$海賊船レーゾンデートル号航海日誌
セシル:最近、カメラを抱えて調理がおろそかになってるようですね?
料理人:セシル船長…それが……。
セシル:何がありましたか?
料理人:クリス殿から聞いていたお嬢さん達が、食べに来るようになったのです。
セシル:………。
料理人:今までは、お手伝いすることはあっても、じっくり会うことはなかった娘さんばかりで…。
セシル:……はぁ。それとカメラに、どんな関係が?
料理人:せっかくなので、庭で頑張っていらっしゃるクリス殿に、お嬢さん達がカフェでくつろいでいる姿を見ていただこうと思い、写真を撮り始めたのですが・・・。
セシル:何か不都合でも?
料理人:違うんです。見れば見るほど、皆さん、可愛いお嬢さん達なんですよ。ちょっと、船長も見てください、このお嬢さん達。
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セシル:ふむ…。可愛らしいお嬢さん達ですね。
料理人:中でも、この彼女、すごく美人だったんです。
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セシル:……後姿ですが?
料理人:あまりの美しさに、目を奪われていて、気付いた時にはもう、去って行くところでした。あれ以来、彼女、来ないんですよ……。ねえセシル船長、どうしたらいいと思います?
セシル:………。
料理人:また来てくれないかなぁ…。
セシル:…………。単に、ピグともが来ていると気づかず、ようやく気づいて慌てて最初に撮った写真では?
料理人:だから、あれ以来、カフェをオープンするときには、カメラをスタンバイするようにしているんじゃないですか。
セシル:……この髪型……おそらくはカズサでしょう。
料理人:ええっ、セシル船長、知っているんですか?
セシル:私が会ったことのある数少ない女性の一人です。
料理人:しょ、紹介してくださいよ、船長っ。
セシル:断ります。そういうことは、クリスか執事あたりに頼みなさい。まったく……。
料理人:あ、待ってください、船長。このお屋敷で一人にされたら、道に迷って船に戻れなくなります。