「制約」と聞くと、どこか窮屈で、可能性を狭めるもののように感じませんか?

 

もっと自由に、もっと好きなように――そんなふうに思うのが自然かもしれません。けれど実際には、制約があることで、逆に発想が広がることもあるのです。

 

そのことを強く実感したのが、RAKU Academy主宰「着回しチャレンジ!着回し部」での体験でした。

 

 

 

 着回し部のチャレンジ

 

着回し部では、参加する部員さんにこうお願いします。

 

「トップス4枚とボトムス4枚を用意して、その組み合わせで16通りのコーディネートを楽しみましょう!」

 

一見シンプルなルールですが、実際にやってみると想像以上に奥が深いんです。

 

「柄物トップスに柄物ボトムスどうやって合わせる?」
「小物を変えると雰囲気はどう変わる?」
「真夏に上下黒を軽くみせるには?」

 

部員のみなさんは工夫を凝らし、普段なら思いつかない着こなしに挑戦していました。

 

いつもなら「このスカートにはこのブラウス」と固定してしまう組み合わせも、制約があるからこそ新しいペアを試すことができる。すると「あれ、意外と似合う!」という発見が生まれるのです。

 

 

 制約があるからこそ生まれる“ひらめき”

 

選択肢が無限にあるとき、人はむしろ「いつものパターン」に落ち着きがちです。でも「4枚ずつ」という制約があると、そこからなんとか工夫しようと自然に頭が働きます。

 

・色合わせの工夫
・アクセサリーや靴の取り入れ方
・同じアイテムでも着方を変えるアレンジ
・アイテムを洗濯する順番(?!)

 

まるでパズルを解くように、ひとつのアイテムに対していくつもの可能性が広がっていきました。これって着回しだけの話ではないんですよね。

 

制約があるからこそ、知恵が生まれる。
制約があるからこそ、創造力が引き出される。

 

そんな本質を、この小さなチャレンジが教えてくれたのです。

 

 

 自由では気づけなかった発想との出会い

 

もし「好きな服を好きなだけ選んでいいですよ」と言われていたら、きっと多くの人は自分の“いつものパターン”を選んでいたと思います。

 

実際わたしも、クローゼットから手に取るのは、だいたい決まったアイテムで、コーディネートもいつも通り。安心感がありますし、失敗も少ないけれど、新しい発見や驚きは生まれにくいのです。

 

自由は心地よいけれど、自由すぎると思考が止まってしまう。

 

ちょっとした枠やルールをあえて設けることで、逆に考えが広がり、今までにない視点を得られるのだと思います。

 

 

 日常や仕事にも通じる「制約の力」

 

この経験を通して気づいたのは、着回しだけでなく、日常や仕事にも同じことが言えるということ。限られた時間、限られた予算、限られたリソース。制約はわたしたちの生活に常に存在しています。

 

それを「不便」と捉えるのか、「工夫のチャンス」と捉えるのかで、結果は大きく変わりますよね。

 

時間が限られているからこそ集中できることもある。
予算が決まっているからこそ、アイデア勝負でいいものができることもある。

 

制約は決して敵ではなく、むしろわたしたちの思考を広げてくれる味方にもなるのです。

 

 

 制約を楽しむ生き方へ

 

着回し部を通して、部員さんは「制約の中で考える」ことを楽しんでいました。最初は「4枚ずつなんて少ない」と思っていた人も、終わる頃には「こんな着こなし、思いつかなかった!」と笑顔に。

 

日常に目を向けると、「もう昔のようにはできない」と思う瞬間は、40代になるとどうしても増えます。50代になったら、なおさらです。(毎日実感している54歳のわたし!)

 

でもそれは「不自由になること」ではなく、「新しい楽しみ方を見つけられるチャンス」なのかもしれません。制約を受け入れ、その中で工夫することで、思いもよらない発見が待っている。

 

そんなふうに考えると、歳を重ねることも悪くないなと思います。

 

 

 

今日もお読みいただきありがとうございました!