「静かな退職(quiet quitting)」という言葉を
耳にしたことはありますか?
近年の調査では、
日本でも40%以上の人が実践していると答えており、
決して一部の人だけの動きではなくなっています。
この記事では、静かな退職が広がる背景やデータを紹介しながら、
全員が会社にフルコミットしなくてもよい時代に、
私たちはどう働き方を選んでいくのかを考えてみます。
第1章|「静かな退職」とは?広がる背景
「静かな退職」とは、仕事を辞めるわけではありません。
必要最低限の業務はきちんと行う一方で、
過度な残業や「期待以上に応える」ことを手放す、
働き方のスタンスを指します。
マイナビの調査によれば、44.5%が「静かな退職をしている」と回答。
特に20代では46.7%、40代でも44.3%と、
世代を問わず広がっていることがわかります。
また、70%以上の人が「今後も静かな退職を続けたい」と答えており、
単なる一時的な流行ではなく、
働き方の新しい価値観として定着しつつあることを示しています。
背景には、コロナ禍をきっかけに
「仕事と生活のバランスを見直したい」という意識の広がりがあります。
終身雇用や過労を美徳とする文化から、
「自分の人生を大切にしたい」という考えへ。
これまで“仕事が人生の中心”だった価値観が変わり始めているのです。
第2章|「やらない」ことで得られる、仕事と人生の新しいバランス
では、静かな退職を選んだ人たちは何を得ているのでしょうか。
調査では、57.4%が「得られたものがある」と回答。
最も多いのは「自分の時間への満足」(23.0%)でした。
過度に仕事を抱え込まないことで、
趣味や学びの時間が増えたり、
家庭や友人と過ごす余裕ができたりする。
心身の負担が減り、
結果的に日常の満足度が高まるケースも少なくありません。
「働く=犠牲」ではなく、
「働きながらも自分の生活を大切にできる」という
選択肢を持てるようになったことは、
多くの人にとって前向きな変化といえるでしょう。
第3章|誤解されがち?静かな退職に潜むリスクと向き合い方
もちろん、静かな退職にはリスクもあります。
一つは「やる気がない人」と見なされること。
上司や同僚からの評価が下がり、
キャリアの停滞につながる可能性があります。
また、職場全体の士気が下がりやすいという懸念もあります。
さらに、静かな退職が「ただの消極的な姿勢」となってしまうと、
自分の成長の機会を逃してしまう恐れもあるでしょう。
大切なのは「働かない」ということではなく、
自分の境界線を引くこと。
その違いを理解することが必要です。
第4章|他人軸ではなく「自分軸」で働き方を選ぶ
ここで強調したいのは、
「静かな退職が良いか悪いか」という二択ではない、ということです。
ラクアカで大切にしているのは、
「他人の基準に合わせるのではなく、自分の基準で選ぶ」こと。
フルコミットして働きたい人はそれを選べばいいし、
生活や健康を優先したい人は静かな退職を選んでもいい。
どちらも間違いではありません。
働き方の多様化が進む今だからこそ、
「周囲がどうか」ではなく、
「私はどうしたいか」を基準に選べる時代になっているのです。
まとめ|「全員同じ」から「自分らしく」へ。働き方をアップデートする時代
静かな退職は、怠けではなく
「自分の境界を引く」という健全な選択のひとつです。
重要なのは「全員が静かな退職をすべき」ということではなく、
自分が納得できる働き方を選ぶこと。
40代からでも遅くありません。
キャリアの先にあるのは、会社だけでなく自分の人生。
静かな退職というキーワードは、
私たちに「あなたはどんな働き方を選びますか?」と
問いかけているのかもしれません。