………。
12月17日の早朝。
私は、添えられていたメッセージに目を通し、再び彼らを呼んだ。

海賊船レーゾンデートル号航海日誌

セシル:さて、今回はシュトーレンだそうです。
 執事:申し訳ございません、セシル様。またまた、私の不在中に…。
セシル:どうせまた、宝石の洞窟にいたのでしょう?
 執事:いえ…今回は、樹液が不足致しまして…大木を切っておりました。
 庭師:アイランドもお忙しそうですね?
 執事:いえいえ、クリス殿には到底及びません。クリス殿は今回、クランベリーを随分と沢山育てられたそうで…。
 庭師:ええ、ぜひとも、みなさんにおすそ分けしたくらいに、クランベリージュースを作りましたw
料理人:さすがですね、ぜひ、レシピを教えていただきたいと…。
セシル:コホンっ!
 執事:……申し訳ございません、セシル様。
 庭師:坊ちゃまを、つい、うっかり、のけ者にしてしまいましたかねw
セシル:お互いの近況報告は、あとでゆっくりしなさい。それより、今回の送り主ですが…。
 庭師:夏由愛さんですね。今度お会いしたら、お礼を言わなくてはなりませんねw
料理人:セシル船長、このシュトーレン、3皿ですが、2切れずつありますから、全員で分けられますよ?
 庭師:では、坊ちゃまが2つ。我々使用人は1つずつでいかがでしょう?
 執事:夏由愛様も、皆で分けるようにとおっしゃっていますので、クリス殿の提案が良いかと……。
セシル:………。
 庭師:坊ちゃま? 2つでは、ご不満ですか? なんでしたら、私の分も…。
料理人:いやいや、クリス殿はお礼を言わなくてはなりませんから、召し上がってください。私の分をセシル船長に差し上げますから。
 偵使:そんなそんな、今後の料理研究のためには、シェフさんも食べておいた方がいいですよ。新参者の僕の分を船長に…。
 執事:…………。いかがされますか? セシル様。
セシル:…我が家の使用人たちは平和ですね。
 庭師:www。主人が、坊ちゃまだからですよ。
セシル:はぁ……。クリスの提案で結構です。
 執事:w
料理人:w
 偵使:w
 庭師:では、皆で仲良く分けましょう、坊ちゃま。