スライム「やはりアクマイト光線がヒットし、疑惑のバイオVRX (Valeant Pharmaceuticals International) は爆発死亡に近付いているようですね」


オプーナ「GO! GO! ACKMANはアクマイト光線を使う全身タイツコウモリ野郎とは違うと思いますが、それはともかく、Ackmanなる著名投資家が、所有する全VRX株式を大幅損切りで売り投げたということで、VRXは本日大下がりしていたようです」


ス「他に話題もないので、今日はそのニュースを見ておこうか」


オ「Barron'sが午前中に配信していた短い記事になります」


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Valeant: この世の終わりではない?
(http://blogs.barrons.com/stockstowatchtoday/2017/03/14/valeant-not-the-end-of-the-world/)


昨日の市場終了後、Bill Ackman率いるPershing Squareが、VRX (Valeant Pharmaceuticals International) の株式を売却し (http://blogs.barrons.com/focusonfunds/2017/03/13/valeant-pharmaceuticals-bill-ackman-is-officially-out/)、損失は数十億ドルにのぼると発表した。 大方の予想通り、VRXの株価は下落、下落、また下落である ―VRXの最大の支持者の損失が、Barron'sが2014年7月に読者へ向けて避けるよう警告していた特色ある製薬会社にとどめを刺したようだ。


しかし、本日の下落にもかかわらず、誰もがこれがVRXの終わりだと思っているわけではない。 StifelのAnnabel Samimy率いるチームは、Pershingの損切りをよそに、VRXの『バランスシートの強化 (http://blogs.barrons.com/incomeinvesting/2017/03/09/valeant-refinancing-billions-in-short-term-debt/) は見過ごすべきではない』と述べている。彼らの主張する所はこうだ:


『昨夜、VRX株の最大保有者であるPershing Squareは、2720万株の株式を売り出すこと、再選での2名の理事会席(Bill AckmanとStephen Fraidin)を譲り渡すこと、そしてAGN (Allergan) の入札失敗以来、公然となっていたVRXとのもつれた関係を終えることを明らかにした。VRXはそれ以来、経営陣を再建し、資産売却を追求して事業を簡素化し、バランスシートを強化し、成長資産と研究開発への投資を再集中させてきた。にもかかわらず、株価は引き続き下落しており、Ackmanは最終的に、数億ドルの投資だったVRX株から3億ドル程度(または資本の3%未満程度)の下落で、ついに降参し、減税策を取ることにしたのである。これは、長期ローン制度の再編に関する条項に同意し、2018年から2020年までの債務のかなりの部分をおさえる、債券出資の規模を拡張すること (http://blogs.barrons.com/incomeinvesting/2017/03/09/valeant-refinancing-billions-in-short-term-debt/) を示していたわずか1日後に、VRX株式に対する別の感情を与えてしまうことになるだろう。最も緊急であった債務満期の差し迫りは解消されているが、VRXには2018年初めまでに債務返済目標が残されており、その半分は依然としてキャッシュフローおよび追加の資産売却によって果たされるものであろう』


VRX株は本日午前10時17分時点で11%下落の10.82ドルであり、一方、かつてBarron'sのAndrew Baryが推奨していた、Ackmanのヘッジファンドの上場株式にあたるPSHZF (Pershing Square Holdings) は、0.5%下がって15.08ドルであった。


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ス「なんと、アックマンは最大株主で、そいつの全株売却だったのか…!これはさすがに大きなニュースだね。大幅下落もやむなしか」


オ「本日はどんな感じで取引を終えたのか、記録のために見ておきましょう」

 


【本日の最注目銘柄】


ス「というわけで本日の注目はまたまたVRXだ」


オ「市場終了時の5日チャートとオプション板になります」

 

 

 

 

ス「奇しくも、去年の全く同じ日(正確には明日15日)にも垂直落下をしていたようだね」

 

 

 


