アンニョン

カルです。
今日は、東京で打ち合せ。その前の時間を使って神宮前にある
ワタリウム美術館に足を運びました。
ここは、私の恩師のオススメの場所でもあります。
何を観たかったというと、開催されている「ハートビート展」

その中で「ナム・ジュン・パイク(白南準)」さんの作品を
特に楽しみにしていました。

彼の名前を知ったのは、私の故郷である福岡の「福岡アジア文化賞」を受賞された
1995年でした。(この福岡アジア文化賞は、後日改めて書くことになるとおもいます)
<
福岡アジア文化賞公式サイト>
<プロフィール=福岡アジア文化賞公式サイトより>
ナム・ジュン・パイク Nam June PAIK
【アメリカ_韓国出身/ビデオ・アーティスト】
ビデオ・アートの世界的第一人者。テクノロジーと美術を調和させた新しい
領域の芸術を開拓した。そのアジアの感性に根ざした個性的な創造活動は、欧
米の芸術・文化にも影響を与え、映像芸術のみならず広く美術の発展に多大な
貢献をした。
ナム・ジュン・パイク氏は、新しい芸術領域である「ビデオ・アート」の創
始者として世界に知られる、アジアが生んだ偉大なアーティストのひとりであ
る。
幼少の頃からピアノと作曲の教育を受けていた同氏は、東京大学文学部美学
・美術史学科で主に音楽美学を学んだが、さらに現代音楽を学ぶために渡った
ドイツで、前衛的な現代音楽家ジョン・ケージ氏を知ったことが大きな転機を
もたらすことになった。後に、前衛芸術家集団「フルクサス」に参加し、既存
の芸術破壊のための数々の衝撃的なパフォーマンスで注目を集めるようになる
が、ちょうどその頃、電子音楽の研究中に、同じ電子技術の所産であるテレビ
映像の可能性に誰よりも早く着目し、1963年、世界で初めて、テレビを使った
個展を開催した。これは、後のビデオ・アートの原型となるもので、テレビが
新しい芸術媒体となることを示唆する画期的なものであった。
やがて、活動の場をアメリカに移したパイク氏は、ビデオの普及に力を得て、
ビデオ映像という新しい表現領域を芸術にまで高めるべく、あらゆる可能性を
精力的に模索して行く。日本人技術者の阿部修也氏の協力で開発した新しいビ
デオ装置「パイク/アベ・ビデオ・シンセサイザー」を駆使して、“めくるめ
く色彩や変幻自在のフォルム”といった、ビデオ映像独自の特質を生かした独
創的なビデオ・テープ作品を次々に発表して高い評価を獲得し、次第に、そ
の斬新で革新的な映像芸術「ビデオ・アート」は他の追随を許さぬものと
なって行く。
そして、1980年代初頭には、ついにこの分野の世界的な第一人者と目される
ようになり、「ビデオ・アートの父」と賞賛されるようになったのである。
また、展示空間に大小さまざまなテレビを設置するビデオ・インスタレーシ
ョン、テレビやビデオを使って行為するビデオ・パフォーマンス、世界中を衛
星で結ぶサテライト・アートなど、現在でも常に世界各地で新たなアート・シ
ーンを創出しながら第一線で活躍を続けているパイク氏のたゆまぬ創作活動は、
美術の領域のみならず、デザイン、建築、音楽、さらにマスコミュニケーション
の分野にまで影響を与えると同時に、その新しい映像芸術の世界は、来るべき
21世紀の新たな芸術表現のひとつのあり方を示唆している。
このように、ナム・ジュン・パイク氏は、最新のテクノロジーと美術を結びつ
けながら、その芸術の根幹に流れる東洋の精神を通じて、アジアの感性のすばら
しさを世界に知らしめ、広く芸術・文化の発展に貢献した。これは、まさしく
「福岡アジア文化賞-芸術・文化賞」にふさわしい業績といえよう。
<
プロフィール=wikiより>
私が最初に観た作品は、福岡市の
キャナルシティ博多の中にあり、日本最大規模といわれています。

ちなみに那珂川という川を挟んで、東が博多地区(JR博多駅やキャナルシティ博多は
こちら側にあります)西が福岡(天神)地区です。
那珂川の中にある洲が歓楽街で有名な「中洲」です。
(福岡と博多、このサイトはお暇な方向け)このキャナルシティ博多は、すごいんです(これもまた後日、語りたい)
1996年は福岡に住んでいたのですが、このプロジェクトに関わっていた知人も多かった
ものですから、オープニングイベントに出席しました。
人工のキャナル(運河)を始め、胎内を想起させるようなデザイン、色使い等にも
感激しましたが、ナムジュンパイクさんの作品を観て、震えました。
まるでカオスのシャワー。世の中には、こういう表現があるのかと。
でも、その後の動静は特に追いかけていなくて、2006年1月に亡くなっていることを
最近知りました。
<参考:松岡正剛さんの“
千夜千冊”>
たった、数年前にいた人が、もうこの世には、いない。
だけど、作品はしっかり生きている。むしろ再生を繰り返している。
今日の東京キーワードは、「旅」でした。
午前に、追憶の旅。
午後は、本物の旅の打ち合せ。

2008/03/09@仁川空港