『銀霊の祭壇』

 

雷桜が銀霊の祭壇に到着すると、そこでは

謎の儀式がメルを中心に行われている真っ最中であった。

アルフィナが儀式をやめさせようと、駆け寄る。

しかし、その儀式を行っている中に、メルの父親・シュウの姿を見つけた事に、驚く。

アルフィナが儀式の中心にたどり着く直前に、

怪しげな黒衣の魔術師はガーゴイルを召喚し、シュウと共に消えてしまった。

 

雷桜は急いでメルの傍まで駆け寄り、メルの容体を確かめた。

しかし、目の前にいるメルは既に虫の息だった。


くっ、なんてことだ・・・。
彼女の傷は深すぎる・・・。
今の状態が続くようなら長くは持たないだろう・・・。
とにかく今は治療が最優先だ


メルの傍らにいた、アルフィナの従者のヴィクトが診たてる。

グォオ・・・オオオオ!!!

 

メルに儀式をしていた黒衣の魔術師が召喚したガーゴイルが 雷桜たちに襲い掛かってきた。

 

来るぞ!
気を付けろ!


雷桜は、ガーゴイルを倒した。

アルフィナ様! ご無事ですか!?


ヴィクトが視線を向けると、そこにはアルフィナが立っていた。

ごめんなさい雷桜・・・。
まさか・・・こんな最悪な形で再開することになるなんて・・・


アルフィナは申し訳なさそうな表情で言った。

アルフィナ様、雷桜、どうやらあの黒衣の魔術師は姿を消したみたいです。
ヤツが向かった方向から考えると、
恐らくは・・・奇幻の霧林の方へと向かったと思われます


くっ・・・あの魔術師・・・いったい何者なの?
きっとあいつがモンスターたちを召喚したに違いないわ!


魔術師の正体も確かに気になります。
ですがアルフィナ様、今はこのメルという少女を助けるのが最優先かと。
村まで送り届けて医者に診てもらわないと・・・この子は・・・


確かにそうね。
目の前で苦しんでいる子を見過ごすなんてできるはずがないわ。
メルは私の魔法を使って、安全にここからワープさせるわ


アルフィナは天に向かって手をかかげると、
メルの身体が宙に浮かび、光の玉に包まれた。

ヴィクト!
あなたは村へのワープホールを展開してちょうだい!
雷桜、あなたにはメルを託すわ。
安全に村まで送り届けてね


私は先に奇幻の霧林に向かうわね。
あの魔術師と・・・あの場にいたシュウを追うわ


アルフィナは、メルを包み込んだ光の玉をあなたへと託した。

アルフィナさん?

『目の前で苦しんでいる子を見過ごすなんてできるはずがないわ。』
とかなんとか、カッコいい事言っておいて、

『雷桜、あなたにはメルを託すわ。
安全に村まで送り届けてね』

ってどういう事だよ!
・・・いや、まぁ、送り届けるのはいいんだけど、

ちょっと無責任が過ぎるというか、なんというか。

雷桜は、いろいろと思うところがあったが、メルが心配だったため、文句を言わず従うことにした。