スライム「月が替わったというのに市場は冴えなかったね」


オプーナ「別に月が替わったら市場が冴えるというものでもないで、そういうこともあるとしか言えないでしょうが、全体的に重い雰囲気でした」


ス「期待していたNVDAも冴えないスタートだったからね、また今後に備えて、何かの参考に、爆上げバイオのニュースを見ておくという現実逃避をしておこう」


オ「本日は、米国市場値上がり率ランキング1位も2位もバイオでしたが、トップのCYCC (Cyclacel Pharmaceuticals) はオプションも扱われていない小規模株でしたので、次点のNVCR (NovoCure) に注目してみることにしましょう」


ス「朝一で配信されていた記事…を読もうと思ってちょっと読み進めていたんだけど、お昼過ぎにMotley Foolからも記事が配信されていたから、やっぱりそちらを読んでおくとしよう」


----------
NVCR株が本日爆上げしているのは何でなんだぜ?
(https://www.fool.com/investing/2017/04/03/heres-why-novocure-ltd-is-skyrocketing-today.aspx)


【何が起きた?】


NVCR (NovoCure Ltd.) 株が、この医療機器会社がポジティブな臨床試験のアップデートを多数発表したことを受けて、月曜日午後12時15分の時点で、57%アップした。

 

 

【それでどうした?】


NVCRは、市場を興奮させた一連の臨床結果のアップデートを行った。


まず第一に、NVCRは、Panovaと名付けられたフェーズ2試験からのデータを報告した。この試験では、NVCRのOptuneデバイスと、進行膵臓がんに対する標準治療化学療法との併用が、化学療法単独と比べてどのような効果をもたらすか試験されていた。Panova試験により、現在利用されている治療法にOptuneを加えることで、無増悪生存期間と1年生存率が、2倍以上も向上することが示された。このデータは、NVCRがフェーズ3試験へ向かうことに青信号を灯すのには十分強力なものであった。


次に、NVCRは、悪性中皮腫の新しい治療法として、これまた標準化学療法とOptuneとの併用を研究しているStellarと名付けられた試験の中間データを発表した。1年生存率のデータは、Optuneと化学療法とを使用した患者において、過去の対照データと比較した場合、50%高くなるとうものであった。Stellar試験は進行中であり、最後の患者が最近登録された所だ。


その後、NVCRは、Innovateと名付けられたフェーズ2試験のデータを報告した。この試験は、再発性卵巣がんの潜在的治療法として、Optuneとpaclitaxel(商品名タキソール)との併用使用を試験していた。データは、併用療法の無増悪生存期間が、過去のデータの2倍以上であることを示した。フェーズ3試験の計画は、現在進行中である。


最後に、NVCRはEF-14という名の長期試験のデータも発表した。この695名の患者での試験は、脳がんの一種である、新たに診断されたグリア芽細胞腫の治療として、Optuneとtemozolomide(商品名テモダール)化学療法との併用使用の、長期的な効果を試験する形でデザインされていた。


EF-14試験のデータから、Optuneを標準治療化学療法に追加することにより、2年、3年、4年、および5年間の全生存率の改善がもたらされたことが示された。合計で、Optuneデバイスは、新たに診断されたグリア芽腫患者の全生存率を15か月から21か月へと上昇させ、これは統計的に有意な違いである。


より具体的には、Optuneと化学療法とを使用した患者は、2年生存率43%を示した。これは、化学療法のみを受けたグループで観察された30%と比較して、大変好ましいものである。5年生存率データもOptune/化学療法の併用は良い結果を示し、化学療法単独の5%と比較して、統計学的に有意な13%の生存率をもたらした。


EF-14の主任研究員であるDr. Roger Stuppは、プレスリリースで、Optuneに対して多くのポジティブなコメントを残した。彼は、『この試験が、他の多くのがんのタイプに対しても、従来の治療法との併用によく適しており、最小限の毒性しかない、がん治療に対する全く異なるアプローチを確立することにつながると確信しております』と述べた。


あまりにもおびただしい数の素晴らしい臨床データがあるんだから、NVCR株が本日急上昇している理由を理解するのは簡単だね。

 


【で、今は何が?】


NVCRは、過去数四半期にわたって、一貫して3桁の売上高成長を記録してきながら、この株はひどく残念な長期的なパフォーマンスを示してきた。実際、NVCRは、2015年10月のIPO以来、IHI(iSharesの米国医療機器ETF)によって示されている医療機器産業全体に、概して後れを取っているのである。


(NVCR対IHIのチャート、省略)


ありがたいことに、これらの臨床試験の全てのデータは、Optuneが、様々な種類のがんを治療する方法に革新的な影響を与える可能性を秘めていることを示唆している。米国だけで毎年何万人もの患者が卵巣がん、膵臓がん、固形がん、脳腫瘍で死亡していることを考慮すると、Optuneの潜在的な成長の滑走路は、巨大なものであり続けよう。見通しでは、2016年末現在、世界全体でOptuneを積極的に利用していたのは、わずか1091名の患者のみであった。


