セシル:カモメ便?
 庭師:はい。出してもよろしいでしょうか?
セシル:確かに君の場合、カモメ便は私の名前でしか送れませんが、いったい、何をどこへ送るというのです?
 庭師:庭で親しくさせていただいている方へ、記念撮影した写真を贈りたいと思いまして。
セシル:写真をね……。親しくしているというのは?
 庭師:……庭のことをいろいろと教えていただいた方です。
セシル:ふむ。女性ですか?
 庭師:いえ、男性です。
セシル:……。
海賊船レーゾンデートル号航海日誌
 庭師:よろしいでしょうか?
セシル:念のために確認しますが、送り先は?
 庭師:きちんと、坊ちゃんからではなく、私からだというメッセージを添えますが・・・。
セシル:クリス、私が確認したいのは送り先です。
 庭師:……シリウス号の料理人です。
セシル:…認めません。
 庭師:坊ちゃんっ!
セシル:わかりきったことでしょう? 許可は、しない。
 庭師:よく撮れた写真なのですが・・・残念です。







 庭師:仕方がありませんね。坊ちゃんがあの調子では…。この写真は、しまい込んでおきましょう…。

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