スライム「とうとうオプションの満期日を迎えてしまったよ。既に勝敗は決しているも同然だから、正直もはや全く気にならないレベルだけど、一応、SRPTのオプション板はどんな具合だい?」

 

オプーナ「スライムさんは行使価格19のコール売り1枚と、行使価格15.5のプット買い6枚を取引きしたんでしたナ。


   こちらは金曜午前中のオプション板ですが、恐らくコールはインザマネーで終わって権利が行使され、プットはまず間違いなくディープアウトオブザマネーで紙くずのまま終わる、といった感じでしょう」

 


ス「まさに、最悪のパターンだね」

 

オ「プットオプションは、ほぼ全てのアウトオブザマネーの品目で、Bid 0.00に対して、Askには最小値の0.05の注文が入っていますね。『紙くずで終わるぐらいなら、最安値でもいいから売りたい』という落ち武者どもの最後の悪あがきですナ。

   しかし、今日その行使価格未満まで下落しない限り無意味な商品ですからね、まず間違いなく誰にも買われることはないでしょう」

 

ス「万一売れたとして、1枚あたり5ドル…。紙くずが便所の紙になるぐらいだね。こんな些細なもののために、『あわよくば』と悪あがきして注文を入れる…やれやれ、人間どんなに落ちぶれても、そんな醜い行動だけは取りたくないものだね」

 

オ「スライムさん、オプション板…!注文中を示す青い三角形、見えてますよ…!」

 

ス「秘書が勝手にやったことであり、私は知らない」

 

オ「…。まぁ良いでしょう、しかし残念ながら、時間が経ち市場は閉まりましたが、案の定、無情にも1枚も売れませんでした」

 

ス「…分かっていたことですよ。では、コールオプションの方はどうなりまして?」

 

オ「本日の終値は19.95、スライムさんの売ったコールの行使価格19より上なので、自動的に権利が行使されることとなり、スライムさんはSRPT100株を19ドルで売ることになりました。
…おめでとう、1900ドル、約20万円ゲットです!コングラッチュレーションズ!!(パチパチパチ)」

 

ス「ありがとう!ありがとう!!(ワーワー)
……って、ただ持ってた株を売っただけじゃないですか!!何が『オプション取引で20万円ゲット!』だ、釣りタイトルも程々にしろっ!!
…僕はプット買いで930ドル使ってそれを丸々損してるからね、『30万円使って20万円ゲット』でしかないじゃないですか!微妙にウソは言っていないあたり、胡散臭い迷惑メールより迷惑だよっ!然るべき所に訴えるぞっっ!!」

 

オ「まぁまぁ、大事なのはいつだって『これから』ですよ。過去にいくら使ったか知りませんが、現にスライムさんの手元には20万円戻ってくるわけです。これをこの先どう使っていくか考える、それが最も建設的なあり方と言えるんじゃないですかナ?」

 

ス「確かにそうだね(ケロリ)。昨日も言ってた通り、SRPTのプットを買うのは、結構いい戦略なんじゃないかと思ってるんですが、その辺はどうでっしゃろ?」

 

オ「オプション板をいくつか見てみましょう。金曜お昼頃の、1, 2, 3週間後、それから7, 8, 11月の板を順にお示しします」

 

6月17日満期

 

6月24日満期

 

7月1日満期

 

7月第3金曜満期

 

8月第3金曜満期

 

11月第3金曜満期


ス「むむむ、こないだのニュース記事では、FDAがリクエストした試験の結果が出るのは2-3か月ぐらい先ではないか、って言われていたからね、やっぱりせめて最低2か月は時間が欲しいところだけど、11月のプットはさすがに高いなぁ…!8月でも正直躊躇してしまうぐらいだけど…」

 

オ「2-3週間後のプットは、安いとは言えないまでも、それと比べれば手は出しやすいですナ。しかし、期限内に株価が暴落して利益が得られる確率も、それに応じて低いと言わざるを得ないでしょうナ…」

