコールは1.10ドルと、まさに10倍以上の差がついていますね。
   ただし、信じられないぐらい株価がアップした場合、例えば株価が明日10ドルになったら、来週満期のコールは恐らく5~6ドルぐらい、一方来年満期の方は恐らく6~8ドルぐらいになるため、その差は極めて小さくなります。
   そのような状況になりますと、買いポジションを55枚売っても、売りポジションを100枚買い戻すのは全く不可能ですから、現物株に手を付ける必要が出てきますね」

ス「んなこたぁ起こらないでしょう、小銭稼ぎには十分なリスク/リターンだ」

オ「既に注文ボタンを押されてしまいましたね。ちなみにこの時点ではまだスライムさんは成行売り注文の危険性に気付いておらず、またしても成行売り注文ですが、先ほどは一瞬で32枚約定したのに、今回はしばらく約定しません」

ス「ま、約定しなかったらしないでいいんだ。ただの小銭稼ぎだし…」

オ「などと言っていたら約定しました。幸い、今回も100枚全て0.05ドルで約定してくれましたね」

 


ス「よかよか、500ドルから手数料を引いて471ドル程度ゲットだ。NYMXが来週5ドルを超えているとはとても思えませんから、このコールは恐らく紙くず化して、この471ドルは丸儲けとなることでしょう」

オ「そうなる確率は高いでしょうが、どうなるかは分かりませんね。
…しかし、どうせ2回売るなら、1度にまとめて注文を出した方が、オプション売りの高い初乗り運賃を2度も払わずに済むので良さそうですが、ケチなスライムさんにしては珍しいですね」

ス「そんなのは当然気付いていたさ、もちろん最初は32枚以上の売り注文を出しましたよ。しかし、『保有中の買いポジション以上の売り注文になっています。修正して下さい』とエラーメッセージが出てきて、注文を進められなかったんだ」

オ「『買いポジションの売却』と『新規売り建て』は別の注文で取り扱わねばいけないということのようですね」

ス「ひょっとしたら設定をいじくれば可能だったのかもしれないけど、そんなことをしている暇はなかったのさ。もう、いち早くNVDAに飛びつきたかったからね」

 


オ「NYMXの取引を終えて、午前11時少し前、そのNVDAはこうなっています」



ス「チャートを見直したら、前日比若干のマイナスからスタートしていたけど、また上がり始めているね」

オ「いきなり飛びつくんですかナ?私は慌てない方がいいと思いますよ」

ス「そこに、迷いは、一切なかった――」



オ「先ほど表示させていた通り、来週・5月第3金曜満期コールから、行使価格125ドルを、1.96ドルで、10枚買い注文ですね」

ス「NVDAは上がるさ!!年が明けてここまでくすぶってきた分、高く高くね!」

オ「…注文後、1分も経たない内に、株価が微妙に下がったのをきっかけに、約定しましたね」

 


ス「いいっしょや」

オ「しかし、イケイケガンガンな雰囲気とはいえ、下がる時はまた一気に来るかもしれませんから、あまり引っ張るのも考えものですよ。利益が出たら速やかに売り払っておくのが重要かもしれません」

ス「もちろん、利益が出たら今日中にでも売り払っておきたいんですがね、残念ながらこの購入には今日NYMXを売って得た資金も使われているはずですから、既に『売って、買った』という1往復分の取引をしてしまっており、本日僕はどんなに売りたくても、もう売れないのです」

オ「昨日も言っていた、差金決済的なものにあたるGFVになってしまいますからね」

ス「だから、どうか頼む、明日まで上がり続けてくれ!!」

オ「どうなるでしょうか。

…ひとまず途中経過、それから1時間弱経過して正午ちょっと前……NVDAは……伸びてますね」



ス「ひゃっふぅ~~!!!」

オ「凄まじいですね。1.96ドルで購入したコールは、既に3.30ドル程度、1時間と経たず、早くもあっさり1.6倍以上になりました」

ス「ま、タイミングさえ合えば、オプション取引ならこんなもんでしょう。これまで何百回と投入資金が2分の1、3分の1どころかゼロになってきたわけですから」

オ「何百回はさすがに言い過ぎですね。しかし、伸びの勢いがかげれば、見る見るしぼんでしまうのが満期まで時間のあまりないオプションです」

ス「そうだね。しかし僕は何がどう転んでも明日まで売れませんから、明日まで伸びることを祈る他ない」

オ「途中経過がどうであろうと、最後損益が決定する瞬間までは全く意味がありませんからね」

ス「正座して祈り続けよう。


…って、ちょっと待てよ、よく考えたら、今日NVDAを購入したのは少し控えめに買ったんで1970ドルちょい、そして昨日の時点で余力は2000ドルを超えていた…。
…あれ?今日NVDAコールを買った資金は、実はNYMXを売却して得た資金には手をつけておらず、全てあらかじめ持っていた余力から出した、ってことになるのかな?」

