スライム「NVDA決算報告前夜ということで、金曜日に小銭稼ぎに失敗した分をオプション取引のデイトレなんかで取り戻そうかなと思ったんですが、どうせ裏目展開で失敗するのがオチっぽいからやめておきました」

オプーナ「ヤケクソ投資で、もちろん成功することも失敗することもあるでしょうが、確実に言えること、それは、そんなやり方を続けていればそう遠くない内に必ず破滅する、というのだけは間違いありませんから、やめておいた方がいいでしょうね」

ス「まぁ決算前夜と言っても、明日火曜日の市場終了後だから正確にはまだ前夜でもないんだけどね。とりあえずNVDA決算はもう少し先で、本命株・NYMXの電話会議もまだ続報はないようで…と思っていたら本日アナウンスされたようですが、こちらは水曜日の市場終了後ということで、それまで話題がないからね、最近目にしていたけど話に出す機会のなかったものから一つ、適当に見繕ってみたよ」

オ「最新のバフェット銘柄ですか。バフェットさんと言えば、IBMの売却が話題になったばかりですが」

ス「そう、IBMに限らず、何度か触れたことのある気もする石油精製販売企業・PSX (Phillips 66) に、バフェット爺さんとバークシャーは2015年8月末から2016年9月までの1年間で、信じられないぐらい大量のインサイダー買いを行っていたんだ」

オ「インサイダー取引のForm 4をまとめてくれているInsiderTrading.orgを見ると、バフェットさんはPSXを1年間で大体2500万株ぐらい・1株80ドル弱で、合計20億ドル程度買い増していた形ですね」

 

http://insidertrading.org/?sort_by=acceptance_datetime&asc=&symbol=PSX&date_from=2015-05-08&date_to=2017-05-08

ス「どうでもいいけどこのサイト、いつの間にか最新情報が見られなくなってる気がするね。数か月経たないと反映されなくなったのか…?不便極まりないな!」

オ「ともかくPSXですが、バフェットさんが信じられないぐらいに大量の…と言っても彼の資産からすればそこまででもないのかもしれませんが、とにかくかなりの買い増しを行ったのに、本日の株価は79ドルちょいということで、株価は一切伸びていないんですね」

ス「去年末にかけてちょっと伸びていたようだけど、今また落ちているからね、とにかく、彼が買ったからといって、必ずしもすぐに大きく伸びるわけじゃないのは、これはもう当然のことと弁えねばいけないことなんだ!」

オ「もちろんPSXは配当を出しており、株価が横ばいを維持するならば配当収入でプラスになるとも言えますが、やはりIBMのように短期で10%の下落などがあれば、そのプラスも一瞬で吹き飛んでしまうようなものですから、高配当銘柄であれ、株価自体が伸びてくれなくては元も子もないと言えるかもしれませんね」

ス「結局バフェット爺さんも神様じゃないから、彼にも失敗は沢山あるんだね」

オ「ならば、なぜ今さらバフェットさんの新規買い増し銘柄に注目するのかという話になりますが…」

ス「結局何事もアベレージですよ。例えば野球の3割5分バッターは、これは超々一流だと思いますが、実は逆の見方をすれば彼は65%もの高い確率で失敗しているんですよね。
   これがもし、65%の確率で手術失敗・死亡事故を起こすお医者さんがいたとしたら、こいつは間違いなく免許剥奪でしょう。

 

   結局それは土俵の違いであって、相場という不確定要素の大きすぎる世界においては、バフェット爺さんであろうとも百発百中全てを完璧に当てることはできないのは当然だと思うんです。…けれど、それでも、僕みたいなクソザコナメクジ以下の存在が片手間に考えた投資先よりは、間違いなくアベレージは高いと思うのです。何たって世界一の投資家ですから。
   だからやっぱり、自分でアレコレ考えるよりも、彼の考えを覗き見する方が遥かにマシと言えるような気がするんですよ」

オ「しかしバフェットさんとスライムさんは、資産も、取引スタイルも、話す言葉も、性格も年齢も、恐らく何もかもが違いますから、彼と同じことをすれば彼と同じアベレージが得られるとは限りませんね」

ス「それは当然だね。だからもちろん注目するだけであって、自分が実際飛びつくかというと話は別だ。あくまでも参考にするだけ…というよりむしろ参考にすらせず、話のネタにとりあえず見てみるだけで、実際自分に合っているかどうかは、自分なりに考えて決める」

オ「何事も自分の頭で考えることが大切ですね。
…さて、御託で前置きが長くなりました。いい加減その銘柄を見ておきましょう」

ス「バフェット爺さんが2週間前に大量購入したばかりの最新銘柄とは、ズバリこちら、LSXMA (Liberty SiriusXM Group) だ!!」

オ「まずは株取引のボス・SEC(米国証券取引委員会)に提出されていたForm 4を確認しておきましょう。バークシャーとバフェットさんの名で、4月20日から24日にかけて、合計247万117株を、単価38.6~40.8ドルで購入されたようですね」

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/315090/000120919117028042/xslF345X03/doc4.xml

ス「わずか数日で1億ドル弱も使ったのか。さすがウォーレン!おれたちにできない事を平然とやってのけるッ! そこにシビれる!あこがれるゥ!

