日本はすでに「約3人に1人が高齢者」という社会に入り、
将来への不安は誰にとっても他人事ではなくなっています。
一方で、認知症は予防方法が広まり患者数が
減少傾向にあるという新しい知見もあり、
40代の今から「不安を減らす選択」を始めることができます。
約3人に1人が高齢者という現実
昨日は敬老の日でした。
街でシルバーパスを使って買い物を楽しむ高齢者の姿を見たり、
テレビで長寿を祝うニュースを耳にした方も多いかもしれません。
実際、日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、
いまや人口の約3人に1人が65歳以上です。
私たち40代にとって、
これは「遠い将来」ではなく「自分の老後」を
直視するタイミングに来ています。
高齢化の話は数字として聞くと
大きすぎて実感が湧きにくいですが、
実際には私たちの生活に直結しています。
例えば、介護サービスや医療費の負担、
地域コミュニティの形、働き方のあり方。
これらはすべて「誰かの問題」ではなく、
自分自身に返ってくるテーマです。
「予防できる時代」になった認知症
高齢化が進むにつれて、
認知症のことを不安に感じる人も多いと思います。
厚生労働省の研究班による推計では、
2022年時点で65歳以上の認知症の人は約 443万人(高齢者の12.3%)。
さらに「認知症の前段階」とされる軽度認知障害(MCI)を含めると、
全体の有病率は 27.8% にのぼります。
10年前(2012年)の調査では28.0%でしたから、
この間に大きく増えたわけではありません。
つまり「高齢者人口は増えているのに、
認知症やMCIの割合はほぼ横ばい」であることが分かります。
厚生労働省「認知症の人および軽度認知障害(MCI)の高齢者数の将来推計について」より
さらに、『日経トレンディ』2025年10月号では、
医学誌「ランセット」が発表した最新研究が紹介されています。
そこでは「修正可能な14の危険因子」を取り除くことで、
理論的には 認知症の45%を予防できる とされています。
危険因子には、
難聴や高LDLコレステロール、喫煙、抑うつなど、
生活習慣や健康管理に関わるものが含まれています。
また、記事では「認知症の7割を占めるアルツハイマー型では、
脳内にたまる異常蛋白質アミロイドβが 40代後半から蓄積し始める」と
指摘されています。
つまり、私たち40代にとっては「まだ先の話」ではなく、
すでに始まっているリスクなのです。
孤独がリスクを高める——ボッチ対策の重要性
数ある危険因子の中でも、
私が現場で特に強く実感したのが「孤独」でした。
私は以前、地域包括支援センターに勤務していた頃、
認知症キャラバンメイトとして
認知症サポーター養成講座を開催していました。
自治体や銀行、証券会社、葬儀社など、依頼のあった
さまざまな場所で実施しました。
各自治体に窓口があり、希望すれば開催してもらえるので、
興味がある方はぜひ問い合わせてみてください。
その講座でも繰り返し伝えていたのが、
「認知症の人を孤立させないこと」の大切さです。
家に閉じこもり、人と会話をしない生活が続くと、
脳は次第に刺激を失っていきます。
反対に、ちょっとした立ち話や趣味の集まりでも、
認知機能には良い影響があります。
いわば“ボッチ対策”は、心を軽くするだけでなく、
認知症予防という意味でも大きな力を持っているのです。
40代の今は、仕事や日々の忙しさに追われて
孤独を意識することは少ないかもしれません。
ですが、環境が変わったときに孤立しないためにも、
いまから「気軽につながれる場」を持っておくことが、
将来への備えになります。
40代から始める未来の設計
不安をただ抱えているだけでは、
心はますます重くなってしまいます。
大切なのは、「自分にとって安心できる未来」をどう描き、
そのために今からどんな行動を選ぶかです。
認知症予防の知見は、
私たちに「未来は自分で選択できる」という気づきを与えてくれます。
孤独を避け、適度に体を動かし、心を刺激し続ける。
これらは小さな積み重ねかもしれませんが、
その積み重ねが10年後、20年後の人生へとつながっています。
40代の独身女性にとって、
「この先をどう生きるか」という問いは避けられません。
だからこそ、不安に飲み込まれるのではなく、
自分なりの未来の設計を始めることが大切です。
お知らせ
この秋、ラクアカでは「30年分の幸せを本気で設計する」
ワークショップを準備しています。
・10月24日(木) 21:00〜22:30
・ 10月25日(金) 21:00〜22:30
(どちらも同じ内容で開催予定です)
これからの30年を、自分らしく生きるヒントを見つけにきませんか?