(※7/11追記: 続きの記事はこちら。また、本記事内で新薬承認に関して誤りがあったので訂正しておきました)

 

アメリカは独立記念日だったということで、買収されずに独立したまま大きく成長を続けたバイオ企業の株価推移をおさらいして、近い内に株価爆発を期待している本命株NYMXが上がった時にどのように対処をすればいいか心の準備をしておこう、という企画です。

 

 

今回取り上げるのは、こないだCPXXという製薬企業を買収したJAZZです。
Jazz製薬とかいうふざけた名前ですが、2007年にNASDAQで取引が始まったばかりのかなり新しい企業(設立は2003年)であるにもかかわらず、既に企業買収が出来るほどの規模、中堅~準大手と言えるぐらいにはなっている製薬企業です(時価総額を比較すると、日本では大正製薬と大日本住友製薬のちょうど間ぐらいの規模のようです)。

 

 

さて早速株価の推移を振り返っていきましょう。

 

JAZZは、2007年6月1日に、17.5ドルをつけて株取引がスタートしました。この日の最高値は18ドル、最安値は16.9ドル、出来高は138万4800取引で、終値は17.73ドルでした。
以下グラフは、ローソク足と右軸が株価で、棒グラフと左軸が出来高となっています。

 

 

 

 

さぁ、この日から現在まで約9年間、今のところ大成功したといっても過言ではないJAZZ、一体この後どのような旅路が待ち構えているのでしょうかっ!?

 

 

 

 

初日の取引を終えた後、最初の1か月の値動きはこのような感じでした。

 

 

 

あぁーっとJAZZ、一度も初日の最高値を超えることなくほぼ1か月間だだ下がりだぁーーーっっ!!これはいけませーーん、典型的な上場ゴール企業となってしまうのかぁーーっ!?

 

 

 

 


…しかし我々はJAZZが大成長を遂げることを既に知っています、ここからの値動き、刮目して見てみましょう!!

 

 

…おっ?均衡を保ちつつ、この後爆発するのか?

 

 

 

 

爆発来いっ!!

 

 

…おおっと?!…はいはいはい、上髭のついた陰線がうんたらかんたらで、この後爆上げね、よくあるよくある。知ってる知ってる。

 

 

 

 

 

 

…さぁ、どう出るッ?!!9月末まで、続きを一気に公開だっ!!

 

 

 

…って、ぐえぇーー、何だこりゃあぁ!!本当に大丈夫なのかJAZZ、どう見ても下がり続けるパターンにしか見えんぞコレェーーっ!!
しかし何故か9月最終日には妙に取引高が上がっていますからね、明日以降に期待です!

 

 

 

 

 

さぁ、上場初年度の第4四半期初日、10月1日はどう出るっ!?

 

 

ほらほらぁ~っ!!11.2ドルから13.07ドルへと、14%ものアップじゃないですかぁ~!!

もしも2007年当時、夢の中の神のお告げで『(JAZZは来るぞよ…)』という予言を聞いていたら、間違いなくこの日、思いっきり手を出していたことでしょう!

 

 

 

 

 

…さぁ、行け、行け、上がれぇ~っ!!

 

 


…っしゃオラァーーっっ!!上昇っ!上昇ッッ!!もうすぐに取引開始以来の最高値18ドル更新も目の前だっ!!このまま行っけーー!!

 

 

 

 

 

 

ここから年も明けて1月末分までを、ハイ一気っ!一気っ!

 


…って、あれ??ちょっと一休みですかね?そう、これは爆発前の溜めの段階、待ちガイルってやつですよ。ハイ次に期待ーー。

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、あれ……??

 

 

 

 

 

 

 

 

あ、あぁ……(ぐにゃあ~ 画像略)


…いや待て待て、JAZZだから!JAZZなんだってば!!絶対この後爆上げするから、信じて全力で買えって!!私未来人ですけど、株価3ケタ余裕で行きますからっっッ!!!

 

 

 

 

 

 

気を取り直して8月だ、Jazzと言えば夏、夏と言えばJazz、これ常識っしょ?!

 

 

ほらっ!来たぞコレ!!
…って、あれ?右軸の最高値が、これまでの半分の9ドルになってるぞ…。これはもしや…。

 

 

 

 

 

 

 

 

…ぐあぁーーっっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

…ぬわぁーーーっっ!!

 

 

 

 

 

 

 

ギエピーーッッ!!!

 

…ま、待て待て、もう株価は1ドル台だ、これ以上下がったら倒産待ったなしだからね、JAZZは絶対成功するから、ここは誰がどう考えても全力で投資する段階だっ!!

 

「株価の上げに期待する」「買い煽りで周りを勇気付ける」
「両方」やらなくっちゃあならないってのが 「投資家」のつらいところだな
覚悟はいいか? オレはできてる

 

 

 

 

 

 

Jazzの爆発は2009年から!Jazzはまだ本気出してないだけ…。年も明けたし、今年から本気出す。

 

 

…クッ…。右軸の最大値は見ない振りだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

ククク…(笑い声ではなく呻き声)。まさか1ドル割れとは、嘘だといってよ、バーニィ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

(ガタンッ)…来たかっ!!