先のことを考えると、このEF-14試験の喜ばしいデータにより、医療従事者、患者、および保険会社が、Optuneを使用してカバーすることが容易になっていくであろう。これにより、NVCRの急激な売上高成長率を継続することが可能となろう。一方、Panova、Stellar、およびInnovateの各試験からのデータは、Optuneの、他のタイプのがんへの結びつけを拡大していきたいというNVCRの計画も、きっとうまくいくであろうことを示唆している。もしそうなるならば、本日の大きな飛躍が、まさに高い収益を上げる長期ランの始まりになる可能性はあるかもしれない。


----------

 

 

ス「バイオかと思っていたら、医薬品開発というよりむしろ医療機器メーカーだったんだね」


オ「日本語でも既にOptuneのサイトが存在していました。


オプチューンについて
(https://www.optune.com/japan)


   これによると、Optuneというのは、腫瘍電場治療と呼ばれる交流電場を発生させる装置のようですね」


ス「中々、面白そうではあるね。株価がどうなったか見ておこう」

 


【本日の最注目銘柄】


オ「一時的には米国市場トップの値上がり率を示していたのですが、徐々に勢いはかげり、最終的には37%アップという感じでしたね」

 

 


ス「結構有望そうだけど、やはり試験結果が良かった、というだけでは本格的な、信じられないレベルのアップはないのかもしれないね。何せ、『試験結果が良かった』だけでは、まだ全くお金を生み出すことが確定しているわけじゃないからね、具体的に新しい製品が認可されたり、開発のパートナーシップを結んだりしない限り、利益を生み出す存在たる企業というものの評価である株価には、中々結びつかないことが多いのかもしれないね…!」


オ「本日は途中から元気をなくしてしまいましたが、この先はどうなるでしょうか」


ス「この間の、同じくがん治療で非常に良い結果を出していたという感じだった気がするTGTXは、爆上げ後、伸び続けることはしなかったけれど落ちることなく粘っているからね、NVCRも、しばらくこの株価水準を維持しながら、次の報告を待つ、という感じになりそうだね。
   何せ、これだけの数の試験でポジティブだったということですから、さすがに即爆上げ前のレベルにまで暴落することはない気がするな」


オ「スライムさんの予想は外れるのがデフォルトですが、どうなるでしょうか。

 

   ちなみに、注目対象から外したCYCCは、こちらは伸び続けて、最終的に上昇率はNVCRにダブルスコアの、+74%をもマークしていました。市場終了後も、伸び続けていますね」

 


ス「中々やるね。オプションが取り扱われていないのが残念だ」


オ「特に毎日値動きを追うことはしませんが、しばらく横目で注目しておきましょう」

 

 

 

 

 

オ「本命株・NYMXは、まだ大きな動きはありませんね」

 


ス「次のニュースリリースまで『数週間』だからね。まだ1週間も経っちゃいないから。気長に待とう」


オ「短期コール買いに挑戦中のNVDAは、市場全体の冴えなさに引っ張られたのか、市場開始後30分程度で前日比マイナスに転落後、そのまま最後まで復帰することなく取引を終えています」

 


ス「あかんねぇ。また手が出なかったな。NVDAはテクニカル指標上、すこぶる調子がいいはずだから、満期までたっぷり時間もあるし、まだ待ってもいいかなと楽観視しているけど…。


…って、ああぁーー!…と驚くほどでもないけど、いつの間にか強気指標が全然減って、むしろ赤い弱気指標が優勢になっちょるー!!

 

 


…くっ、参考までに2-3週間前の、強気指標まみれだったテクニカルを貼り直しておくぞ!

 

 

(今日の画像とは違い長期間チャートですが、ほとんどの緑丸強気指標は、下部の日付表示にある通り、短期指標のものです)

 

…MACDとか、Williamsなんちゃらとか、お前ら一体何なんだよ、強気指標を掲げといて、いざ値動きが冴えなかったら、『いや、強気サインなんて出してませんでしたよ?』と言わんばかりに消えやがって!!やっぱテクニカルってクソだわ」


オ「何度も言っている通り、テクニカル指標はあくまでも統計に基づいた推測・展望でしかないですから、必ず当たるものでもないでしょう。
   しかし、こうとなれば、コール一点張りをする根拠というか拠り所がなくなってしまいましたね」


ス「ぐぬぬ…。市場も冴えなさそうだし、まだ下がりそうなら速やかにコール買いポジションを清算して、きちんとプットにも賭け直すか、あるいはしばらく様子見した方がいいかも分からんね…」


オ「手遅れになる前に手を打たねばなりませんね。明日以降、なるべく引っ張らずに決心をすることが大切になりそうです」


ス「しかし、ちょっと下がって、『いい加減決心だ!』と腹をくくってコールを売ったら、一気に反発回復して『ぐにゃあ~』となるのがオチくさいけど…。しかし、迷っていたら傷が深くなる一方だからね、素早い決断が要求されるのは間違いなさそうだ…」


オ「これまでの失敗を踏まえて、良い手を打てるよう頑張りましょう」