オ「2015年7月には、250ドル超えもしていたわけですが、2年と経たず、ついに1桁株価も待ったなしかの状況になってしまった形ですね」

 


ス「しかしこれ、2015年8月以降の右側半分を隠すと、永遠に上がるんじゃないかと思えるような素晴らしいチャートに見えるね。

   でも、これまでのニュースを見る限り、色々悪どいことをしての急成長だったようだからね、大没落もむべなるかな、という感じがしちゃうな。


…しかしアックマンも、今さら損切りって、ちょっと決断遅すぎるんとちゃいます?結局プロだって損切りは中々できないもんなんだね」


オ「しかし彼らは最大株主だったわけですから、そうやすやすと手離すわけにもいかないでしょう」


ス「フフ……へただなあ、アックマンくん。へたっぴさ……!損切りの仕方がへた…。
   僕ならそうだな、250ドルを超えた辺りで、恐らくもう天井は近いと睨みをつけ、損切りどころか全株利確していたでしょうね。
   伝説の投資モンスター、リカックマンと称され、永遠にその名を残していたことでしょう…」


オ「ここまで清々しい後出し結果論も中々ありませんね。そんな後出しジャンケンではなく、将来の実際の投資成績でお示し下さい」

 

 

 

 

 

 

オ「本日は全体的に市場は不調だったようですが、本命株・NYMXは…」


ス「昨日カバードコール売りしてみようか悩んでいたけれど、せっかくだから、55枚だけ売り注文を出してみることにしたよ。
…というのも、僕は来年満期のコールを55枚買いポジションで保有済みですからね、仮にグッドニュースで爆上げが来ても、その購入済みコールの値上がり分で、売りに出したコールがどんなに上がろうともきっちり全て買い戻すことが可能になるので、貴重な購入後1年経過した現物株に手を付ける必要はないことに気付いたのです。
   よって、このコール売りは爆上げに対するヘッジがかかっているという感じなので、安全に売ることができるということなのだ」


オ「買いポジションを示す緑三角形にマウスオーバーさせると保有数が表示されますが、55枚ですね」

 

 

ス「ま、そもそももう火水木金の3-4日しかないから、最低入札価格を提示しても売れない気もするんだけどね。物は試しだ」

 

 


オ「注文中を示す青い三角形が出ました。

 


…と、さくっと結果報告ですが、残念ながら時既に遅しで、金曜日までにNYMXが4ドルを超えると予想する人など最早おらず、誰も手を取ってくれませんでした。最後まで売れずに市場終了です」

 

 

ス「ま、別に問題なし。しかし、この理論で仮に大爆上げが来ても55枚までならコールを売るだけでよく、現物株を手離さずに済むと気付いたから、来月満期のコールを55枚売るのはいい案かもしれんね」


オ「上記市場終了後のオプション板画像に示した通り、来月満期のコールであれば、行使価格4ドルで、現状恐らく0.20ドル程度で売却が可能な状況です。55枚売却すれば、0.20 x 100 x 55=1100ドル程度ゲットですね」


ス「ええやん!どうせ来月になってもグッドニュースは来ない可能性が高いし、十万円ちょいゲットは魅力的だぞ」


オ「どれだけ株価が上がっても、売却するのは保有済みコールと同じ行使価格ですから、来年満期のコールの方が遥かに価格が高くなるので、その分で確実にカバーできるのが魅力ですね」


ス「なら100枚売ってもええんちゃうか?!来年満期のコールなら、来月満期のより2倍ぐらい高い値段がつくでしょう?現に今はそう(むしろ2倍どころじゃない高値に)なってるし」


オ「株価が大きく上がってディープインザマネーになったら、2倍で捌くのは厳しいでしょうね。例えば株価が今週10ドルになったら、来月満期のコールは恐らく6ドル後半から7ドルぐらいになるでしょうが、来年満期のものでも恐らくは高くて8ドル9ドル程度になるぐらいでしょう。

   そもそも今月中のニュースを期待する向きも多いようですし、どうするかはじっくりお考え下さい。

 


