私たちは「早く変わらなきゃ」と思うほど、
最短ルートを探してしまいます。
けれど本当に必要なのは、
スピードではなく、
“自分のペースで進む設計図”を持つことではないでしょうか。
親の「抱っこ」から考えること
先日、「プレーパーク」についてのお話を聞く機会がありました。
プレーパークとは、子どもが自由に、主体的に遊べる場所。
お話してくださったプレーリーダーは、
自分に子どもはいないけれど、
「子どもの成長に関わりたい」という思いから活動を始めた方でした。
印象に残っているのは、“モンキーロープ”という遊びの話です。
木と木の間にロープを渡して、
子どもが自分の力で渡っていく遊びです。
ところが中には、
うまく渡れない我が子を抱っこして、
ロープに乗せてあげようとする親もいるそうです。
そのときプレーリーダーが言った言葉が忘れられません。
「子どもは、危険を感じながらも自分で挑戦する過程で学んでいる。
抱っこしてしまうと、その試行錯誤の機会を奪ってしまうんです。」
私はその話を聞きながら、
「大人も同じだな」と思いました。
↑開催準備をする、つづみです
“抱っこ”を求めてしまう私たち
「もっと自分らしく働きたい」
「新しいことを始めたい」
そう思って動き出すとき、
私たちはつい“最短ルート”や“正解”を探してしまいます。
けれど、誰かに抱っこされるように一気に運んでもらうような方法は、
実はとても危ういのです。
宝くじのような一発逆転も、
白馬の王子様のような救世主も、
もしやってきたとしても、
自分で考え、失敗しながら得る力が育っていなければ、
すぐに崩れてしまいます。
ここ数年、電子書籍の特集やランキングでも
“復讐”系の作品が目立つ場面が増えてきました。
裏切られた主人公が力をつけ、
敵を倒してスカッとする。
そんなストーリーに共感が集まるのは、
多くの人が「報われたい」「一気にすっきりしたい」という思いを
抱えているからかもしれません。
けれど、本当に望んでいるのは復讐そのものではなく、
「誰かに自分の悔しさや理不尽さを理解してほしい」という
感情ではないでしょうか。
“スカッと変わりたい”という願いがあふれる時代に、
私たちはつい、ゆっくり変容する力を
忘れてしまっているのかもしれません。
変化は「計画→実行→振り返り→修正」の中にある
私がラクアカで学び、そして実践してきたのは、
「計画→実行→振り返り→修正」のサイクルを回すことです。
いわゆるPDCA(Plan–Do–Check–Act)ですね。
もともとは企業の業務改善の考え方ですが、
実は個人のキャリアや人生設計にも応用できます。
計画し、動き、振り返って修正する。
そのサイクルを自分のペースで繰り返すことが、
結果的に大きな成長につながっていきます。
よく考えると、このサイクルは
子どもがモンキーロープに挑戦するときと同じです。
「どう渡ろうか」と考え(計画)、
とりあえずやってみて(実行)、
落ちたり滑ったりしながら「ここが難しい」と気づき(振り返り)、
次は足の置き方を変える(修正)。
つまり、子どもも遊びの中で自分なりのPDCAを回しているんです。
誰かに抱っこしてもらうより、自分の手足で試して学ぶ。
その経験が、次の挑戦を支える力になる。
それは大人になっても変わりません。
私自身、介護の仕事からクリエイティブの世界に移るとき、
このサイクルを意識することで前に進むことができました。
最初は、頼まれて描いた似顔絵からスタートしました。
フィードバックをいただいて、
「この部分が好まれて、ここは好まれないのか」
「次は別の表現をしてみよう」と微修正を重ねています。
大きな成果はすぐには出ませんでしたが、
その試行錯誤こそが次につながる“自分の足腰”をつくってくれました。
スピード勝負だけが大事なのではありません。
焦るより、設計して自分なりに一歩ずつ進むこと。
それが、遠回りに見えて実はいちばん確かなルートです。
↑つづみによる、開催報告グラレポ。似顔絵の技術も上がりました!
焦りのループを抜け出すために
焦りを感じたときこそ、「小さく動く」ことを意識してみてください。
完璧な計画や大きな目標よりも、「今の私にできる一歩」が大切です。
それは、紙に3行だけ書くことからでも構いません。
1)今週の“15分でできる小さな行動”
2)終えたあとに感じたこと(楽しかった/疲れた/もっとやりたい)
3)次に試したい修正点
それだけで、意識は「焦り」から「観察」に切り替わります。
焦って変化を掴みにいくものではなく、
試行錯誤を繰り返すうちに、私たちは少しずつ変容しているのです。
焦らずに進む人が、いちばん遠くへ行く
もし今、「変わりたい」と思っているのに動けないと感じているなら、
それはきっと、“抱っこされて渡りたい気持ち”がまだ残っているだけです。
自分のペースで、地面に足をつけて渡っていけばいいのです。
焦らずに進む人が、いちばん遠くへ行けます。
30年分の幸せを本気で設計する|1dayワークショップ
お陰様で満員御礼となりました。
たくさんのお申し込みをありがとうございました。
間に合わなかった、申し込みたかったというお声もいただいております。
現在、リクエストにお応えして追加枠を検討中です。
代表・市川のメルマガにて先行案内を行いますので、
メルマガ登録してお待ちくださいね。