日本は他の先進諸国と比べて男女平等に対する意識が低いといわれている。

男女共同参画以降、やっと女性も社会に進出できるようになり、男女の格差が少しずつだが縮まってきている。

その中で常に問題となるのが男女差別問題である。


《差別と区別》

まず、「差別」とは何かを「区別」と比較して考えてみよう。


区別とは読んで字のごとく区画して分けるという事である。


差別とは区別した上で両者もしくは3者以上において差を発生させる事である。



ではどこまでが区別でどこからが差別なのだろうか。


トイレや銭湯、これは区別である。
男女の別によって区画の決められた場所で行うのは差別でもなんでもなく、ただの区別である事は言うまでもない。
ただ、これも差別となることがある。


設備やサービスの格差である。


銭湯が分かりやすい。
同じ料金を払って、女性風呂には内湯2、露天2、サウナ1、岩盤浴1があり、男性風呂には内湯1、露天1、サウナ1、岩盤浴なし、だったとする。
これは紛れもなく差別といえる。

男女で設備に差があるからだ。


映画館でも一時期レディースデーしかなく問題となったことがあったが、近年メンズデーなるものができた。
女性に安い日があるのに男性にないのは差別だからだ。
このあたりは分かりやすい。


難しいものもある。
食べ放題だ。

一般的に食べ放題では男女で価格が異なる場合が多い。女性2000円、男性2500円というような具合だ。


店側は
「女性は男性と比べて食べる量が少ないから」
というのを大義名分としている。
確かに一般的にみて男性の方が女性より多く食べる場合が多いであろう。
成人の男女別一日推奨摂取カロリーをみても明らかである。

もちろん、男性より多く食べる女性もいるだろうが、店側がどの女性が大食漢で、どの男性が少食なのかの判断をするのは事実上不可能だ。


ならば体型などで判断するという手もあるが、いちいちそんなものを測定していると人件費がバカにならないし、そんな面倒くさい店には誰も行かなくなり廃業してしまうだろう。
同料金にしたところで女性優遇措置のある他の店に行かれてしまうだけだ。


よそもしているからうちもしないと・・、というサービス業としてはどうしようもない状況だ。

最初に始めた会社に問いただしたところで「企業努力」の一言で追い返されるのがオチだろう。


「企業努力」という言葉を盾に公然と男女差別を行っている企業が幅を利かせている現状に危機感を持っている人間は残念ながら少ない。


ともかくこれについては男性諸氏には我慢してもらわざるをえないだろう。




《レディーファーストの是非》
〜バカにされた行為〜


さぁ、いよいよ本題だが、


「レディーファースト」


近年これに疑問を持つ男性、女性は多いだろう。

店に入ったら先に通す、ドアを開ける、景色の見える場所に座らせる、歩道側を歩かせる。
広義でいえば料金は男性が払う、車の運転は男性がする、などもあるだろう。

男女平等から遠く離れたこのシステム。
未だにこれを

なんの疑問も持たずに行う男性
なんの疑問も持たずに受け入れる女性

がいるのは嘆かわしい限りである。


女性はレディーファーストする男性に言うべきである。


「レディーファーストをするなんて女性をバカにしてるの!?」


と。

レディーファーストされてお姫様気分に浸っている同性に言うべきである。


「貴女みたいな人がいるせいで男女平等がいつまでも実現しないのよ!」


と。




《頭の悪い子が未だにいる》


よく


「欧米では男女平等が日本よりはるかに進んでいる。日本はなんて遅れているんだろうか」


と嘆く人がいる一方


「欧米ではレディーファーストが当たり前なのに、日本はなんて遅れているんだろうか」


と嘆く人もいる。

前者はごもっともな主張だ。
後者については、男女平等思想がまだまだ発展途上な現状では、こういう人がまだいるのは残念だが仕方がない。


恐ろしいのは同一人物が両方について嘆いている場合だ。

これはまさに意味不明である。

ケーキをみんなで切り分ける際

「みんなで均等に分けましょう」

と言っていた人が、分け終わった後


「なんで私のはみんなより大きくないの?」


と言ったら、この子頭大丈夫かな?と誰しも思うだろう。




《女性の意識改革も急務》

男性の意識改革はもちろん必要だ。
少なくとも現代におけるレディーファーストという概念は男性の女性に対する性欲(ヤリたいから優しくする)、さらに女性軽視(自分より劣っている)から生じている事は紛れも無い事実である。

だがしかし、それと同様に
女性の意識改革も積極的に行わないといけないだろう。


あなたの周りにはいませんか?


レディーファーストして悦に入ってる頭の悪い男性。

レディーファーストされて喜んでいる頭の悪い女性。

*追記
2023年10月25日にひろゆきさんがX(旧Twitter)にてレディースデーの男女差別問題について言及されまいましたね。
それに対する「レディースデーは販促戦略だ」との反論に対する返答も素晴らしいものでした。
本当にひろゆきさんのおっしゃる通りだと思います。

「被害・損失を受けている人が存在しないから差別ではない。レディースデーの存在で男性は別に被害は受けてないでしょ?」

という反論もありました。

これについては私の反論になりますが、どう考えても男性は損失を被っています。
例えばショップがある商品を定価1000円で売ろうと考えていたとします。
しかし、「この商品はレディースデーで900円で売りましょう!」という話が出たので、普段の日は1100円を定価として販売することにしました。
(ちゃんと利益を出さないといけないので、どこかで安くするなら普段の値段は上げるという事は当たり前にあります。)

これを踏まえると

レディースデーで女性は本来1000円の商品を900円で購入することができます。(100円の得)

男性は本来1000円で買えるはずだったものがレディースデーのせいで問答無用で1100円でしか買えなくなってしまいました。(100円の損)

ビジネスを少しでも知っていれば、このような裏側の調整があることは誰でも知っています。
それを知らない頭の中お花畑のお馬鹿さんが

「男性は定価1100円の商品を1100円で買ってるだけだから損なんかしてないでしょ!!だから差別ではない!」

って言ってるわけです。
本当に頭が悪すぎてビックリします。


今回のようにひろゆきさんのような影響力のある方の問題提起によって世論が動き、世の中のひずみが是正されていくのは非常に喜ばしいことです。

今後レディースデーやそれに類する男女差別問題がなくなっていくことを期待します。