 

ス「上手いことできてるね。う~ん、考えても分からん!月曜まで保留だ!!」

 

オ「SRPTの損失を取り戻したい気持ちも分かりますが、あえてこればかりにこだわるのではなく、もっと他の投資先に目を向けてみるのも大切かもしれませんナ。常に『今自分が取れるベストな選択』を取っていくことが重要でしょう…」

 

ス「そう言われましても、正直僕のような弱小モンスターがベストな結果を選んでいけるとは思えませんけど」

 

オ「それは結果論であって、ベストな選択が必ずしもベストな結果になるというわけではない、というのは、半ば当然であり仕方ないでしょう。 そもそも私は『ベストな結果を取るべき』とは言っていませんよ。
   私が言いたいのは、損失を取り戻したいという気持ちにとらわれるあまり、あえて他の選択肢に一切目を向けず、自分が損を出した銘柄の赤字をなくすことを優先してしまうのはいけない、ということです。

   どうでもいいこだわりは捨てて、今できる最善の選択をするようにしよう、という、当たり前だけど実際は中々難しい心がけを忘れないように、ということですナ」

 

ス「ふ~ん、よく分からんけど、じゃあ他の選択肢にも目が向くよう鋭意努力する方向で善処するよ」

 

オ「何だか中身の伴わない軽い言葉ですナ…」

 

 

 

【暴騰暴落銘柄推移表】

銘柄 業種 登場日 登場日の株価(前日比) 登場~本日までの値幅 本日の株価(前日比)
GBSN (Great Basin Scientific) バイオ 5/18

↑3.65

(110.98%)

1.63-3.65

↓1.74

(-4.92%)

CLRB (Cellectar Biosciences) バイオ 5/20

↑3.45

(228.57%)

3.00-4.07

↓3.29

(-4.36%)

INNL (Innocoll Holdings) バイオ 5/25

↑10.51

(47.82%)

9.60-11.94

↑11.60

(1.31%)

EBIO (Eleven Biotherapeutics) バイオ

6/2

↑1.78

(34.85%)

1.69-2.15

↑1.87

(11.31%)

LBIO (Lion Biotechnologies) バイオ

6/3

↑8.65

(43.45%)

7.61-8.65

↓7.61

(-3.91%)

HMNY (Helios and Matheson Analytics) IT

6/6

↑7.22

(549.16%)

7.22-13.75

↓9.29

(-16.31%)

CALI (China Auto Logistic) 自動車販売

6/7

↑2.48

(136.19%)

1.85-2.48

↑2.02

(9.19%)

BSPM (Biostar Pharmaceuticals) バイオ

6/8

↑4.12

(200.75%)

3.33-4.12

↑3.92

(17.72%)

JAGX (Jaguar Animal Health) バイオ

6/9

↑2.23

(68.94%)

2.01-2.23

↓2.01

(-13.73%)

SPHS (Sophiris Bio) バイオ

6/10

↑1.98

(69.23%)

- -
SDR (SandRidge Mississippian Trust II) オイルガス 5/17

↓1.47

(-20.97%)

1.42-1.83

↓1.74

(-3.33%)

NERV (Minerva Neurosciences) バイオ

5/23

 

5/26

↓4.02

(-17.45%)

↑11.80

(233.33%)

3.54-14.33

↓10.09

(-1.94%)

IONS (Ionis Pharmaceuticals) バイオ 5/26

↓21.36

(-39.42%)

21.36-24.29

↑21.75

(1.40%)

HERO (Hercules Offshore) オイルガス 5/27

↓1.02

(-47.42%)

1.02-1.99

↓1.27

(-4.51%)

DNAI (ProNAi Therapeutics) バイオ 6/6

↓2.07

(-67.55%)

1.99-2.07

↓1.99

(-3.40%)

DRYS (DryShips) 輸送 6/7

↓1.29

(-45.34%)

