「あのとき、なぜかイラッとした。」
「理由はわからないけどちょっと感動した」。
そんな小さな感情を放っておくのは、実はもったいない。
その小さな感情には、あなたの大切な価値観や本音のヒントが眠っています。
第1章|なぜ「小さな感情」を記録するといいの?
日常には、ちょっとした心の動きがたくさんあります。
「あの言葉、なんだかうれしかったな」
「ちょっと引っかかったな」。
でも、放っておくと、その感情はあっという間に消えてしまいます。
私自身、Voicyや音声配信を聴くのが好きで、
家事や運転中によく流しています。
「あ、今の言葉すごくいいな」と思っても、
数時間後にはうまく思い出せない。
あのときの感動が、指の間からこぼれ落ちていくようで、
なんだか悔しいんですよね。
また、反対に「ちょっとイラッとした」出来事も、時間が経てば忘れます。
でも、放置していると、また同じことでイラッとする自分がいて、
「またか…」となる。これは、原因を探るチャンスを逃している証拠です。
小さな感情には、あなたの本音の“かけら”が隠れています。
そのかけらを集めることが、自分をもっと深く知ることにつながります。
第2章|怒りやざわつきの裏にある心理学的な理由
ここで、心理学の話を少し。
怒りは「二次感情」と呼ばれます。
その裏には、一次感情と呼ばれる
「恥ずかしさ」「不安」「悲しさ」などが潜んでいて、
怒りはそれを覆い隠すために出てくることが多いのです。
例えば「見下されたと感じたとき」に怒りが湧くのは、
その裏に「認められたい」「尊重されたい」という気持ちがあるから。
研究でも、怒りは「恥」や「屈辱」を隠す防衛反応だと示されています。
私自身、最近気づいたのは、「下に見られた」と感じると、
イラッとする傾向があるんです。
実際は相手がそんなつもりじゃなくても、そう感じるだけでモヤモヤする。
このとき、「なんで私はそう感じたんだろう?」と自分に問うと、
そこに「対等でありたい」「努力を認めてほしい」という想いが見えてきました。
感情は、自分の本音を映す鏡みたいなもの。
そして、小さな感情に気づき、言葉にすること(感情のラベリング)は、
モヤモヤを整理し、気持ちを落ち着ける効果があることも、
心理学的にわかっています。
第3章|「感情をキャッチする」ための方法
「心が動いた瞬間を記録したい」と思っても、
すぐに忘れてしまうことってありますよね。
私も同じで、完璧な仕組みはありません。
だからこそ、“できるときにできる方法”をいくつか持っています。
一つ目は、音声メモ。
家事や運転中に「今の気持ち、忘れたくない!」と思ったら、
スマホに向かって一言だけ吹き込みます。
「〇〇のエピソード、感動した」とか、
「今の言い回し、何かイヤ」など、本当に一言でOK。
二つ目は、とりあえず声に出すこと。
スマホを手に取れないときでも、声にするだけで頭の中が整理されます。
(もちろん、これは1人のとき限定です!)
三つ目は、短いメモ。
気になった言葉や出来事を、その場でスマホに残すだけ。
文章にしようとしなくても、「〇〇を聞いて心が動いた」とだけ書けば十分です。
そして、もう一つおすすめなのが、夜に振り返る時間をつくること。
寝る前に、今日あった出来事の中で「心が動いた瞬間」を思い出して書き出します。
その日の小さなゆらぎを思い返すと、
「あ、こんなことに私は反応するんだ」と気づけることがあります。
これは、自分の価値観を知るための大切な手がかりになります。
ポイントは、完璧を目指さないこと。
毎日じゃなくてもいいし、数日空いてもいい。
それでも、「今、なぜか心が動いた」という事実を残せたら、
それが未来のあなたを助けるヒントになります。
第4章|「感情を記録する」ことで人生に起きる変化
こうして小さな感情を積み重ねると、「自分が大切にしているもの」の輪郭が見えてきます。
そして、その過程は、自分を知る小さな喜びの連続です。
正解を探すのではなく、「私はこう感じるんだ」という発見を楽しむこと。
それが、あなたらしい選択につながっていきます。
まとめ|今日からできること
感情のかけらを集めることは、まだ見ぬ自分と出会うきっかけになります。
小さな心のゆらぎを見つけるたびに、「こんなことで私は心が動くんだ」と気づける。
私はその瞬間がとても好きです。
その積み重ねは、自分の輪郭をより鮮やかにしてくれます。
そして気づけば、「自分って案外おもしろいな」と
思えるようになっているかもしれません。
ファッションからも気づきがあるかも♪