スライム「金鉱株が好調→ベアETFのDUSTは下がる……つまり、ダメみたいですね」

オプーナ「結果から言うと、1万円は守りぬけませんでしたね。どうなったのか、振り返っていきましょう」

 


ス「市場開始5分前…時間前取引では、DUSTは下げているね」

 



オ「不吉な予感ですね。市場が始まりました。時間前取引の状況通り、下がってスタートしています」

 



ス「むむ…」

オ「それからものの3分~4分で、株価は36ドル台に突入し、行使価格37ドルプットはインザマネーに転落しました。



…3倍ETFの動きは激しいですから、早い所ポジションを畳んでおいた方がいいと思いますよ」

ス「むむむ…」

オ「なにがむむむだ!この戦いでDUSTが下がり続けたら誰が一番悲しむ。おぬしであろう」

ス「…ま、そんなに下がらんでしょ。きっと回復する。僕はプットを1.10ドルで売ったからね、行使価格からその分を差し引いて、株価が35.9ドルになってしまうまでは、1万円からは当然減っちゃうけど、一応利益を出せる形なのだ。さすがにそない下がらんじゃろ」

オ「呆れましたね。それから15分経過、その35.9ドルも目の前になっているわけですがそれは」

 



ス「ぐぬぬ…。多分、ここが底だ…。オプション売りは時間が味方、ここはこのまま横ばいで時間だけが経過していくことに賭けて、放置だ」

オ「呆れましたね。なぜ、自分に都合のいい展開が待っているとしか想像できないのか…?!
   可能なら一度幅広い投資家の方にアンケートを取ってみたいですね。この場面、速やかにポジションを畳むか、待ちに徹するか…。恐らく、ポジションを畳むことと生涯通算成績の高さには、強い相関関係があると思いますよ。ここは、誰がどう考えても、絶対に速やかにポジションを閉じるべきです。まだ、ギリギリで売値と同値か、下手したら微妙に安い価格で買い戻せるかもしれないんですから…!」

ス「でぇじょうぶだ。金鉱株はきっと上げ止まる」

オ「はぁーっ(クソデカため息)。何を根拠に…。

…さて、市場開始後1時間ほど経過しました。金鉱株は上昇し続けているようでDUSTは続落中、あっさりその35.9ドルなど通り越して、もはやこのプットの評価額(=BidとAskの平均値)は売値より遥かに高い、1.65ドルになっていますね」

 



ス「……」

オ「さらに1時間ほど経過、ついに株価は34ドル台突入です。お手本のような、速やかに適切な判断のできなかったクソザコ投資家の末路ですね」

 



ス「…すげぇなぁ…!売りと買いの二者択一で、基本当たる確率の高い売りの方を選んで、ここまで鮮やかに外すもんかね?!我ながら、これは酷いを通り越して美しいね」

オ「またまた、考えなしのギャンブルに突っ込んでは絶対にいけないことを身をもって示すことになりましたね。さぁ、どうされるので?」

ス「まぁ、権利行使されて現物株を買うことになったら、また週頭に改めて現物株を売却しなきゃいけないし、その資金が決済されるまで時間もかかるから今日中に絶対にプットを買い戻そうとは思うけどね、ここまで来たら市場終了直前まで待つよ。さすがにこれ以上は下がらないだろうし、時間的価値をなるべく減らして安く買い戻すためにもね」

オ「本当に1ミリも成長しませんね。『これ以上は下がらないだろう』って、その根拠は?なぜここまで来て、未来は自分に都合のいい方へ進んでいくとしか思えないのか…。
   仮に下げ止まって多少安く買い戻せる結果になったとしても、スライムさん、あなたはハッキリ言って短期投資をしてはいけないお方だ!今後金輪際、素早い判断の要求される短期ギャンブル投資には手を出されないことを、強く推奨します…!!」

ス「…。…まぁ我ながら返す言葉もない感じだけれどね、とりあえずそれが分かっただけでも今回のDUST投資は意味があったということにしておこう。
   1万円か2万円かいくらの損害になるかは分かりませんが、それなりに楽しかったし、1日耐久チキンレースの参加費を払ったと思うことにしますよ」

オ「決して『失敗の勉強料だと思おう』とは言わない辺り、全く反省の色が見られませんね…。断言しますがスライムさん、このままではあなたは同じ失敗を繰り返しますよ。本当に、心から反省しないと未来はないでしょう…。

…さて時刻は午後1時30分となりました。一応その後ひたすら下がり続けることはなく、DUSTの株価はピッタリ35ドルとなっていますが…」



ス「うーん、よく考えたら、市場終了直前だと、時間的価値はほぼゼロまで減ってくれるけど、同時に潜在的なボラもほぼゼロになるわけなんだよね。つまり、その時の株価に完全に対応した(あるいは若干自分に不利な形の)プット価格でしか買い戻しができなくなるということで、時間の経過が味方の売りポジションを抱えている立場とはいえ、買い戻しが必須なインザマネープットを抱えている現在の状況では、時間が消失するということが必ずしも自分に有利になるわけではないということに、今さらながら気付いたぞ。
   まだちょっと時間のある内に、例えば少し株価が上がった局面なんかにおける『さらなる株価の上がり期待』からのプット安売り特売的状況になれば、プットを若干割安価格で提供してくれる人が現れる可能性だってあるかもしれないんだね」

オ「よく考えずとも、それは当然ですね。その時点から先にボラが存在するからこそ、高くも安くも幅広い価格で取引され得るのがオプションなのですから、まだ時間がある状況での株価の急激な上昇局面なら、プットをそれなりに安く買い戻せる可能性だってあるのは間違いないでしょう」

