相殺ポジション・ストラドルルールの章の続きで、個人的に極めて重要なカバードコール売りについての章です。
とりあえず、資金繰りのためにこないだ売ってしまった大量のカバードコールが、対象現物株の保有期間リセットにつながらないといいのですが…。制度はどうなっているのでしょうか。

(その8:税金ストラドル・ルール / その10:特別ルール

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税と投資~個人投資家へのガイド~
(http://www.optionseducation.org/content/dam/oic/documents/literature/files/taxes-and-investing.pdf)

適格カバードコール
上述の税金ストラドルルールは、株式と、その株に関連する『適格カバードコール』ポジションとから成るポジションの組合わせには適用されない。しかしこの例外は、これらのポジションが、税金ストラドルを構成するポジションの、より大きな組合わせの一部である場合、例外適用外となる。

『適格カバードコール』とは、投資家が保有する株式(またはオプション売却『と関連して』投資家が取得した株式)に対して売却されたコールオプションのことである。適格条項を得るために、コールオプションは、一般的に取引所で取引されておらねばならないが、若干の店頭取引オプションでも適格となることがある。

そのコールオプションは、売却時点で満期まで31日以上有していなければならず、また、行使価格が『ディープインザマネー』であってはならない。様々な特別ルール(後述)の下、行使価格が、オプションが売却された前日の終値を下回る中で、一番最初にある行使価格(※インザマネーの内、最高行使価格ということですね)よりも低い場合、この条件において、そのオプションは、ディープインザマネーである。同程度の価格の株に対する様々なリスト化されたオプションの中には、異なる行使価格の間隔(例えば、0.50ドル、1ドル、2.50ドルまたは5ドル)が存在し得るので、利用可能な行使価格の間隔を知っておくことは重要である。特別ルール(後ほど登場)は、長期間コールであり、かつ25ドル以下の行使価格のコールに適用される。

満期までの期間が90日を超え、かつ行使価格が50ドルを超えるオプションを売却する場合、そのコールは、前日の終値から数えて2番目の行使価格を下回らない行使価格でなくてはいけない。しかし、もし株価が150ドル以下の場合、適格コールは、10ドルより大きい『インザマネー』であってもならない。つまり、行使価格が、前日の株価終値より10ドルを超えて下回ってはいけないということだ。別の特別ルールの下では、前日の株式終値が25ドル以下であれば、行使価格はその株価の少なくとも85%でなければならない。結果として、行使価格が前日の終値の85%以上でない限り、前日の終値の1つ下の行使価格であっても、『ディープインザマネー』となる。米国の取引所取引オプションは、限られた数の非常に安価な株式に対して、0.50ドルの行使価格間隔で取引きされている。株価が25ドル以下の株に関する適格カバードコールの表については、付録Iを参照のこと。

いかなる場合でも、オプションが売却された日の株式始値が前日の終値の110%を超える場合、その始値が、適格カバードコールの最低許容価格を決定するための上記ルールに適用される形で、前日の終値と置き換えられる。以下の表は、カバードコール売りの際に、どのオプションが適格カバードコールであるのかを判断するのに役立つであろう:


適格カバードコール

前日の株価終値*

行使価格の最低許容額**

25ドル以下
満期まで31日以上
前日の株価終値の1つ下の行使価格
(行使価格が株価の85%未満の場合、
インザマネーの適格カバードコールは存在しない)
25.01ドル~50ドル
満期まで31日以上
前日の株価終値の1つ下の行使価格
50.01ドル~150ドル
満期まで31-90日
前日の株価終値の1つ下の行使価格
50.01ドル~150ドル
満期まで91日以上
行使価格が50ドルより大きい範囲である限り、
前日の株価終値の2つ下の行使価格
(ただし、10ドルより大きくインザマネーにならない)
150ドルより大
満期まで31-90日
前日の株価終値の1つ下の行使価格
150ドルより大
満期まで91日以上
前日の株価終値の2つ下の行使価格

*  オプションが売却された日の始値が前日の終値より+10%を超えている場合は、その始値が最低許容行使価格の決定に使用される。
** カバードコールが『適格』であるかどうかは、以下に説明する特定の特別ルールの対象となる。


12か月より長い期間のオプションに適用されるさらなる要件は、24ページを参照のこと。

例:
XYZ社の株式を2014年9月3日に1株あたり61ドルで購入、同日にカバードコールを売却。XYZ社は2014年9月2日、1株あたり61ドルで取引を終えていた。
→行使価格が60ドルのコールが、31-90日先の満期のコールの内、唯一インザマネーで適格カバードコールとして売却可能となる。行使価格の間隔が5ドルとすると、行使価格55ドルまたは60ドルのコールは、91日以上先の満期のコールであれば売却可能である。もしXYZ社に2.50ドルの間隔の行使価格が存在する場合は、57.50ドルまたは60ドルの行使価格の適格カバードコールが売却可能である。

例:
今度は、XYZ社の株式を、前日の終値であった1株あたり114ドルで購入したと仮定する。
行使価格が110ドルのコールは、行使価格の間隔が5ドルであると仮定すると、売却可能な唯一の31-90日満期・インザマネー適格カバードコールである。満期まで91日以上の適格カバードコールは、105ドルまたは110ドルで売却可能である(改めて、5ドル間隔の行使価格を前提)。

例:
XYZ社株の前日の終値が1株11.80ドルであった場合、行使価格の間隔が2.50ドルであると仮定すると(付録I参照)、インザマネーの適格コールは存在しない。なぜならば、行使価格は株価の少なくとも85%でなければならないからである(行使価格10ドルは、11.80ドルの85%未満である)。しかし、もし1ドル間隔の行使価格が存在するならば、行使価格11ドルが適格カバードコールとして売却可能である。


たとえ株価/行使価格のルールが満たされていても、そのオプションが売却された時点でその投資家によって保有されている、またはその投資家によってオプションの供与『と関連して』取得された株を購入するためのものでない限り、コールは適格とはならない。例えば、2014年10月12日に売却されたコールは、対象の株が2014年10月18日に購入されたものである場合、適格とはならない。

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…おいおい異常に細かいな、行使価格に満期までの期間に前日株価にと、ひたすら条件があって細かすぎるけど大丈夫か…?と思いましたが、本命株・NYMXでこないだ大量に売却したのはアウトオブザマネーのコール(かつ12月末に2月満期のを売ったので期間もOK)だったので、特に細かい条件を気にせずともこれは恐らく適格扱い、したがってストラドルルールなどの対象にはならず、保有期間のリセットにはつながらない(はず)と思います。

 

まだ特別ルールやらあるようですが、どうもここまで読んだ限りでは、目の敵にされていて適格外の対象となるのはインザマネーオプションだけのようで、アウトオブザマネー売りは基本セーフな感じがしますね。
インザマネーコールはアウトオブザマネーより非常に高価であり、高値で売却→時間経過後、満期直前辺りに安くなったコールを買い戻して利益ゲット&現物ポジション維持、というサイクルをさせないためのものでしょうか。
一応インザマネーコールにだって相当の機会損失のリスクはありますし、インザマネーであるというだけでなぜそこまで差別されねばならないのか分かりませんが、個人的にはインザマネーコールを売ることはないと思うので、まぁ別にいっか、という感じです。

次回はその特別ルールについてのようです。