第一章 復讐者 30 | Beyond Despair

Beyond Despair

― 絶望の底に落ちた少女の先に待つ運命 ―

「602号室がどうかしたのか?」

602号室は今は空部屋だ。

まぁ、去年までは使われていたのだけれど。

「ランプが青いのですが」

「はぁ?そんなわけ――」

と、俺は602号室のドアの左上にあるランプを見て固まってしまった。

ランプが、青い……。

使われていない部屋は赤いはずなのに。

「何で青ランプが付いてんだ?」

「察するに、さっきエレベーターで会った少女だと思われ」

あぁ、なるほどな。

でも空いてる部屋なら他にもあるってのに。

「良いなマモッチ、あんな美少女が隣で」

「隣って、壁で仕切られてるだろうが」

俺はため息を付きながら自分の部屋へと戻ろうとする。

と、火野川は602号室をじっと見つめていた。

まただ、どこか悲しそうな顔をしている。

「火野川、どうかしたのか?」

「え?あ、何でもないわよ」

慌ててそう言うなり、火野川も自身の部屋へと向かう。

「じゃ、食堂でね」

そう言い残し、彼女は部屋の中へと入って行った。

「何だアイツ?」

顔をしかめながら俺は火野川の部屋を見つめる。

どこか様子がおかしい気がする。

「マモッチ、じゃ食堂でな~」

坂口も火野川と同じ台詞を言うなり、自分の部屋へと戻って行った。

坂口の部屋は604号室。

火野川の隣である。

そして俺の部屋は601号室。

今まで隣は居なかったが、今日からは居るって訳か。

「こりゃ、フィーバー出来そうにないな……」

俺はそう言いながら部屋へと入った。



/続く



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