 

 

 

 

 

 

 

…来てなかった…。もうダメだ、きっと掲示板なんかでは『ジャズ川ファー児wwwww』とかいう煽りで溢れ返っているんだろう…。


多分大成長を遂げるJAZZは、この会社じゃなくて実はJAZOOだったとか、きっとそういう見間違いだったというオチなんだ……。

 

 

 

 

 

 

 

でもやっぱりそんなはずはない!!JAZZ上がるもん!メイ見たもん!!

 

 


…こ、これはっ!?ひょっとして?!

 

 

 

 

 

 

 

 

キターーー!!!
1844万取引という凄まじい出来高とともに、1日で3倍!3倍ッッ!!

 

…長い前置きだったけど、ここからです!
NYMXは3倍にまではなっていませんが、一度(のみならず何度か)大暴落を経験して、しばらくずーっと死亡状態をさまよって、ついにこないだ、奇しくも同じ6月にニュースが来て大幅アップ、そこまではそっくりなのです!この後どうなるかが知りたいのです!!

 

 

 

 

 

ふむふむ、爆上げ後2日はジワリと下がってしまったものの…

 

 

 

 

 

 

また大きくアップ!

 

 

 

 

 

 

その後7営業日ほど均衡状態な感じでいるものの…

 

 

 

 

 


また30%以上のアップ!そしてまたジワリと下がってしまっていますが、重要なポイントは、均衡状態でじわじわ下がることはあっても、6月10日の大ジャンプの終値を割ることはもうなくなった、ということでしょうか。


今後は、微小な動きを繰り返し、たまにピョンとジャンプしてその後そこをベースラインとしてジワジワ上っていく、という感じになるのではないかと予想します。

 

 

次の月に行く前に、6月10日に何があったのかおさらいしておきましょう。
http://www.marketwatch.com/story/jazz-pharma-rockets-ahead-of-data-release
幸い当日簡単にレポートされたニュースが残っていましたが、線維筋痛 (fibromyalgia) に対する薬・JZP-6のフェーズIIIの複数の臨床データが、6月10~12日に、2つの学会で報告される、そしてJAZZは2009年の終わりまでに(かなり早いですね)製品の承認を得ることを望んでいる、というポジティブなニュースが流れたことを受けての株価アップだったようです。

10日に上がって、週明けにまた上がったのは、最後の学会の報告もかなり良かったものだったのかもしれないですね。

 

NYMXもフェーズIIIに入っている薬があるわけですが、まだ承認が得られるうんぬんの具体的なニュースは流れていないので(掲示板では多くの人がそれを期待しているわけですが)、もしそれが流れたら、まさに同じように3倍アップも夢じゃないかもしれません。

 

ちなみに、この6月10日を境にMessage Boardには溢れんばかりの書き込みが殺到していました。ほとんど見ていませんが、後学のためにどんな風説の流布やら役に立ちそうな情報やらが流れていたのか見てみるのも面白そうです。

 

 


さてチャートの続き、7月の値動きです。

 

 

最後の1週間になるまで、ほぼ丸3週間、4ドル前後をうろうろしていましたが…

 

 

 

 

 

最終週月曜に、またピョンと上がってくれました。これで6ドル超えです。

 

7/27のニュースは特に見つかりませんでしたが、Message Boardではまた突如として大量の書き込みが溢れ始めており、『買収来たか?』『早期承認来たか?』『パートナーシップ?』等々情報が錯綜していたものの、結局よく理由は分かりませんでした。

 

なおこの日、『今週中に絶対に10ドルまで行く!!』という書き込みも大量にありましたが、チャートをご覧になれば分かる通り全く外れでした。さすがに根拠のない希望的な予想は、沢山あろうとも当たらないものですね…。

 

 

 


さて月が変わり、8月です。

 


ジワジワと、少しずつながら上がってきています。もし自分が今のNYMXのように当時のJAZZに惚れ込んでいたら、余力が出来次第全力でコールオプションを買っているかと思いますが、これを見ていると、一気に爆上げは中々してくれないようで、今さらながら期限のあるコール買いは多少危険だったかもしれません。
…大人しく現物を買った方がよかったかもなぁ、と、既にそれなりにコールを買ってしまった後ですが若干不安になってきました。

 

 

 

 

そして9月…

 

 

引き続き微弱な値動きの後、9月4日、久々に30%超アップで、株価はとうとう9ドル超えです。
この日も特にニュースはなく、Message Boardを見ると、前日に、インサイダーによる大量の自社株買いが判明したことが契機になったのかな、と思います。


この日の書き込みでたまたま目に付いたのが、『2009年中に確実に35ドルは行く!!』というものでしたが、果たしてそこまで上がるのでしょうか…?自分がホルダーであれば、もの凄く信じたくなる言葉ですが…。