1.16-1.29

↓1.16

(-6.45%)

FCSC (Fibrocell Science) バイオ 6/8

↓1.26

(-36.68%)

1.17-1.26

↓1.17

(-5.65%)

BLPH (Bellerophon Therapeutics) バイオ 6/10

↓2.27

(-24.58%)

-

-

 

ス「本日もトップはバイオ、SPHSだって。何だか似たような名前の有象無象が次から次へと湧いてくるね。もう覚えきれないや」

 

オ「何をおっしゃいますスライムさん、そこはスライムさんにとって最重要会社じゃないですか!!」

 

ス「な、なんだってー!?…って、どういうことだってばよ?」

 

オ「スライムさんの本命投資先NYMXは前立腺がんの薬を開発中です。そしてSPHSも、前立腺がんの薬を開発中、つまりバリバリのライバル会社なんですよ!!」

 

ス「な、なんだってー!?…つまり、具体的にはどういうことだってばよ?」

 

オ「ライバル社が先に効果バツグンな薬を世に出してしまえば、競合する薬はもう用済みか、少なくとも参入余地が小さくなってしまうでしょう。

   昨日のAfter hoursでSPHSの株価が2倍以上跳ね上がっていたのを見て、私はNYMXの株価が暴落するんじゃないかと心配していましたよ」

 

ス「な、なんだってー!?…で、今はどういう状況なんだってばよ?」

 

オ「金曜日の市場が開いた時点では、なぜかNYMXもSPHSに引きつられる形で株価が結構上がっていて驚きました。

   最終的にはSPHSが本日1日単位で見るとやや下がり傾向だったのと同じように、NYMXも結構下がってしまいましたが、幸い取り返しのつかないレベルの大暴落にはならなかったようですよ」

 

ス「な、なんだってー!?…って、そこは驚く話でもないか。でも確かにこれは要チェックなニュースだね。早くニュース記事を紹介しておくれってばよ」

 

オ「本日トップの値動き率だったにもかかわらず、あまりニュースは流れていませんでした。そんなに注目されてはいないんでしょうかね…?一応何が起きたかの概略を述べてくれていた記事を見ておきましょう」

 


----------
局所前立腺がんの薬・Topsalysinのフェーズ2a試験の成功を受けて、SPHS株が113%アップ
(https://finance.yahoo.com/news/sophiris-bio-113-successful-results-115058127.html)

 

泌尿器関連の疾病治療薬・PRX302(別名Topsalysin)を開発中のSPHS(ソフィリス・バイオ)が、18人の局所前立腺がん患者に対するフェーズ2a試験(=基本的に、用法用量を確認する段階とされていますが、今回は効果の立証段階だったようです)の結果を発表した。それによると、一度の投与で深刻な副作用は認められず、特に新しい安全性シグナルも報告されなかったという。

 

Topsalysinは、特定前ではあるが臨床的には有意に前立腺がんを患っていると考えられる患者18人への薬剤投与後6か月で、50%(9人)の患者に対し、腫瘍細胞を除去する効果が認められたと報告された。SPHSは、この結果は、用量の検証と薬物輸送の最適化を図るフェーズ2試験を引き続き進めていくことにつながるものであると述べている。

 

株価は金曜日のプレマーケットで、126%アップの2.50ドルを記録した。

 

 

COO兼研究開発長のAllison Hulmeはこう述べる。

『イメージングの技術を使って、特定された腫瘍に直接薬剤を注入する技術が、我々にとってのブレイクスルーです。
Topsalysinは、前立腺特異的に存在する、酵素によって活性化されたPSA(=前立腺特異抗原)によってのみ活性化されるように作られています。


   前立腺全体をターゲットとし、多くの副作用も伴う放射線治療を避けることで、これまで報告された限りではほとんど副作用のないこのTopsalysinが、病巣のみをターゲットとする新しい局所前立腺がん治療薬になってくれると信じています』