オ「そうなるでしょうね」

ス「あれ、その場合、既に口座にあった決済ずみの資金と、今日NYMXを売却して得た未決済の資金が混在することになるけど、NVDAコールを買ったのは全て決済ずみの資金から出した、ということでいいのかな?」

オ「そうなるでしょうね」

ス「ということは、NVDAコールの購入は、まだ『買い』のみの片道取引であり、今日この先売ることも可能じゃないか!…本当に、決済未決済混在の資金を使ったとして、GFVにはならないんでしょうね?!」

オ「証券会社に確認しました、大丈夫です」

ス「マジか!そうならそうと早く言ってよ!!何が『GFVになってしまいますからね』だ、オ師匠、あなたは本当にオプション取引の達人なんですか?!」

オ「ホッホッ、私はワゴンランドのオプション取引の達人であって、米国株オプション取引はモグリですからナ、ワゴンランドの取引にはGFVは存在しませんので、これに限らず、私にも分からない・気付かないことは多々あるわけですナ」

ス「そんな設定、マジでまだ生きてたのかよ!…まぁそんなこたぁどうでもいい、今日売れると分かれば、俄然利確しておきたくなるね…。NVDAはどうなってる?」

オ「時刻は現在午後1時20分頃、NVDAはなおも伸び続けていますね」



ス「ヒェッ!購入済みコールの価格は最早5.2ドル以上!午前中1960ドルで買ったものが、お昼を過ぎたら5200ドル!!
   こいつはやべえッー!粘って引っ張って、欲に駆られた豚化しちまうにおいがプンプンするぜッ─────ッ!!」

オ「絶対に欲張ってはいけない、これはもう鉄則にせねばいけない原則だと何度も繰り返し学んだはずですが」

ス「そうだね、日を跨いだら勢いがかげる可能性があるからね、今日中に売りましょうか。もし明日もさらに上がっていくようだったら、明日またエントリーすればいいだけの話だ!」

 


オ「午後2時少し前、NVDA株価はとうとう129ドルを超えています」

 



ス「やりますねぇ」

オ「イヤに冷静ですね」

ス「気取るわけじゃありませんがね、僕は、ハッキリ言って精神力には自信があるのです。どんなに爆上げしても、大暴落しても、常にポーカーフェイスで冷静さを失わないのは、僕の唯一と言っていい投資家としての長所だと思います」

オ「(先ほど割と興奮されていた気もしますが…)しかしこのまま取引終了まで伸びていくとも限りますまい。売り注文を出す目標価格などはどのようにお考えで?」

ス「もちろん何も考えとらんよ。変な夢や目標を設定せず、常に流れに身を任せて柔軟な選択を取ることができるのが、僕の唯一と言っていい投資家としての長所だと思います」

オ「(常にポーカーフェイスなのが唯一の長所じゃなかったのかよ…)ではしばらく様子を見て、いつものように取引終了まで後少しとなったら、いそいそと売却準備にかかるわけですね」

ス「ま、株価130ドルを超えたら、さすがに怖くなって売る人が大勢現れるでしょうから、上昇の波も少し落ち着きそうですし、そこを超えるようなことがあれば考えましょうか」

オ「その後あっさりその130ドルも…と思いきや、129.96ドル辺りをつけてから、足踏みが続いています。あと一歩!というその瞬間の画像を撮っておいても良かったかもしれませんね」

ス「しばらくオプション板を見ていて気付いたんだけど、先ほどのオプション板画像でもそうなっている通り、ある程度以上オプション価格が高くなったら、最小入札単位が0.05ドルに上がっちゃうんだね。
   画像を見て推測するに…3.00ドル以上だと、どうも0.05ドル単位での入札しかできないようだ。0.01ドル刻みのギリッギリの戦い、好きだったんだけどな。まぁ、あんまり細かすぎても取引所もパンクするでしょうし、しゃあないのかもしれんね」

オ「…などと呑気なことを言っていたら、午後2時も15分ほど過ぎた頃、利確の波が押し寄せたのか、ずっと129ドル台後半でせめぎあっていた株価が下がり、129ドルすら割りそうですね(ちなみに画像を撮った直後には実際割っていました)。
 


