ふと、けんちゃんとの夏休みの出来事を
思い出した
まっ白だった背中が
いつのまにか こげ茶に変わってた
学校のプールの水は
光をすくって きらきらしてた
そんな僕とけんちゃんの夏休み
夏の抜け殻
虫網かついで
けんちゃんと河原を駆けた夏
草の匂いと 遠くの入道雲
ケラケラと笑い声が風にまじって
僕達は、走り抜けた
石ころを飛び越え
カエルを追いかけ
蝉の声がいっせいに鳴き出す
空は眩しく 僕らは小さく輝いてた
枝にぶら下がる抜け殻を見つけ
「ここで生まれたんやな」って
少し自慢げに大きな声で
けんちゃんが言った
真っ黒な顔に前歯の欠けた
けんちゃんの笑顔
時は流れ 僕らは大人になったけど
あの夏の風だけは
今も胸の中で鳴いている
けんちゃんは、お空に飛び立ったけど
僕達の夏休み
今も鮮明に心に焼きついているよ
ダンコロ