…しかし、5文字シンボルとは珍しいね。何でまたこんな長ったらしいシンボルなんだい?」

オ「こちらは、GOOGLとGOOG同様、クラスの違い、つまり議決権ありなしの違いで、議決権ありLSXMAなしLSXMKとに分かれているようですね。
   ちなみに10倍の力を持つスーパー議決権株・LSXMBも存在するようですが、これは一般には流通していないものですね」

ス「流行りのそのタイプか。僕もいい加減、流行りの5文字銘柄の一つや二つ、紳士の嗜みとして所有せねばいけないなと思っていた所だったんだ。これはますます気になってきたぞ」

オ「ちなみにバフェットさんは、同期間に、LSXMKも、ほぼ同額で、387万5011株購入されています」

https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/315090/000120919117028041/xslF345X03/doc4.xml

ス「何てこったい、合計して楽に2億ドル以上!!これはますます…来るんとちゃいます?!

…しかしそもそも、LSXMとは何者なんだい?リバティー・シリウス……パーフェクト・リバティー……PL…素晴らしい銘柄に見えますが」

オ「PLとは全く関係なく、メディア関連の企業のようですね。

(参考: Wikipedia (https://ja.wikipedia.org/wiki/リバティメディア))

   リバティメディアグループの内、Sirius XM Radioという衛星ラジオ企業を中核とする部分のようです」

ス「Siriusといえば、以前低価格週1オプションで何かいいのがないか見ていた時に、かなり安定していて良さそうだと思っていた企業じゃありませんか」

2017/03/03『週1配当金』ゲットを目指そう!銘柄選びがとても大事、さぁどの企業を選ぶ?!

オ「そのSIRI、近年株価はかなり安定していますが、実は2009年に倒産手続きを取っており、その時に巨額の出資をして、事実上経営権を一部得ることになったのがLSXMということのようですね。LSXMが株式市場に上場したのはつい昨年のことのようですが」

ス「安定している値動きを見せているSIRIに、バフェット爺さんのパワーが加わって、これは間違いないんじゃないでしょうか?!さぁ、チャートを見せておくれ!!」

オ「こちらが昨年の上場時からの最長チャートですね」



ス「…まま、それなりに伸びていて悪くはなさそうじゃないの」

オ「そして参考までに、こちらがバフェットさんの購入後の値動きですね。



…バフェットさんの購入が完了した4月24日から一気に続落、2週間で株価は8.58%も下落しています」

ス「…やっぱバフェットってクソだわ」

オ「本当に相変わらずですね…」

ス「だがしかし、バフェット爺さんは間違いなく僕らには見えていないものが見えているはずだからね。それは彼の才能や経験というよりも、現在の世界一の投資家という立場がそうさせているように思うんだけど、とにかくごく短期では下がっても、長い目で見て、LSXMAはここから一転大きく伸びていく予感がするぞ!

   今の内に、コール買いに飛びつく価値は…十分ある気がする…!」

オ「…PSX(ボソッ)」

ス「…ウッ…」

オ「…IBM…(ボソッ)」

ス「…ウ…ウォッ…」

オ「……デクスター・シュー・カンパニー(ボソッボソッ)」

ス「…ヴヴ…ヴォーレーンッ…!!」(白目失神痙攣卒倒泡フキー)バフェッ

オ「バフェ…っと倒れられましたね。結局、LSXMAがどうなっていくかは分かりませんが、短絡的に飛びつかず、自分なりの企業調査をしっかりと行った上で、納得して投資をすることが大切だということですね」

ス「…僕がどれだけ企業調査したところで、バフェット爺さんの下した決断に及ぶわけがない、ってのが肝な気がするけど…。まぁ慌てて飛びついてはいけないのは間違いないね。しばらくどうなるかじっくり様子を窺おう」
 

 

 

 

 


オ「決算を直前に控え、NVDAはまたしても下がりました。現在NVDAにポジションはありませんが、オプション板を見ておきましょう」

 



ス「期待されていないね。しかしどうなるかは、本当にフタを開けてみるまで分からない」


オ「一方電話会議の日程が発表された本命株・NYMXは、本日は久しぶりにそれなりに伸びて、4ドル台に復帰しています」

 



ス「ぐぬぬ…また上がってしまったか…。コールの買い増しはしそびれてしまったね…。
   もちろん先週言っていた通りコールを買い増ししようかとも思ったんだけど、NVDAの決算結果によってはNVDAに大きな資金を使った方が短期的な資金効率はいいかもしれないと思って、手を出せなかったんだ」

オ「その考えの是非はともかく、慌てることはないでしょう。もちろんNVDA・NYMXに拘泥せず、他の銘柄に目を向けることも大切ですね。
   なるべくリスクを抑えて、一発ギャンブル的な大勝負に出ることは避けるべきだということは、改めて述べるまでもありません」

ス「リターンよりリスクに目を向けるべきか…ハッキリ言って、自信なし!」

オ「長年市場で生き残っている人で、リスクをないがしろにしている人は恐らく存在しないでしょう」

ス「しかし、ごく一時的には、リスク度外視で大勝負に出ないと、いつまで経っても何も変わらないまま干からびて死んでいく気もするよ。人生はそんなに長くありませんから。
   大勝負に出て、見事勝ったら、その時は安全運用に切り替えていく」

オ「数え切れないほどの投資家が、同じことを思って朽ち果てていったことでしょう」

ス「…とすると、最終的には結局運だな。豪運を引いた人のみが大きく勝利できる」

オ「だからといって考えることを放棄していいことにはなりませんが、自分がその企業を運営している訳ではない以上、究極的には自分の力でできることは限られているという意味で、運の要素が大きいのは間違いありませんね」

ス「…が、幸運はよく準備された所にのみ現れる…か…」

オ「パスツールの言葉ですね。どのような選択を取るにせよ、その言葉を胸に、最善を尽くすことを心がけましょう」