 

 

同様に、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの医学部長Mark Embertonは、以下のようにコメントしている。

『この有望な初期研究の結果は、単純な前立腺への注射という投与 ―例えばオフィスにいながらにして出来るような― による初期前立腺がんの治療への可能性を開くものだと言えよう』
----------

 

 

ス「むむむ…。何だか有望そうな薬だね…。励ましの言葉を頼むよオ師匠」

 

オ「一応、NYMXは既にフェーズ3まで進んでおり、一歩も二歩もリードしている状況ではあるようですナ。18か月試験も行い、副作用は全くなく、効果も極めて良好であることが報告されています」

 

ス「何だ、断然NYMXの勝ちじゃないか!それを聞いて安心したよ!」

 

オ「しかしFDAによる最終的な判断や、さらなる臨床試験の結果が判明するまで、安心はできないでしょう」

 

ス「僕を含め多くのNYMXホルダーは、新しいニュースを大分待ちくたびれているみたいだからね、こうして競争相手が活発に動いているということは、むしろいいことなのかもしれないね!」

 

オ「どの程度信憑性のある話か分かりませんが、今月中に大きなニュースが来るのじゃないかとYahooのMessage Boardでも囁かれていますしね、早くニュースが来てくれるといいですね」

 

ス「いいニュースを頼むよ!!」

 

 

 


ス「SPHSの爆上げとは特に関係無かったようだけど、それでもNYMXは結構下がってしまったね。う~ん、SRPTのプット買いより、NYMX買い増しの方がいいかなぁ…?」

 

オ「それは誰にも分かりませんナ」

 

ス「NYMXの買い増しの方が個人的には期待値は高い気がするんだけど、買って放置になっちゃうからあまり面白くない気もするんだよね。もちろんSRPTもそんなすぐには動きがないだろうから、プットを買ってもしばらくは放置になるわけだけどね」

 

オ「今のところスライムさんはブログを始めてからの全ての取引が失敗していますからナ、一度堅い取引をしてみてちょっとぐらいプラスを出して安心しておくのもいいかもしれませんナ」

 

ス「また、まるで堅い取引をすれば必ず利益を出せるかのように、簡単に言ってくれますね。
…しかし、いい考えかもしれません。このままでは逆相場神の名を欲しいままにしてしまいますからね、ここらで一度ビシッとプラス益を出しておくのも悪い気はしませんな。

 

…して、堅い取引とは一体何があるんです?絶対利益の出る取引、あるならとっとと教えてくださいよ(丸投げー)」

 

オ「…相変わらずですナ、スライムさんは…。しかし言うまでもなく100%勝てる勝負などありませんよ。欲張らずに行けば、高い確率で利益を得られる、という程度です。

 

   おあつらえ向きに来週は第3金曜日、月一のオプションの満期日でもありますからナ、月一オプションしか取扱われていない低位株でもすぐに満期日を迎えることが出来る状況です。
   1週間で結果を出したいせっかちなスライムさんですが、低位株のオプションも取引対象にできることから現状の乏しい余力でも選択肢がぐっと増えるということなので、いいオプションがないかじっくりと探してみるのがいいのではないですかナ?」

 

ス「なんだい、結局いつもと大して変わり映えしないじゃないかっ!

…とはいえしかし、確かにオプションが魅力的な商品であると実証するのには絶好の機会かもしれないね。
   じゃあ、『欲張らずに、たとえ小額でも利益を出すことを第一に考えれば利益は出せるんだ』ということを、オプション売りで実際にバシッと示してみることを、来週の第一目標にしてみましょうか」

 

オ「別に予告する必要のある話でもないですし、状況次第でまた変わってくるかもしれませんが、良いのではないですかナ」

 

ス「ブログ開始以来初めての利益か、来週が楽しみだねっ!」

 

オ「そう上手くいくかは分かりませんが、上手くいくといいですナ…」