「もう寝る時間だけど、あと1話だけ…」

「SNSをチェックし始めたら、あっという間に1時間…」
漫画やSNSをつい読み続けてしまうのは、

意志が弱いせいだと諦めていませんか?

 

実はそれ、あなたの意志の弱さだけでなく、

脳の仕組みにも理由があるんです。

今回は、“やめられない私”とどう付き合えばいいのか、

脳の仕組みや私自身の体験談から探ってみました。

「やめなきゃ」と思いながら、またやっちゃう

私は昔から、漫画や小説を読み出すと止まらなくなるタイプです。

大学時代のこと。

ゼミの課題提出の前日、ちょっとだけのつもりで、

宮部みゆきの小説(「レベル7」だったと思う)に手を伸ばしました。

気がついたら明け方まで一気読み。

結局、後悔しながら徹夜で課題をやる羽目になりました。


「今じゃない」「後にしよう」と思いながら、

つい読み続けてしまう。

大人になった今でも、読み始めたらいつの間にか数時間…やっちゃいます。
「またやってしまった」と後悔しつつ、

「でも今日はちょっと疲れてたし…」と自分に言い訳をして、

また翌日も同じようなことを繰り返す。


もうこんな自分嫌だーー(T ^ T)!!


そんな経験、ありませんか?

 

あなたのせいじゃない!脳がハマる仕組み

ちょっと前に流行った『スマホ脳』という本。

この本を読んで、そのメカニズムが少しだけ腑に落ちました。

 

脳は「予測できない報酬」に弱いのだそうです。

漫画やSNSには「次に何が起こるかわからない」ドキドキがあって、

それが脳の報酬系に快感を与えます。

ドーパミンという神経伝達物質が放出されることで、

「もっと欲しい」「またやりたい」という気持ちが生まれるんです。

しかもスマホは常に手の中にあり、

通知やアルゴリズムが私たちの集中力をどんどん奪っていきます。

 

これは“意志の弱さ”というより、“脳の特性”なんですよね。

自分を責める前に、

「この仕組みを知っておくだけでも、距離の取り方が変わる」と感じました。

「やめさせよう」より「寄り添う」ほうがうまくいく

漫画『シュリンク』の56話で、

精神科医が「アルコール依存症は本人のせいじゃない」と語る場面があります。

依存を“本人の問題”として非難するのではなく、脳の仕組みとして理解する。

その視点の転換が、関係性を変えるのです。

これを読んだとき、漫画や小説にハマってしまう自分とも、

同じように接してみたらいいのでは?!と思いました。

精神疾患や依存症は誰にでも起こりうるもので、

決して“特別な人”だけの話ではありません。

 

だからこそ、「やめなきゃ」と力で抑えつけるより、

どうやったら自然に距離を取れるか」を探ることが、

現実的でやさしい方法だと私は思います。

私と漫画と小説、ちょうどいい距離を探して

それでも私は、漫画も小説も大好きです。

だからこそ、“ゼロか100か”で考えるのではなく、

ちょうどいい距離感」を見つけることが自分には合っていると思っています。

最近やっている工夫はいくつかあります。

 

トリガー(引き金)を特定する: 「疲れた時」「暇な時」など、

つい読み始めてしまう状況を意識するようにしました。

自分の傾向を知ることで、

「あ、今危ないな」と事前に気づけるようになります。

 

置き換え行動を試す: 寝る前にスマホを触ってしまう代わりに、

絵本を読んでみたり、ストレッチやボーッとする時間を数分作ってみたり。

「我慢」ではなく「別の心地よさ」を探す感覚です。

 

環境を整える: 意思の力だけに頼らず、物理的な工夫も大切です。

寝室にスマホを持ち込まないようにする、

アプリの通知をオフにする、デジタルデトックスアプリを利用するなど、

誘惑を減らす環境作りを心がけています。

 

読む時間を決める: 「ここまで読んだら終わり」

「この時間になったらやめる」と、あらかじめ決めておくことで、

ずるずる読み続けてしまうのを防ぎます。

タイマーを使うのも有効です。

 

小さな成功を褒める: 完璧にできるわけじゃないけど、

「今日は少しだけ早く止められた」「タイマーで切り上げられた」

と思ったときに、「よくやった!」と自己肯定感を高めます。

「またやっちゃったな」と思っても、

自己否定ではなく、

次もっと上手くやるにはどうしたら良いか」と考えることで、

気持ちがずっと楽になれます。

 

脳の仕組みを知ることで、“やめられない私”を責めるのではなく、

理解し、付き合っていけるようになりました。

それは、「私はダメだ」ではなく、

私は私なりにできることがある」という小さな自信につながっています。

 

まとめ:自分にやさしく、心地よい習慣を

「分かっちゃいるのに、やめられない」——そんな自分に、

私たちはついダメ出ししてしまいます。


でも、私たちの脳には、報酬系と呼ばれるシステムがあり、

快感を覚える行動を繰り返すようにできています。

だから「分かっちゃいるのに、やめられない」のは、

決してあなたがダメなのではなく、脳の自然な働きなんですよね。

 

だからこそ、「やめなきゃ」と力で抑えるより、

どうしたら心地よく付き合えるか」を探してみる。
この視点の転換が、習慣との向き合い方を変え、

自己否定ではなく自己信頼へとつながっていくのだと思います。

 

“やめられない私”に、やさしくなれるヒントになれば嬉しいです。

 

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