P202 オタクが未来を創る

 

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朝永振一郎先生。湯川先生の同級生の先生が繰り込み理論でノーベル賞をとったんですけどね。

 

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 例えばここに電子がいた。マイナスの電気持ってて、重さ、質量はどれくらいだ、って計測されるからわかってるのだけど。重さ(動きにくさ)、電荷(近所に別の電気持ってきたときにどれくらい強く引っ張られるかの度合い)、それがどうやって決まるのか。

 

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ところが朝永先生がきちんと計算してみたら、そうじゃなかった。周囲の物からの影響を受けた結果、この電気の量とこの重さになった。だから宇宙空間に一個だけ電子があったら、重さも電気の量もないの。

 

 つまり、人間にこれをあてはめると、一人の人間は普通、周囲の社会の他の人間の影響を総合してくらった性格になる。それがその人。それが普通の人、人間。ところがオタクは、この宇宙の中に孤独だろうと、俺一人だろうと変わらない、特殊な存在なんだ。

 

 電子は特殊な存在じゃないわけよ、残念ながら。でもニュートリノとか、物理でいえばニュートリノとか周囲と相互作用しないから。宇宙の中に自分一個だけでも、あるいは他のものがいっぱいあっても、ニュートリノの重さは変わらない。だからオタクなの。

 

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これがオタク繰り込み理論さ。これからは本当にオタクを作らなきゃいけないよ。