今週の頭にしていた注目株への仮想投資も、息をするかのごとく当たり前のように冴えない結果を叩き出しました。

順番に振り返っておきます。


1. AMD (Advanced Micro Devices)

 

月曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


既に週の途中、実際に行っていたNVDA投資関連で触れていた通り、大きく暴落しました。一応、EPS的には大方の予想を満たしたようですが、市場の反応は冷ややかだったようです。

こちらは決算発表直後・月曜日の時間後取引の様子、この時点ではマイナス11%でしたが…

 



翌火曜日はさらなる下落で始まり…

 



火曜日終了時点でまさかのマイナス24%!このせいで、NVDAの勢いも削がれてしまったような気がするのは、既に火曜日の記事(2017/05/02 ライバルがこけたぞ、さぁ!……って、お前もこけるんかーい!仲良すぎだろっ!)でまとめていた通りです。

 


結局今週は反発せずに取引を終えています。例によって今週の値動きチャートと、最新金曜日終了時点のオプション板です。

 



安全を期してディープアウトオブザマネーのプットを売っていましたが、これはダメそうですね。

【仮想投資状況おさらい】
○行使価格11ドルプットを、0.05ドルで100枚売却(証拠金として11万ドル拘束・500ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-10万9500ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格11ドルプット→あっさり株価は11ドルを割ってしまった。行使価格の11ドルで購入させられることになった株(ただしプット売却資金0.05ドルを受け取っているので、実質1株10.95ドルでの購入)を、現在の株価10.19ドルで買い戻すということで、1株0.76ドルの損失。オプション100枚売却していたので、1万株分…。
◎合計損益:10万1900ドル-10万9500ドル=-7600ドル

…まぁ、安全を期しただけあって、そこまでの大損ではないですね。しかし予想を遥かに上回る下落で損失になったのは間違いないので、これは敗北。



2. AAPL (Apple)
 

火曜日(市場終了後)に決算報告がありました。



Appleも、最早誰もがご存知の通り、決算の数字自体は悪くはなかったようですが、具体的な売上げ内容等の中身がパッとしなかったようで、決算報告後の時間後取引で若干下がりました。

 



翌朝はもちろん下がっていたものの…

 



市場が終わる頃にはもう前日比同値近くまで回復…

 



結局既に決算前の株価を取り戻しています。

 

 

 

さすがはAppleという値動きでした。

【仮想投資状況おさらい】
○行使価格138ドルプットを、0.68ドルで10枚売却(証拠金として13万8000ドル拘束・680ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-13万7320ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格138ドルプット→完全に紙くず化。拘束資金が丸々戻ってくる形。
◎合計損益:13万8000ドル-13万7320ドル=+680ドル

…安全なプット売りだったのでもちろん利益は極小だけれど、これは快勝。Appleを信じてもう少し高い行使価格を攻めても良かったけれど、それは完全に結果論。



3. PFE (Pfizer)

 

火曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


こちらも、数字としては悪くはなかったようですが、火曜日、市場が始まったら株価は下がっていました。

 



しかし、やはりそこまで悪い決算でもなく、火曜日終了時点では若干の上がり傾向を示していた感じです。

 

 

PFEはIVの低さからオプションを買っていたので、この時点までで取引を済ませたことにしましょう。

そして結局、もの凄い低いIVが示している通り、そのままファイザーは完全横ばいで今週を終えています。

 

 



ある意味安定感があって、配当狙いの長期投資にはいい銘柄かもしれませんね。

【仮想投資状況おさらい】
○行使価格35ドルコールを、0.03ドルで1000枚購入(3000ドル)
○行使価格33ドルプットを、0.07ドルで1000枚購入(7000ドル)
◎投入合計:-1万ドル→決算後、外した方(価格が下がっているもの)は即売却。当たった方は、さらなる伸びに賭けて、市場終了時まで粘って、そこで売却しましょう。