 

 


…しかしそんな期待も空しく、9月は一瞬10ドルを超えたもののその後はまた行ったり来たり…。

 

 

…むしろ何だか下旬からは下落傾向にある気がしてなりません。

 

 

 


さぁ10月だ、勝負の第4四半期だ!と言いたいところですが…

 

 


意外なほど冴えません。中旬以降徐々に徐々に下がってきて、いつの間にやらまた6ドル台に逆戻りです。


…これ、チャートを見れば一瞬なんですけど、かなり期待を胸に毎日爆上げを待ち望んでいるのにジリジリと下がり続けるのって、反動から来るガッカリ感は結構想像を絶するものがあると思います。

 

 

 

月が替わり11月になりましたが…

 

 

なんだか冴えません。一言で言って、つまらん値動きです。

…しかし、JAZZは6月に、『今年中に薬の承認を得たい』と言っていたのです、今年っていうのはもうあと1か月だ、すなわち12月は絶対爆上げだ!!と、自分なら強くそう思うように思います。

 

 

 

 

 

さぁ、暴落後にJAZZにエントリーした投資家にとっては素晴らしい年だったはずの2009年、最後の月は…

 


…あぁ、冴えない…。どうやら、2009年中の薬の承認は間に合わなかったようです。

 

 

 

 

…と、引っ張るような話でもないし、チャートを見ればその後どうなるかは明らかなんですが、ちょっと長くなってしまったのでここから先はまた次回に続く、という形にしようかと思います。

 

ちなみにJZP-6の承認の話は、結局来年の10月までかかったようです

※追記: 実は誤りでした。続きの記事で触れています。

しかも、今チラッと見た限り、承認のニュースが流れても、株価はその日全然上がった気配が無かったです。

 

…JAZZがグングン伸びていくのは、そこからしばらくしてから、という感じですね。
一体何があったんでしょうね?まだ調べていないので不明です。

 


しかし、今回の値動きを振り返ると、3倍ジャンプが2009年6月にあったとはいえ、それから半年が過ぎたこの時点で、実は未だに取引開始時点の半分以下の株価でくすぶっているとも言える状況なんですよね。

つまり、最初からのホルダーにとっては、上場以来2年以上が経過したこの時点でも、JAZZはクソ企業だ、という感じで失望真っ只中だったという感じでしょうか(恐らくほぼ大半の人が、1ドル2ドルになった時点でとっくに投げ捨てていたことと思いますが…)。

 

しかし、何の偶然か、実はNYMXの現在株価(3.33ドル)は、まさに取引開始時点(6.50ドル)の半分程度と、この時のJAZZと同じ状況だったりもします。


ちなみにNYMXの取引開始は1997年12月22日のことでした。

'97年なので今とは全然時代が違うとはいえ、JAZZと比較して1/3程の株価でのスタートでしかなかったので、今後JAZZと同じように上がっていくわけではないかもしれません。やはりJAZZは、元々上場段階でそれなりに期待されていた体力のある企業だからこそ、ここから先の大飛躍につながったのかもしれないですね。


でもやっぱり、ホルダーとしては、JAZZと似たような道を、10倍速ぐらいで歩んでくれることを、俄然期待してしまいます。

 

…しかし全く同じように6月に結構なジャンプがあったのに、結果的に大成功しているJAZZでさえこの年は最後まで大したことなく終わっているのを見ると、やはりどんなに素晴らしい商品を抱えていても製薬企業が成長するには時間がかかるものなのかなぁ、と思えてしまいます。

8月満期のアウトオブザマネーのコールを買ってしまったので、NYMXは早い所爆発してくれるといいのですが…。

 

ちなみにネタバレですが、JAZZは最高で195ドルまでいき、現在は141ドルぐらいで取引きされています。

 

 

あともう1つまとめとして、上でも同じことをチョロッと書きましたが、チャートを見て振り返れば本当に一瞬のことですが、実際株を保有して待つとなると、特に株価が2ドル1ドルを割ってから大ジャンプまでのくすぶり期間は、本当に、本っ当~に長かったことと思います。

 

しかも実際に上がる保証などどこにもない状況で、このダダ下がり続けて果ては1ドル未満、倒産待ったなしの状況の株を抱え続けるのは、よっぽどじゃない限りこれを耐え忍ぶのは苦行を通り越して不可能なのではないかと思えるほどですね。

 

 


…というわけで、以上、大化け銘柄JAZZの株価を振り返る前半戦、やはり今回一番分かったことは、未来が分かっているという状況でさえもベストなタイミングでエントリーすることなど土台無理な話だったので、実際に未来を見越して完璧なタイミングで売買するなどほぼ不可能であり、ある程度の所で上手く見切りをつけなければいけないのかな、という感じだった気がします。

 

次回はこの続きから、本格的な値上がりはどうだったのかを、またシミュレーションしてみようかと思っています。