ス「今さら上昇局面なんか来るのか分からんけど、まぁそろそろ準備しておかないと打てる手が塞がってしまいかねないから、せめて注文ぐらいは出しておこうか。
   現時点で約定はしないだろうけど、ちょっとした上昇局面が来れば約定してくれるかもしれないライン、1.90ドルでの買い注文を出してみよう」

 



オ「それを、朝一でやっておかなければいけなかったということです。とにかく行動が1歩2歩遅いスライムさんですが、ようやく注文を出したということですね。
   しかし当然、現時点では、スライムさんの注文(と恐らくアルゴリズムによる相乗り投資の上乗せ)がBidとなったまま均衡状態で、すぐには約定しません」



ス「この価格で買い戻せれば、1.10ドルで売ったものを1.90ドルで買い戻すということで、差し引き0.80 x 100=80ドルプラス手数料往復もかかって、合計大体1万円の損失か。1万円の利益を夢見て、1万円の損失とは皮肉なものだね。ま、こればっかりは賭けに敗れたんだからしゃあない」

オ「損失が1万円で済むといいですが…。株価が伸びてくれないと、1.90ドルで買い戻すことなど夢のまた夢かもしれませんよ」

ス「ま、様子を見て、ダメそうなら今一度注文価格を引き上げよう。ここまで来て数千円の損失の違いなど大した話でもないけど、少しでも粘って、1円でも安く買うことを目指すのが僕なのだ」

オ「少しでも安くと粘って、結果早めに決断するより遥かに高くついてしまったというのは、もう本当に典型的な弱小素人投資家の鑑ですね。

…さて、さらに1時間経過し、午後2時30分となろうかという所、残念ながら株価は伸びず、スライムさんの買い注文はBidですらなくなって…いたのですが、画像を撮ろうと準備し始めた直前あたりから、おもむろに株価が伸び始め、気付けば1.90ドルでの買い注文は本質的価値以下(=行使価格-プット価格が、現在の株価以下)に到達していました」



ス「これは約定するかな?」

オ「さすがにいい加減欲張ってはいけないと反省されたのか、いざ約定待ったなしになったらおもむろに注文を修正し始めるといった、セコイ真似はされないのですね。」

ス「さすがにね。何となく、ここからDUSTがめちゃくちゃ伸びる状況も想像できないし」

オ「それがいいでしょう。…おや、予想通り、その直後、無事に約定してくれましたね。売りポジションを示す赤三角形が無事消失し、『本日市場終了後、DUSTを100株37ドルで買わされる』という義務から解放されました。証拠金として拘束されていた3700ドルも無事に手元に戻ってきましたね。

 

 

   先ほどの計算どおり、今回のDUST取引全体では、約1万円の損失です」



ス「ま、その後の値動きから考えて、この買い取引は、あの時点からの決断としては非常に素晴らしいものだったと言えるんだけど、全体を振り返ってみたら今回のDUST取引、極めてクソみたいな結果になりました。でもまぁ、それなりに楽しくいい経験だったね。
   改めて、やっぱり、適当の思いつきで飛びついたギャンブルってのは、不思議なぐらい上手くいかないものだなぁ…」

オ「DUSTではなくブルETFのNUGTのプットを売却していれば、結果は真逆だったのに残念ですね」

ス「そういやそうだね。昨日は兄弟銘柄だからどっちを選んでも同じと深く考えずにいたけど、当たり前だけど結果は真逆になるのか。
   NUGTの週1オプションが普通に存在さえしていれば、多分『NUGTの方が通算損益がプラスに近いから、これをプラスにして見栄えが良くなるよう、NUGTのプットを売ろう』とかいうつまらん理由で間違いなくNUGTを選択していたと思うので、実に不運でした。
   まぁ、たまたま今週に限って株式併合直後という理由でNUGTオプションが取り扱われていなかった点も含め、そういう運命だったんでしょう。最近ずっと上がり続けていたDUSTが、今日という日に限って大きく下がったのもね」

オ「そもそも本日はFOMCや雇用統計の発表の後でしたから、その結果に大きく影響を受け得る金鉱株が大きく動くのは、半ば必然だったのかもしれませんね」

ス「やはり全く考えなしじゃなくて、政治や国内国外情勢にも目を向けなくちゃいけないということだね。まぁ、僕は、政治経済には全くこれっぱかしも興味がないから、深く目を向けることは今後もないと思うけどね。でも、せめて存在を意識しておくのは大切そうだ」

オ「興味ないことを避けて、ひたすら楽しているだけでは、市場で利益を上げ続けることは難しいということですね」


(参考: DUSTの通常取引終了時点のオプション板。プットを買い戻した瞬間がそれ以降のほぼ最高値であったというラッキーな感じでした)



 

 




オ「本命株・NYMXは、予想通りくすぶっていますね。最後の最後なぜか前日比1セントプラスに上がりましたが、日中はずっとマイナスでした」

 



ス「これは期待通りだ。来週頭にコールを買い増しかな?」


オ「ついに購入済みコールの満期を迎えてしまったNVDAですが、最後まで大きく伸びることはなく(こちらも日中ずっとマイナスだったのが、市場終了直前に+1セントに)、全く惜しくもなく全てが紙くず化しました」

 



ス「触れるまでもないね」


オ「NVDAは完全なる大失敗、DUSTのプット売りも全くの失敗で終わり、いい所なしの日が続いていますね」

ス「難しいもんだねぇ…。ま、来週は火曜日市場終了後にNVDA決算と、どこかで日程未定のNYMX電話会議があるはずだから、それだけで十分楽しめそうだね」

オ「無謀な取引をせず、しっかり戦略立てて取引を行うのも大切ですが、楽しんで取引を続けるのもまたそれ以上に大切かもしれませんね。来週はいい週にできるように頑張りましょう」