セシル:一ヶ月ぶりの庭はどうでした?
庭師:どうやら、皆さまがお手入れに来て下さっていたようで、雑草も無く、安心しました。収穫は、エミリーさんが一瞬でやってくださいました。
セシル:一瞬? 彼女は魔法使いですか…。
料理人:そう言えば、彼女、フォアグラを食べに、今朝も来て下さいましたよ。
セシル:カフェも一ヶ月ぶりに戻って、大丈夫でしたか?
料理人:はい、セシル様。食材が腐ることも無く安心しました。時折、手伝いに来て下さっていた方々のおかげです。
セシル:……。庭といい、カフェといい…便利ですね。
執事:あの…セシル様、私は未だ島の様子を見に行けていないのですが…。
庭師:すみませんね、執事殿。実は、庭では、あのヴァン様からライ麦を植えるよう言付かりまして…
$海賊船レーゾンデートル号航海日誌
執事:…おや、庭にヴァン様がいらっしゃる…。
セシル:………。東を統括するヴァン船長とは別人に見えますが?
庭師:そうでしたか? 私はお会いしたことがないので、てっきり、以前、セシル様が言っていたヴァン船長かと……。
セシル:…クリス…誰よりも庭を優先させて欲しいという理由が、この男ですか?
庭師:引き受けた以上は、有限な時間内で全力を尽くしませんと…。
セシル:私は半年近く、カジノへ行けずにいるというのに…
執事:そのおかげで、ここ半年の財政は大変安定しております。
セシル:………。