…件のコールも、6ドルを遥かに超える値で取引されていたのに、下がってきています」

ス「ま、元々市場終了間際まで待とうと思っていたし、多少利益が小さくなろうとも今日は十分だ、しばらく待つよ」


オ「…良かったですね、それからホンの10分程、午後2時26分20秒過ぎ、ついに大台の130ドルをあっさり超えました」



ス「すっっげ…」

オ「コール評価額は6.5ドル以上…。『株価130ドルを超えたら考える』とおっしゃってましたが」

ス「…考えた。もう少し粘ろう」

オ「ズコーッ!!相変わらずにも程がありますね…」

ス「しかし、先ほど言った通り、絶対に本日中に売却しますよ。ここからさらに伸びてくれるといいけどね」

 


オ「やはり130ドルを超えてしばらく揉み合ったらまた下がってきていますね。午後3時少し前、またもや129ドルすら割ってしまっています」

 



ス「んま、まだ1時間あるし、また上がることもあるでしょう。再度の上がりを期待して、今しばらく待つよ」

オ「いい加減似たようなことばかりなので、売却に乗り込む時点までしばらく黙りましょうか」


~終了まで残り15分、午後3時45分~


オ「残り15分、そろそろ売る決心をすべきかという所ですね。NVDAは…

 



…残念ながらかなり下がってしまいましたね」

ス「がっくしなのだ」

オ「頃合を見計らって、売り注文を出しましょう」

ス「もう時間がないけど、画像撮ってからも結構下がり続けているね。ほなまぁ、こんぐらいで…

 



…って、アレェー!!最終確認画面で、『この取引はGFVになるかもしれません』ってメッセージが出てきた!!これは…やめておくべき?」

オ「先ほど大丈夫なのか確認したのはオンラインヘルプチャットでしたが、自分の取引履歴ではなく一般論として質問していたこともあり、またさらにチャット係の人たちは割とよく平気でウソもつくので、ひょっとしたら何かの見落としでGFVに当たるのかもしれませんね。
…恐らく、1日で売り→買い→売りというサイクルに入った場合、それがGFVに当たろうが当たるまいが自動的に出してくれているメッセージでしょうから、実際は大丈夫だと思いますが…」

ス「うーん、安全を期して、ここはやっぱり今日売るのはやめておこう。オンラインチャットではなく、メールで、専門の部門の人にきちんと今日の自分の例がGFVに当たるのかどうか、しっかりと聞いておくよ」

オ「それがいいかもしれませんね。当初の宣言の反故になりますが、このコールは明日満期ではなく来週満期ですので、明日売るのであれば、持ち越したとしても、少なくとも時間的価値としての影響はそんなにないでしょう」

ス「しかし、NVDA株価は最後の最後でさらにクッソ下がってしまった…

 



…これは明日に向けて、不安しかないね…」

オ「今後の参考までに、本日の値動きを振り返っておきましょう。



カーソルを合わせたところ辺りでスライムさんはコールを購入、その後株価は一時その時点から6%程度アップの130ドルも超えて、1.96ドルで購入したそのコールの評価額は上で貼った画像の通り6.5ドルも超え、実に3.34倍以上にまで膨れ上がりましたが、その後はチャートの通り若干落ち込んでしまいました」

ス「バブルはいつまでもは続かないということだね。しかし、明日までは続いて欲しい」

オ「少なくとも購入したコールから利益を出せるぐらいには踏みとどまって欲しいところですね」


 

 




オ「NYMXの方は、このような感じで、全く冴えないまま本日の取引を終えています」

 



ス「コールをそれなりに沢山売ってしまったから、申し訳ないがNYMXさんにはこのまま1週間眠り続けていただきたい」

オ「本日は、結局利益確定できなかったので単なる含み益ではありますが、NVDAはかなり大きな利益になっているものの、まだまだこれまでの損失を取り戻すほどではありませんね」

ス「さらに言うと、NVDAは割と上がったくせして、NYMXの下がりがかなり大きかったから、一番最高の含み益だった時点でさえ、トータルではずっと本日の損益は前日比マイナス…。さらにNVDAの含み益も最後はかなり萎んだので、結局割と大きくマイナスかよ!中々いい日だったと思ったのに、これだもんな!」

オ「それだけNYMXに突っ込んでいる部分が大きいということですね」

ス「ま、日々の損益の増減なんてどうでもいいんだけどね。とりあえず明日のNVDAのさらなる伸びに期待だ!!」

オ「本日途中までの勢いがまた出てきてくれるといいですね」