【結果】
○行使価格35ドルコール→株価は下がったので、完全に外した。火曜日朝一の時点で…最早売れそうにないけれど、一応Bid-Ask平均の0.01ドルで売れたとしましょう。この程度戻ってきても何の意味もありませんが(0.01 x 1000 x 100=1000ドル)
○行使価格33ドルプット→これは…多分、もし本当にポジションを抱えていたとしたら、決算後それなりに株価が下がっていたので、朝一の時点で既にプット価格は買値を割っていますが、粘るという選択を取ったことでしょう。結果、火曜日市場終了時点で、ほぼ紙くず化しました。全然ダメですね。0.02ドルで売却したことに(0.02 x 1000 x 100=2000ドル)
◎合計損益:3000ドル-1万ドル=-7000ドル

…ま、やはりIVが低かったのはダテじゃなかったということで、オプション買いはちょっと無謀でした。割と予想は当たりましたが、結果は散々ですから、ここは敗北を認めましょう。ここまでまたしても負け先行。



4. MA (Mastercard)

 

火曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


先行して決算を済ませていたクレジットカード企業VとAXPと同様、決算は悪くなかったようで、火曜日株価は上がってスタートです。

 



しかし、上がりが弱い!PFE同様、オプションを買ったけど、これは厳しいかな?
結局火曜日は伸び続けることはなくむしろ日中は下がり続け…

 



最後金曜日まで全く伸びることのない、しょぼい決算週となりました。

 

 



やはり影の薄いマスターカードの実力はこの程度か…と思ったら、VもAXPもその後特に伸びていない模様。まぁ、市場の空気を如実に受けやすいのがクレジットカードや金融関連だと思うので、また空気が変われば伸びていくこともあるでしょう(もちろん、下がっていくこともあるかもしれませんが)。

【仮想投資状況おさらい】
○行使価格120ドルコールを、0.60ドルで120枚購入(7200ドル)
○行使価格112ドルプットを、0.50ドルで30枚購入(1500ドル)
◎投入合計:-8700ドル→ファイザーと同じ感じで。
 
【結果】
○行使価格120ドルコール→うーん、火曜日朝一の時点で既に死亡…しかし株価自体は上がっていたので、もし本当にポジションを持っていても、また市場終了まで粘ったことでしょう。

当然評価額自体は朝一より大きく下がってしまったものの、単に朝一特有の高Askが入っていただけな感じであり、Bidの価格から考えて、朝一で売っても市場終了まで粘ってもほとんど変わらなかった感じですが、まぁ火曜日市場終了時点の評価額・0.11ドルで120枚売却したとしましょう(1320ドル)
○行使価格112ドルプット→こちらは当然市場開始時点で大きく下げていますが、こちらもAskが無駄に高く、実際いくらで売れたのか不明…。ちょうど0.06ドルでの取引が成立していたようなので、どうせもういくらで売れようと大した話でもないので、かなり自分に不利な形ですが、この価格で30枚売ったことにしましょうか(180ドル)
◎合計損益:1500ドル-8700ドル=-7200ドル

…まぁ、驚くほどの値動きがないと決算ギャンブルでのオプション買いは敗北必至なので、これも素直に負けですね。やっぱり、決算でのオプション買いギャンブルは、ハッキリ言って無謀だな。



5. GILD (Gilead Sciences)

 

火曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


何だかそればっかりですが、数字自体は悪くはなかったようですが、火曜日の時間後取引では残念ながら株価を下げていたGILDです。

 



翌水曜日は当然株価マイナスでスタート…

 



しかし、日中落ち続けることはなく、若干の上昇で水曜日の取引終了。

 



翌日は一気に伸びていたようで、結局割と戻しつつある形で今週の取引を終えていますね。やはり、数字自体が悪い訳ではなかった決算では、その後それなりに回復することが多いのかな、という印象です(もちろん必ずそうではないでしょうが)。

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○行使価格66ドルプットを、0.48ドルで20枚売却(証拠金として13万2000ドル拘束・960ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-13万1040ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格66ドルプット→幸い株価は1度も66ドルを割らず、危なげなく完全に紙くず化。
◎合計損益:13万2000ドル-13万1040ドル=+960ドル

…暴落はなかったということで、プット売りは完勝。利益は僅少。



6. FB (Facebook)

 

水曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


FBも、数字だけ見るとかなりのポジティブサプライズだったようですが、時間後取引では値を下げていました。

 



決算期待で株価が上がりすぎていたのでしょうか。木曜日も当然マイナスで始まっています。

 



しかし、割とすぐに回復し、市場終了時にはほとんど決算前の水準まで戻っています。

 


金曜日はまたイマイチだったものの、下がり続けることはなさそうな感じがしますが、どうなるでしょうか。

 

 



【仮想投資状況おさらい】
○行使価格155ドルプットを、6.00ドルで10枚売却(証拠金として15万5000ドル拘束・6000ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-14万9000ドル→満期まで放置。
 
【結果】
○行使価格155ドルプット→そういえば大上がりを期待してインザマネーのプットを購入したんでした。結果、FBは150.24ドルで取引を終えていたので、行使価格-プット売却価格の149ドルを上回っているため、1株1.24ドルの利益を得ることができた形です。
◎合計損益:15万240ドル-14万9000ドル=+1240ドル

…思ったほど上がってはくれなかったどころかむしろ下がりましたが、決算前に存在していたボラの大きさにより、利益を生み出せました。これは勝利。
 
 

7. KHC (Kraft Heinz)

 

水曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


バフェット食品銘柄のこちらは素直に、若干予想を下回る決算で、時間後は株価が下がっていました。

 



翌日もマイナススタート…

 



…しかし、さすがはバフェット爺さんの胃袋を支えている(かどうかは知らんけど)KHC、その後下がることはなく、むしろ大回復の前日比プラスで、決算発表翌日の取引を終えています。

 



金曜日もそのまま横ばい、まぁ順調という形でしょうか。

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○来月満期・行使価格90ドルプットを、1.60ドルで10枚売却(証拠金として9万ドル拘束・1600ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-8万8400ドル→来週金曜日の時点で、高くなっていようと安くなっていようと買い戻しましょう。

【結果】
○来月満期・行使価格90ドルプット→えぇ~っ、決算が終わり、ボラが消失したはずだというのに、プットは若干値上がりしている…!まぁ、決算後は上がったけれど、先週時点より若干株価は下がったからでしょうか。金曜終了時点の評価額と等しい、1.65ドルで買い戻しという形で。9万ドルの証拠金は戻ってくるが、そこからプット買い戻し資金1650ドルを差し引き、8万8350ドルが手元に戻ってくる。
◎合計損益:8万8350ドル-8万8400ドル=-50ドル

…さすがに、一応これは予想も当たったし、満期までこのまま持ち続ければ問題ないような類のものなので、これは引き分け扱いで。まぁ勝ちだろうが負けだろうが引き分けだろうが、そんなの本当にどうでもいいんですけどね。
 

 


8. TSLA (Tesla)

 

水曜日(市場終了後)に決算報告がありました。


うわ、これは凄いな、予想を194%も下回る驚きのクソ決算!!…しかし、TSLAは元々将来への期待感から成り立っているような銘柄であり、その程度ではびくともしない感じでしょうか、発表後の時間後取引ではそれほど下がっていませんね。

 



しかし、さすがに決算が悪すぎるのか、翌朝は300ドルもあっさり割り…

 



市場終了時点ではマイナス5%と、それなりに下げていました。

 



しかしそこはハイボラ銘柄の面目躍如か、金曜日はまたあっさり伸ばしてきており、この先もかなりの上げ下げが待っていそうな予感です。

 

 



【仮想投資状況おさらい】
○現物株を現在の株価(314.07ドル)で200株購入(6万2814ドル)
○行使価格320ドルコールを、6.60ドルで2枚カバードコール売り(1320ドルのコール売却代金ゲット)
○行使価格305ドルプットを、5.35ドルで2枚売却(証拠金として6万1000ドル拘束・1070ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-12万1424ドル→現物株も絡んでどう計画を立てておけばいいのか色々複雑だけど、売りメインなので、基本満期まで放置。

