ディーラーA：「今日のセッティングはどんな感じ？」
ディーラーB：「うん。ちょっと寄りぎみかな!?」
ディーラーA：「そか。何とかなるでしょ！」
ディーラーB：「うん。まぁね。」
ディーラーA：「今日は○○さんがくるらしいよ。」
ディーラーB：「え゛っ！マジぃ～！めんどくせー！」
こんな軽い会話をしながらも、ルーレットの今日の状態を確かめつつ、各自投げ込みをしながら調整していく。
今日は○○さんが来ることになっているが、この人はオーナーの知り合いで、最もルーレットを愛している人なのだ。
ルーレットに対するディーラーの姿勢や言動、チップの下げ方や配当のつけ方まで、すべてにおいて口を出してくるウザイ感じの人なのだ。
ディーラーはもちろん、黒服やウェイトレスまで敵に回すくらい、厄介な人でもりますね。
さらには、一緒に連れてくるオーナー自身も好んでいないため、「○○さんを負かしたら、全部みんなで山分けだぁ！」と太っ腹な事を言って、ディーラーたちにエサを撒くのだ。
だがしかし、この、○○さんは張りプロで、他に勝負できる店がないため、ウチにやってくるのだ。負ける時は100万以上は落としてくれるので、良いのだが、本当に根気勝負になり、朝の閉店時刻まで帰ることはまずない。
「ルーレットディーラー」として持っている知識、技をフルに使い分け、プライド賭け、真剣勝負をするので、終わった後にはどっと疲れがやってくる。
張りプロと勝負するのは、じつは楽しいところもあるのです。普段から弱者をいじめてナマってきているため、喝を入れてもうような感覚になり、真剣にやっつけようと自らが本気になって、戦うことができる幸せを思い出せてくれるのです。
ルーレットでは、目では見えないものだが、熱いハートを滾らせている人がいるのだ。ディーラーをはじめ、本当にルーレットが大好きな人は、見ているとすぐに分かりますね。
○○さんもそのうちの一人で、ルーレットに対する情熱が熱すぎて、こちらがヤケドしてしまうのです。
結局、この日の○○さんは60万円寄付して頂き、オーナーの言う通りに、皆で山分けさせて頂きました。。。