日本はヘアサロンもインバウンドが凄いらしいけど…。 | 香港で美容師生活 三輪周平

香港で美容師生活 三輪周平

2012年4月から香港の日系美容室、Voi Voi Rakkaus hair salonにて香港&美容師生活を満喫中。


訪日外国人が増え続け、爆買いブームから体験ブームに変化して早数年。
そんな中、日本の美容室に行くということもブームになってるようですが…

日本人が香港でローカル美容室に行くと失敗することがあるように、香港人や外国人も日本でローカル美容室に行くと失敗することもある。(両者とも全員ではない)


ていうのもここ最近、日本旅行の際に日本で美容室行ってきたけど失敗したのでどうにかしてほしい。という香港人のお客様のご来店が多く…

中には、外国人だからとか、店が忙しいからリピートしない人は…とかそんな理由で適当に扱われてしまって失敗された方もいるでしょう。

それでもこうして僕を頼って日本人のサロンに来ていただく事は本当にありがたく、それと同時に同じ日本人として、美容師として申し訳なかったな…とモヤモヤするので僕なりに考えてみました。


まず、よく聞く日本人と外国人の違いは、
職種に限らず、日本人は真面目で手先が器用でこだわりが凄く利他的な考えに対し、外国人は大雑把でいかに自分が楽して効率よくお金を稼ぐか利己的な考え方。
(香港人も思ってるらしい)
これ僕の意見としては本当に偏見で、中にはそんな人もいるから悪い部分が目立っちゃってるけど香港人だって真面目で器用で仕事に対して真剣な人だっているし、むしろ、日本に一時帰国した時に、え?日本人てこんなんだったか?って期待をバッサリ裏切られる事だってたまにある。
(これもまた香港人もたまに感じるらしい)

どこの国であろうが結局は人によるよね。
まずはこの偏見をフラットにした上で香港人が美容室で失敗してしまった原因を考えていこう。


・好みの髪型の違い。

・日本人→柔らかさ、ナチュラル、かわいい、扱いやすさ、ボリュームを抑えたい

・香港人→シャープ、カッコイイ、はっきりとしたスタイル、セクシー、楽、ボリュームを出したい

しかし、日本の事が大好きで日本の女優さんの髪型に憧れたり、日本人っぽく見られたいという憧れをもった方はやはり日本人と好みが似てる。


・美容師に対する考え方の違い

香港では、初回でも美容師さんにお任せすることが多く、私に似合うカット、カラー、パーマ、ストレートをしてほしい!
という方が多い。ある意味かなり試されてる。


日本では、数回通って、お客様の好みやライフスタイル、髪質などを美容師が熟知し、この人なら安心なきると信頼を得られてから出てくる言葉「お任せ」でしょう。



・髪質、生えグセの違い

アジア人の髪質なんてほとんど同じでしょ?
言ってもそんな変わらないはず。
これはほとんどの美容師さんが思ってることでしょう。
しかし、全く違います!
だって日本人だけでも色んな髪質の人いるでしょう?
人、国によってキューティクルの数も違うので見た目ではわからない。
経験を積まなければ持ちのいいカット、狙ったパーマやカラーが出せません。


・感覚の違い

・トリミングに対する感覚
日本人→ 1〜2cm
香港人→ 3〜5cm
中国人→ 0.5〜20cm  ←まじでいますよ

・ナチュラルという言葉の落とし穴
日本人→ゆるめパーマ、カラー(7〜9レベル)
香港人→コールドパーマはほぼかからないのでデジタルパーマ、カラー(8〜10レベル)

施術前に写真を見せて確認しても違いが生じることがある。


・自宅でのお手入れ、再現性の違い

日本人→美容室での仕上がりをほぼ自宅で再現することができるお客様自身の器用さと髪にかける時間の余裕

香港人→高温多湿という土地柄、自分で管理するのが難しく、何もしなくてもキマる楽な髪型が求められる。


・言葉の壁

日本人同士でも、美容室だと言葉で伝わらないことがあるのにお互い母国語ではない英語でコミュニケーションを取ってカウンセリングするって結構リスキーだよ。


まー、なんだかんだ言っても、母国同士の美容師さんとお客様だって合わない時は合わないわけでその逆もあるからアレだけど、要は外国人のお客様が増えてきてる以上、その国の人達の髪質は勿論、好みなどどういった傾向にあるのかをある程度勉強して理解していかなきゃいけないよね!
っていう結論。

僕も香港で働き始めて、色々な違いを把握するのにかなり苦労したけど今となってはこの経験こそが僕自身の美容師としての強みであり、海外で働いてる美容師さんも皆同じ強みを感じてるでしょう。

少なくとも期待をして来ていただいてる以上、いらした方全員に他のサロンとの違いをわかっていただきたいじゃないですか!

これから美容師という職業もグローバル化が進んできます。
僕も色々な人種の方々から支持されるようもっともっと頑張ります。