【結果】
○現物株→株価は308.35ドルになった。これを市場終了時に200株全て売却したとして、戻ってくるのは6万1670ドル
○行使価格320ドルコール→完全紙くず化。1320ドル丸儲け(既に先週の計算に組込み済み)
○行使価格305ドルプット→金曜日の復活のおかげで、これも紙くず化!プット売却代金は丸儲けで、拘束されていた6万1000ドルが、そのまま戻ってくる。
◎合計損益:12万2670ドル-12万1424ドル=+1246ドル

…決算でIVが失われ、株価も下がって上がってというオプション売りには理想的な形で、無事利益を生み出せました。1週間で1%の利益ですが、まあまあでしょう。これは快勝。
 

 


9. S (Sprint)

 

水曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


…孫くん?!これは一体どういうことだ!!数字からも見てとれる通り、メチャ悪決算だったようです。

水曜日市場開始直後はさほど下がっておらず、インザマネープットを売った立場としてはこれぐらいなら…と思ったものの…

 



その後日中ガンガン下がり続け、市場終了時点ではまさかのマイナス14%!!

 

 

幸いここが底で、徐々に株価は回復しているが、仮想投資は爆死間違いなし…。

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○行使価格10ドルプットを、1.12ドルで100枚売却(証拠金として10万ドル拘束・1万1200ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:8万8800ドル→満期まで放置。

【結果】
○行使価格10ドルプット→株価下がりすぎぃ!ちょうど昨日実際にやったDUSTみたいなもんですね。株価は8.04ドルということで、行使価格-プット売却代金の8.88ドルで購入させられたものを、現在の株価8.04ドルで売却するという形に。
◎合計損益:8万400ドル-8万8800ドル=-7600ドル

…あれ、意外と大した損でもないな。やはり決算前のボラからのオプションプレミアムの力は偉大ということでしょうか。しかし予想を遥かに上回る下落で、しっかり損失も叩き出してしまったということで、これは敗北。



10. DNKN (Dunkin' Brands Group)

 

木曜日(市場開始前)に決算報告がありました。


数字としては結構良かったようだけど…?またこのパターンかという感じで、木曜日、株価は下がって始まっていますね。

 



しかし、上述の法則がここでも成り立ち、良決算後に株価が下がり続けることはなく、むしろ前日比プラスでこの日は取引を終えました。

 



翌日、つまり昨日である金曜日は若干下がりましたが、まぁこの程度は平時の値動きですね。落ち続けることはなさそうな感じです。

 

 


【仮想投資状況おさらい】
○今月満期・行使価格55ドルプットを、1.10ドルで40枚売却(証拠金として22万ドル拘束・4400ドルのプット売却代金ゲット)
◎投入合計:-21万5600ドル→KHCに同じ。

【結果】
○今月満期・行使価格55ドルプット→予想記事を書いた時点では気付いていなかったんですが、DNKNも月1オプションしかなかったんですね。しかしこちらはKHCとは違い、無事ボラの消失でプット価格は大きく下がってくれました。金曜日終了時点の評価額で買い戻すとして、拘束資金22万ドルから同じプットを0.45ドルで40枚=1800ドルの購入費を減じた分が手元に戻ってきます。
◎合計損益:21万8200ドル-21万5600ドル=+2600ドル

…これは文句なくバッチリ利益を上げられました。最後ドーナツ屋さんへの投資は大勝利。



【注目10銘柄・仮想投資の合計】
○投入資金=105万7784ドル
○回収資金=103万5060ドル
◎合計損益額・率=-2万2724ドル-2.15%

…ということで、今回の仮想投資の結果は、予想自体は5勝4敗1引き分けと勝ちは先行したものの、損益の数字としてはまたまたマイナス。前2回より率としては大分改善されましたが、それでもマイナスはマイナスで、パッとしません。

記事タイトルではオプション買いはダメだなと言ったものの、実は驚くほどの暴落をした2銘柄(AMDとS)からのオプション売りによる損失も、額としては半分以上を占めていたんですよね。
もちろんオプション買いの勝率は0%なので買いがダメなのも当然なんですが、結論は、『欲張ってリスキーな取引がダメ』という至極当たり前のものになるのかもしれません。