   さて、コールを売却したRADは、この不調な市場の中、突然の好調っぷりを見せていました。午後2時頃、昨日売却したばかりの行使価格である5ドルに、まさに届かんばかりです(というかホンの一瞬だけですが超えていました)」

 


ス「何やコイツ。…っていうか昨日見た真っ赤な弱気指標まみれのテクニカル分析は何だったんだよ!やっぱテクニカルってクソだわ」


オ「コールは本日売却した方が遥かに多くの利益を得られましたが、それは結果論ですね。しかし、焦って売ってしまって残念ではあるものの、カバードコール売りをしたとはいえ現物株を保有中のスライムさんとしては、RADが上がってくれることは実は非常にありがたいわけです」


ス「まぁそうだね。最高のパターンは、行使価格一歩手前の4.99ドルで終わって、権利行使されずに株価が上がった現物株が手元に残りながらコール売却代金丸儲け、ってのがベストだけど、別に権利行使されて手離すことになっても悪かぁないね。

   もうRADは見切りをつけて余力を別の所に使いたい気もするし」


オ「昨日0.09ドルでコールを売却したので、株価5ドル以上で現物株を手離すことになっても、5.09ドルまでであれば、コールの売却による利益は存在・コールを売って良かった、という形ですね。それ以上上がってしまったら、せっかく株価が大きく上がったのに高く売れなくて残念、という形になりますが、実際に損失を食らうわけではありません」


ス「でも、そういう機会損失的なものは、僕には普通に損失を食らったのと同じに思えるけど。ま、しかし、そんなみみっちい考えはせず、RADの上がりを願おう」


オ「そう言っていたら、本日は先ほどの瞬間をピークに、それ以上上がることはなく取引を終えたようです」

 

 

ス「でも、ピークから結構下げて、その後じわじわ上がる形で取引を終えたからね、これは良い動きでしょう」


オ「明日からも期待ですね。

 


…さて、問題の暴落期待でプットを買い付けたバイオ・TGTXですが、こちらは残念極まりない状況・またまた大幅アップです」

 


ス「くぅ~、残念、こいつぁもう完敗だ!!」


オ「おや?ちゃっかり売り注文を出されているようですが…」


ス「あぁこれはね、日中、株価が大きく上がり始めた時に、なぜか株価が上昇しているというのにプットの評価額が突然上がっていたんだ。


(午後1時半頃、行使価格9ドルプットが前日比プラスの緑色に)


…ボラが上がったからか?と思い、ひょっとしたら約定するかもしれないと思ったんで、念のため最低入札価格で売り注文を出したんですが、昨日のRAD同様、特に意味のない見せ球のAskだっただけなのか、当然約定などしなかった感じですね」


(注文直後)

 

オ「さすがに常識的に考えて、もう行使価格9ドルは厳しいでしょうね。言うまでもなく行使価格7.5ドルはそれ以上に終わっています。またまた紙くず化がほぼ確定、この度は誠にご愁傷様でした」


ス「まぁギャンブル投資だしね。惨敗もしゃあない」

 


オ「最後になおも注目中のNVDAは、市場の重い空気に引っ張られたのか、昨日のアップは続かず、本日は冴えない感じでした」

 

 

ス「ふーむ。ま、正直、最近こんなのばっかだったから、今日は下がると思ってたけどね。しかし近い内また大きく回復のターンに入りそうな気はするから、本格的に復活する前に再エントリーしたくはあるね。TGTXは失敗しましたが、こうなりゃNYMXのカバードコール売り再戦で余力を増やす手もあるか…?
…しかし、NVDAがベストの投資先かというと、そうでもない気がしてきちゃったな。むしろ、TGTXのプットに満期延長で再エントリーしちゃったり…?!」

 

オ「正解は誰にも分かりませんから、じっくりお考え下さい。欲張らず、焦らず引っ張らず、の精神が大切ですね」