黒衣の魔術師と、メル、
そして、闇の中からメルに声をかけた何者かの姿も消えた。

まさかこんな事が起きてしまうだなんて・・・!
メルの身体に取り込まれた宝石・・・あれが六つに散らばった邪神の宝珠の一つよ。
予想以上に邪悪な力を持っていたわね・・・。
今のメルにはもう自我はない・・・あの宝珠に完全に支配されてしまったわ。。。
これが黒衣の魔術師の目的だったのね・・・。
シュウとナキアに近付いたその時からもう・・・、
全てはヤツの思惑通りだったんだわ・・・


俺のせいだ・・・俺がメルをこんな目に・・・!
メル・・・!


後悔しても仕方ないわよ!
今こうしている間にも、召喚されたモンスターがどこかを襲っているかもしれないわ!
雷桜!
一緒にモンスターを倒しに行くわよ!
手伝ってちょうだい!

先にあなたを奇幻の霧林まで送るわ!
雷桜、頼んだわよ!


アルフィナはあなたに対し叫んだ。
雷桜がうなづくと、瞬時にアルフィナの魔法で奇幻の霧林付近にワープした。

雷桜!
モンスターの数が多すぎるわ!
とにかく一体でも多く倒すわよ!


村を守るため、アルフィナは雷桜に、付近のモンスターを撃破するように頼んだ。

モンスターを撃破した後、メルや黒衣の魔術師の行方について尋ねた。

ガイストヴァルトの奥深くに存在する隠された場所・・・。
フォールズカウム・・・私の父の時代に作られた秘密の場所よ。
黒衣の魔術師が向かった場所の心当たりはそこしかないわ。
誰も入れないように、入り口を厳重に封印していたのに・・・。
封印を解くなんて・・・本当にヤツは何者なの・・・?
入口の封印が解かれたせいで、中には大量にモンスターが入り込んでいるはずよ・・・


一緒にフォールズカウムに探しに行こう!


雷桜はアルフィナに、一緒にフォールズカウムに入り、
黒衣の魔術師の行方を探しに行かないかと尋ねた。

そうね・・・こうなった以上、やれることを全てやるしかないわ。
雷桜、準備ができ次第すぐに向かうわよ!


アルフィナは迷うことなく強く頷いた。

待ってくれ! 俺も一緒に行く!


シュウが突然現れた。

シュウ、メルがあんな事になって、辛いのは分かるわ。
でもメルは宝珠に支配されてしまったの。
例え戻ってきたとしても・・・。
それはもう、あなたが知っているメルじゃないかもしれないのよ?
それでもいいの?


俺は既に、最愛の妻ナキアと大切な娘の一人アイリを失った。
メルはこの世で俺に残された唯一の肉親だ!
一番の宝物なんだ!
メルが生きて戻ってこられない可能性があるのは重々分かっている・・・。
それでも俺はメルの父親だ!
俺がメルを助けないといけないんだ!


・・・そう。分かったわ!
あなたの覚悟・・・確かに受け取ったわよ!


メルや黒衣の魔術師を探すため、残った最後の手がかり、フォールズカウムへと向かうことになった。

???


ふと、雷桜は、誰かに見られているような感覚がした。
しかし周囲を見渡してもだれもいない。

雷桜、シュウ、行くわよ!

フォールズカウム・・・。
正直な話、この場所は私が幼い頃に入って以来、一度も入ってないわ。
だから、中が今どうなっているのかは私にも分からないの。

でも、この中にメル達がいる可能性があるのは事実よ。
二人とも、中に入る準備は出来ているかしら?


ああ!


シュウは力強く頷いた。

雷桜、アルフィナ、シュウは、フォールズカウムにはいっていった。