ずいぶんと・・・ホントにずいぶんとご無沙汰しました。
いやぁ、ブログって気持ちが乗らないと書けないし、仕事もちゃんとしてたもんで(#⌒∇⌒#)ゞ
まあ、いろいろあったことはさておき、
いい文章に出会ったなぁというしみじみした気持ちを久々に味わったもんで、
ブログに備忘録としてつけとくかな、って今回思ったわけで、ここに来てます。
『龍馬伝』を陰で『弥太郎伝』と呼ばしめた暴れん坊・香川照之が、
『坂の上の雲』で正岡子規を苛烈に演じきった香川照之が、
『文藝春秋』の新年特別号に寄稿しています。
以前、サカクモ(=『坂の上の雲』)のキャストである、本木雅弘さんも寄稿してた。
数日間の日記のような内容で楽しく読めた。
けど、本木家は3日に一度はイタリアンレストランに家族で行っちゃうというびっくりな家庭で、
長男のナントカくんはスイスのお坊ちゃま学校に入学したとか(奥さんはスイスの学校に通った人だよね)、
スノッブなワタシには飽きない内容だったが、子育て中の主婦が読んだらもの凄い反感買うかもと思ったりでした。
授乳中の子供つれてイタリアンなんて何とも羨ましいもんね。
まあ、とにかく。
香川さんの寄稿は、
「引きこもりの僕を変えた松田優作」というタイトルでして。
待てよ。
香川さんは東大出で、女優浜木綿子の息子だろう?
経済的にせよ社会的身分にせよ学歴にせよ、どこをとってもワタシらと比較にならないほど恵まれていたはず。
なぜに、「引きこもり」?
その話はあまり詳しく書かれてない。
ただ、香川さんは社会に対して、底の見えないネガティブな感情を持て余し、
「普通の就職」を思いつかなかったために、「宣言するだけでなれる」俳優という仕事を選んだそうだ。
「引きこもり」とはオーバーな表現なんだろうけど、そのことをさらっと書いた香川さんは、徹底して自分を客観的に見つめる冷静さと、そんな自分を分析する高度な知性を持ち合わせた人だった。
彼はなるべくして俳優になったんだろうと思うな。
中途半端な気持ちで、何となく役者業を始めた香川さん、民放の刑事ドラマ『華麗なる追跡』で松田優作と共演することになる。
でも、松田優作というビッグネームを前にしても、特に感慨もなく、「ああ、そうか」という感じだった。
だけど、撮影現場で一緒になり、松田優作の一挙一動を見ていくにつれ、彼のとんでもない輝きと、他の役者に絶対に見られない面倒見のよさ、懐の広さ、そして、芝居やそれに関わる人々に対する愛情の深さに目を奪われていく。
ほんの二ヶ月足らずの付き合いであったにも関わらず、松田優作の存在は、香川さんの役者道に大きな影響を及ぼした。
そして、ある時、「お前とは長い付き合いになる。よろしくな」とパッと肩を抱かれた時に、最高に香川さんの人生が輝いた瞬間だったかも。
しかし、それが松田優作と交わした最後の言葉になる。
人生の師匠とまで敬愛し憧れた相手を突然失った悲しみの深さは尋常でなく、
香川さんはその精神的な苦痛を逃れるためか、きっぱりと松田優作を切り離し、一人で立って行く。
でも、その後の人生の端々で、松田優作が教えてくれた役者としての生き様を痛く思い出すようになる。
松田優作が言っていた「お前とは長い付き合いに・・・」というのは、生死や時間を超越した松田優作の鋭い感覚から出た言葉で、
香川さんが役者として生きながら、そこに松田優作の言葉が寄り添っていることを意味したのかもしれない。
香川さんは確かにそこに松田優作を感じると言っている。
そして、もらった役の「何がつらいか」「どこまで自分を追い詰めてつらさを味わうことができるか」を見極めた時点で役作りは終わっていると豪語している。
『龍馬伝』の鬼気迫る岩崎弥太郎、
ひたすらに感情を抑えて危険な雪道の道案内に徹する『剣岳・点の記』の宇治長次郎、
17キロの減量に挑戦した『坂の上の雲』の正岡子規・・・。
ワタシにはどこか香川照之という生命を捨てているようにすら思えた、数々の迫力みなぎる名演技。
そんな香川さんの精進とも苦行ともいえるような役者人生は、常に松田優作の背中を追いかけているようなものだと、彼自身、最近気づき始めたそう。
その気づきまでが、彼が自分を「耕す」時期だったのであって、
きっとこの先も香川さんは昇り龍のように高みを目指していくんでしょう、
松田優作の面影を追って。
いい演技がしたい。いい作品を撮りたい。自分の引き出しを増やしたい。
そんな陳腐な動機じゃなくて、もっと次元的にスケールが違う、彼方の地平線を目指してる。
香川さんは「優作さんのイタコになる」と言ってる。
「お前は俺になれる」と言ってくれた松田優作の遠い背中を追いながら、
香川さんの言葉はしっとり控えめながら、熱い。
こんな香川さん、知らなかったなー。
ワタシは残念ながら、松田優作のことはあまり知らない。
『探偵物語』?くらいかな。
ダンディを気取りつつ、ちょっと抜けて周囲の笑いを誘う役がぴったりの人で、
刑事役で殉職するシーンも、泥くさく、ひたすら泥くさく、それでいて圧倒的な存在感を誇る人ではあったけど・・・。
『ブラック・レイン』すら観ていない人だから、ワタシ(笑。
まだ、息子たちや奥さんの方をよく知ってるかも。
でも、今の香川照之の内面をこれほど侵食し、造り変えた張本人というのなら、
これからその松田優作を知ろうじゃないの。
どんなに凄い人だったのか、理解しようじゃないの。
・・・てなわけで、年末・お正月はTSUTAYAにgo!かな(笑。